愛情と称された、奇妙な時間。
剝き出しの歯が
私に食い込む。
ギラついた目と
雄たけびのような奇声。
「あぁ、餌の時間ね…」
いつからか、私はそんなことを思いながら、
当たり前のように身体を委ねる。
愛情と称された、奇妙な時間。
「あなたが可愛いから」
「あなたがいい子だから」
「だからこうしたくなるの」
視界が歪むほどの痛み、くっきりと残る歯形、口から出るねっとりとした液体。
悦びに満ちたあの人の顔。
内出血と痛みが残り、それが消え去る前に、また上書き。
昨日の痛みが消えないうちに、鈍い痛みがそこに重なる。
痛みどころか、恐怖すらも感じない。
その感覚ごと、与えてきた。
人の卑しさが
人である私を、
人ではない場所へと連れていった。
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