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新しい夢のはじまり


ことばが頭の中に溢れてゆく。

掬い上げようとして画面に向かうと、さっきまで頭のなかでぐるぐるしていたはずなのに、パンッと弾けて消えてしまう。そんなとき少し、眉が下がる。


パリにいる間、ことばが追いつかなくて夢中でシャッターを切った。そのときの感情が記憶からこぼれ落ちてゆかぬよう、頭の中でことばにした。ことばを文字にしたくてもその時間がないことが、ひどくもどかしかった。



写真をもっと上手に撮れるようになりたい。

絵を描けるようになりたい。

そうすれば美しいと感じた瞬間を切り取って自分の感性ごと他者に共有できるでしょう?


小説を書けるようになりたい。

そうすれば他者にも同じ体験を与えられるでしょう?


音楽を作れるようになりたい。

そうすれば、自分の体験と同じ形をしていなくても、相手の心に “なにか” を残せるでしょう?


ギターを弾けるようになりたい。

そうすれば、持ち歩けないピアノと違っていつでもどこでも音楽を奏でて思い出の中に浸れるでしょう?


デザインできるようになりたい。

そうすれば、思い出を作品に託せるでしょう?

なんらかのロゴとかでもそうだし、刺繍とか服とか作れたら楽しいだろうな。



だけど、自分がいちばんわかっている。


絵とか小説とか音楽とかデザインとか「できたらいいのにな」とは言ってみるけれど、

美しいものを見たとき、無意識に私の手はカメラを構え、頭はその美しさを伝えるためのことばを探してしまうのだということ。


だから私は、絵でも小説でも音楽でもデザインでもなくて、写真 と ことば を極めたい。



ずっと、そうやって生きてきたわけではない。


写真 なんて、見たままを写せばいいと思っていた。そこに行った、それを食べた、という事実をスマホに残せたらいいと思っていた。

ことば なんて、自分の意見を伝えるためのものだと思っていた。自分の意見をわかりやすく伝えることこそが大事だと思っていた。


だけど、noteを始めて気づいたんだ。

写真 は、自分が見ている世界を伝えるものなんだっていうこと。世界の見え方はひとによって違うし、感情や感性というものによって変わる。

ことば は、選び取るものだということ。同じことを伝えるでも、ひとによって使う言葉は変わる。そこに感性や世界の見え方が表れるということ。わかりやすい表現が必ずしも最適解なわけではなくて、一見遠回りに見えても「描写」することで相手に届きやすくなる場合もある。

写真もことばも、自分の感性というものをのっけて楽しむもので、それらで遊ぶことが私は好きだったのだということ。



私よりも写真を撮るのが上手い人も、文章を書くのが上手い人も、たくさんいることは知っている。だけど、そんなことを気にしている場合じゃないくらい、写真と文章の力でやりたいことができてしまったらしい。



読んだひとに「自分もいつかパリに行きたい」と思ってもらえるような、エッセイ集をnoteで作り、書籍化する。




***


パリで考えたことがある。

たとえ進化したVRがスマホ並に普及していて、 "もうひとつの現実" で誰もが好きなときに行きたい場所に行って、会いたい人に会えるようになった時代に生まれていたとしても、私はVRのパリでは満足できなかった。きっと自分の足でパリの地を踏んで、この目でほんもののパリを見るまでは死ねない。現実の価値が高まっていて、旅行の代金がインフレしていたとしても、ほんもののパリを見るためになら、どんなことでも頑張ってお金を貯めて渡航するんだと思う。


そんな世界で ”ほんものだから”と現実の旅行料金が高騰化したら、旅行を仮想世界でしか体験できない人と、現実世界で本物を体験できる人の差が生まれるだけなのかもしれない。

それでも

VRでの体験は、写真や文字では抱けなかった「現実世界でほんものを知りたい」という”憧れ”を作るかもしれない。そこで得た”憧れ”は生きる原動力となって、個人の可能性を広げる種になると、私は信じている。



写真や文字や動画であったとしても、誰かの”憧れ”をつくる一助になれたらいい。「いつか、パリに行きたい」と思ってくれる人がひとりでも増えたらいい。パリでなくても、どこかに行きたいでなくても、読んだ人に自分の夢を叶えるために何かしたいと思ってもらえたらいい。


そのために、ことばを紡いでみたい。


それが私の新しい夢だ。





夢の国で暮らした1ヶ月間のこと

翠 swi.



【Prologue】



【あの街へ行くために】

↑荷造り記録です

(Possible additions and revisions)


【第1週 : ”憧れたちのほんもの”を訪ねて】

To be continued.


【第2週:”憧れ” から ”日常” へ】

To be continued.


【第3週:ようこそ、”私の街” へ】

Coming soon…



【第4週:”Au revoir” を告げる旅】

To be continued.



【Épilogue】

To be continued…?






まだまだたくさん書きたいエピソードがあります。

今のところ(あるかわからないけれど)創作大賞2024へのエントリーを目指して約1年かけて、書きたいことをじっくりnote化していけたらなと思っています。(もちろん、無料記事なので安心してください)


とりあえず今月は、パリのエピソード1記事+日常1記事 で週に2記事更新できたらいいな。


これからの翠もぜひ、よろしくお願いします。









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