時代が吹かせる風に乗って

思うがままになれると疑わず
思うがままを見つけることもせず
思うがまま消費してしまった
私は世界の脇役と気付いた少年時代

それでも腕を試してみたく
これだけでもどれだけ輝けるか
それだけでも誰かの誰かになれるなら
私は世界の脇役を喜べた青年時代

信じていたことが覚めてしまった
信じ込むように努めていたことが
信じてはいられなくなって真っ暗で
私は世界の悪役に裏切られた空白時代

諦めて始め方を探すこともしないまま
諦めたくて終わり方に手を伸ばして
諦められなくて最後に筆を走らせた
私は世界の主役に戻れたような電脳時代

壊れた私から多くの人が去っていき
壊れ続けているはずなのに人が集まり
壊せば泣くほどに背中をさすってくれて
私は世界の主役の一人のような大航海時代

孤独に苦しみ決断したことが非推奨とされ
孤独は悲しみではないと得るにも時間が必要で
孤独が愛せるようになるには両脚で歩けて初めて
私が世界を主役にしていく白髪混じり時代