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#ノンフィクション
人間の歯は凶器であり、毒親最強の武器。
痛い。
噛まれていたところが、痛い。
今は、もう噛まれてないのに
何年経っても
あの鈍い痛みが、私を襲う。
人間の歯は
恐ろしいほど身近にある凶器。
しかも
口を閉じれば隠すこともできる。
食事にも使えて
収納可能とか…多機能すごいな。
あまりにも異常な光景。
気持ち悪い、怖い、何より痛い。
逃げたいのに、逃げられない密室。
”食い込む歯”
”悦びに満ちた顔”
”雄たけびのような奇声
【-遭遇-】本名という名の”奴隷紋”。
母との遭遇。
そのときの母は、私を舐め回すような目で、瞬きをしてしないんじゃないかと思うほどの勢いで私を見ていた。もう当たり前のことだが、その目に私が映ることはない。母が納得する”理想の娘”に、そこにいる私が当てはまるか。それを計測されているような感覚だった。
もしくは数年ぶりに見かける”実の娘”の姿を目に焼き付けようとしたのかもしれない。「名前を呼ばれていた気がするけれど、本当にあの子?」み
人間の頭は、バスケットボールのように。
人間の頭がバスケットボールみたいに跳ねるのを知った幼少期。
血の繋がった毒親、いわゆる母の手で、私の頭が繰り返しドアに打ちつけられる。
人間の頭がまるでバスケットボールのような動きをする。
母は、跳ね返ってくる私の頭をさらに平手で跳ね飛ばすように
何度も何度もドアに打ちつける。
その理由は
”掃除の仕方がイライラする”
黙々とやってたけど、それがダメだったらしい。
(やってる感が足りないと
着せかえ人形に捨てられた毒親。
着せかえ人形。
いま思うと、あの人たちにとって
私は【着せかえ人形】のような存在だったのかもしれない。
幼い頃、私はスタイルが良い方だったんだと思う。
(今は違う)
そういう私と一緒に歩くだけで
母も母方の家族も【自慢になる】と、いつも言ってきた。
痩せていることを持ち出される日々。
ことあるごとに【痩せている】ことを持ち出され
何かあると【自分のことのように】周りに自慢する。
そ
毒親は、家族の死体を叩きたい。
母が求める家族の死。
母にとっては義理の両親。
母にとっては夫。
彼等の死を
あの人は懇願する。
「あと何年以内に、仕事中に死ねば…」
「〇〇が死んだら棺桶にある死体を、鞭で一緒に叩いてあげようね」
夕飯時や、ふとしたタイミングに始まる、いつもの日常。
幼い私も無知だった。
幼い私は
それを「うんうん」と聞き、そういうものなんだと純粋に思っていた時期すらもあって
一緒にやろうと求めら
愛情と称された、奇妙な時間。
剝き出しの歯が
私に食い込む。
ギラついた目と
雄たけびのような奇声。
「あぁ、餌の時間ね…」
いつからか、私はそんなことを思いながら、
当たり前のように身体を委ねる。
愛情と称された、奇妙な時間。
「あなたが可愛いから」
「あなたがいい子だから」
「だからこうしたくなるの」
視界が歪むほどの痛み、くっきりと残る歯形、口から出るねっとりとした液体。
悦びに満ちたあの人の顔。
内出血と