マガジンのカバー画像

建築家とは

66
運営しているクリエイター

2021年3月の記事一覧

【architect】建築家とは…坂茂に学ぶ

【architect】建築家とは…坂茂に学ぶ

新型コロナによる二度の緊急事態宣言が終わった

次はいつ緊急事態宣言が出されるのだろうか?
もうリバウンドははじまっている

二度目の緊急事態宣言が始まるまで
『政府は何をやっていたんだ!』
という世論が多かった

確かに時間もあった
予測も立てられた
予測不能な未知の世界との闘いなのだから、何十、何百という可能性に対する対処策を想定していて然るべきではないかと思ってしまう

災害についても同じこ

もっとみる
【vision】アフターコロナの建築

【vision】アフターコロナの建築

日本のよくある街並みにある建築の多くがなぜこんなにもセンスがないのか疑問に思うことがある

そんな問いに対して、仮説を立ててみた

人は『意識の時間』と『無意識の時間』を生きている
『意識の時間』とは学校や会社に行ったり、遊びに行ったり周囲の人に見られている時間なので、オシャレをしたり化粧をしたり、自分がどのように見られているか意識している
一方の『無意識の時間』は、例えば家の中でボーっとしていた

もっとみる
【small design】皮膚や肌の少し先にある存在

【small design】皮膚や肌の少し先にある存在

小学3年生のときからサッカーをしてきた
ちょうどJリーグが始まったり、アメリカワールドカップのアジア予選でロスタイムで失点して惜しくも出場を逃したドーハの悲劇の時期でサッカーがすごく盛り上がっていたときだった

本当に毎日毎日サッカーをしていた
明確な目標があったわけではないがただひたすら熱中していた
大人になると目標やノルマに向かっていくことが求められるが、あの頃の僕はただひたすら目の前のボール

もっとみる
【architecture】建築家とは…田根剛に学ぶ

【architecture】建築家とは…田根剛に学ぶ

異色の若手建築家である田根剛氏
高校生までJリーグの下部組織で本気でプロサッカー選手を目指すも怪我で断念

北海道の大学で建築を勉強してからは建築にどっぷりハマった

海外への留学がきっかけで今は日本ではなくパリで事務所を構えている

日本に事務所を構えてから海外にも事務所を持つ建築家は多いが、海外からキャリアをスタートし、そこを本拠地にしてしまう建築家は珍しいように思う

キャリアのスタートは、

もっとみる
【small design】ブカブカのユニフォーム

【small design】ブカブカのユニフォーム

僕は子どものこれからずっと同年代の子と比べて背が低かった

いつも背の順は一番前で、整列のときはみんなと違うポーズをとらされていた
(今の子どもたちが背の順で並んだり、整列のポーズがあるのかはわからないが、僕が子どもの頃の千葉県ではあった)

だからと言って、いじめられたりした経験はなかったが、嫌だなぁと思うことはあった

僕は小学3年生から学校のサッカー部に入っていた
サッカーは高校まで続けてそ

もっとみる
【lifestyle】街並み

【lifestyle】街並み

住みたい街、住みたくない街

住まいを選ぶとき、住みたい街並みの街を選ぶだろう

代官山や中目黒などのように、小さなおしゃれなお店が並ぶ街並み
下町のように濃密な昔からのコミュニティが残る街並み

少なからず良くも悪くも何となくだが、人は好きな街並みを求めているように思う

街並みとまでは言わなくても何となくの雰囲気は気にするだろう

しかし、自分がいざその街並みに自分の家を建てようとすると、そこ

もっとみる
【lifestyle】カチャッ

【lifestyle】カチャッ

当たり前だと思いますが、自宅の玄関の鍵はいつもかけていますか?
もちろんかけていますよね

僕ももちろん鍵をかけています
ただ昔から鍵をかけるときの『カチャッ』っていうちょっとした音が気になっています

例えば自分が出かけるときに玄関まで見送ってもらって玄関の戸を閉めた後に内側からあの『カチャッ』という音がすると寂しい気がしてしまう

逆に自分が見送る立場のときは、なるべく外の人に聞こえないように

もっとみる
【architect】建築家とは…中村拓志に学ぶ

【architect】建築家とは…中村拓志に学ぶ

建築家中村拓志氏の著書『微視的設計論』をはじめて拝読したのは10年前だった

そのときも私にとっては驚きの連続だったが、改めて建築実務を経験して読んでみると、中村氏の建築家としての真っ直ぐなマニフェストを感じることができる

中村氏の説く『微視的設計論』とは、人のふるまいや挙動、自然のふるまいを、かつてない精度で観察し建築化することで、建築を皮膚や服地の少し先にあるもとして捉えている

それにより

もっとみる
【architect】あれから10年

【architect】あれから10年

10年前の今日そのとき、僕は池袋にある【自由学園明日館』にいた

新たに建築家になる夢を持って勉強をスタートしたときで都内中の建築を自転車で見て回ることを毎日のようにしていた

その日も住んでいた中野から自転車で池袋まで走らせ近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトの日本における名作である明日館を訪れていた

ちなみにフランク・ロイド・ライト設計の日本での最初の建築である帝国ホテルのオープン東日本は

もっとみる
【vision】アフターコロナの建築|森山邸|西沢立衛

【vision】アフターコロナの建築|森山邸|西沢立衛

20年ほど前、私が学生だった頃から建築のアイデアコンペなどで『分離派』と私が勝手に名付けた建築が出てきたように思う

『分離派』というのは、敷地を越境して、街全体を敷地と捉えて、お風呂やキッチン、リビングに寝室、書斎など住宅の要素が、街の中に散らばっているようなアイデアだ

当時は何を言っているんだと思ったものだが、2021年現在実際にこのような暮らし方は現実化している

お風呂はフィットネスクラ

もっとみる
【architect】建築家とは…安藤忠雄に学ぶ

【architect】建築家とは…安藤忠雄に学ぶ

『住吉の長屋』

安藤忠雄の実質的なデビュー作であり氏を世界のANDOたらしめた問題作である

三件長屋の真ん中を梁を切って
間口2間、奥行き8間のコンクリートのボックスを差し込むという狭小地の極みであり工事的にも難易度の高い建築だ

1976年の完成以来、45年が経とうとしているが変わらずに美しく凛とした佇まいを残している

私がはじめて『住吉の長屋』を訪れたのは18年くらい前の大学生の時
大阪

もっとみる