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クーリエジャポンの記事から考察

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2021年8月の記事一覧

日本で、安楽死は認められるべきなのか?【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.139】

日本で、安楽死は認められるべきなのか?【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.139】

「安楽死大国」と称されるヨーロッパの最新データを紹介したい。

スイスでは、2018年に1176人が自殺幇助で亡くなっている。スイス連邦統計局(OFS)によると、全体の死者数が6万7088人であることから、約50人に1人が致死薬を利用している計算になる。その数は、2010年の352人から約3倍に伸びている。

ベルギーはどうか。2017年以降も毎年、安楽死による死者数が右肩上がりで、2019年には

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カマラ・ハリス米副大統領が魅力のはずの「陽気な笑い方」を批判されている理由【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.138】

カマラ・ハリス米副大統領が魅力のはずの「陽気な笑い方」を批判されている理由【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.138】

8月20日、カマラ・ハリス米副大統領に対して、ひとりの記者がアフガニスタンの混乱状況について「アメリカ国民に伝えたいことは?」と出し抜けに尋ねた。

するとハリス副大統領は、「はいはい、みなさん、ちょっと待ってくださいね。アハハハ」と言って破顔したのだ。

米タブロイド紙「ニューヨーク・ポスト」が「あの悪名高い笑い」と書いているように、ハリス副大統領は以前から「よく笑う人」であることが報じられてき

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アクリル板はコロナ予防効果が低いどころか、感染リスクを上げてしまう可能性も【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.137】

アクリル板はコロナ予防効果が低いどころか、感染リスクを上げてしまう可能性も【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.137】

新型コロナウイルスの感染対策として、レストランや学校などでプラスチック製の仕切りが活用されているが、米紙「ニューヨーク・タイムズ」によれば、たいした予防効果がないどころか、かえって感染リスクを上げる可能性もあるという。

問題は、そうした仕切りによって、室内の本来の気流や換気が妨げられてしまうことだ。

吐き出された息は気流に乗って拡散する。室内の換気システムにもよるが、だいたい15~30分ごとに

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コロナ禍でも食への情熱は変わらず!? 外食のために国境を越えるフランス人【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.136】

コロナ禍でも食への情熱は変わらず!? 外食のために国境を越えるフランス人【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.136】

報道によると、ベルギーとの国境近くにあるフランス北部のサン=ジャン=カペルのレストランでは、ヘルスパスの提示が義務化されて以来、週末の予約が入らなくなったという。

「先週末は、予約で土日ともいっぱいでした。300人近くのお客様がいらっしゃって、200人近くのお客様をお断りしました。ですが、今週末に関しては電話がかかってきていません」と義務化された直後、地元レストランのオーナーは同局に話している。

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睡眠不足と食生活との相互関係が明らかに! 睡眠を改善する「食生活」とは【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.135】

睡眠不足と食生活との相互関係が明らかに! 睡眠を改善する「食生活」とは【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.135】

最近、食事内容が睡眠の質に影響を与え、また逆に、睡眠パターンが食事の選択に影響を与えることを示す研究結果が続々と報告されている。

そうした研究で明らかになったのは、砂糖や飽和脂肪酸、精製された炭水化物を多く含む食事は睡眠を妨げる一方で、植物や食物繊維のほか、不飽和脂肪酸を豊富に含む食品──ナッツ類、オリーブオイル、魚、アボカドなど──の摂取を増やせば、安眠を促す効果を得られるということだ。

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生活を立て直すための支援金で「高級車」や「フレンチブル」を購入してはダメなのか?【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.134】

生活を立て直すための支援金で「高級車」や「フレンチブル」を購入してはダメなのか?【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.134】

フィレンツェ郊外の工場に勤めていたマリカ・チャリー(22)は最近仕事が減り、政府からの給付金を受給し、実家の生活費にも当てていた。しかし、1月に女性と恋に落ちたと両親に同性愛者であることをカミングアウトした結果、親は激怒し、勘当されたと伊紙「コリエラ・デラ・セーラ」は報じている。

母親は娘に30以上もの伝言を携帯に残し、怒鳴りちらしたあげくに「目の前に姿を現したら殺す」とも脅迫した。そして直ちに

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世界最強の諜報機関「モサド」を擁するイスラエルは、中国スパイに負けているのか【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.133】

世界最強の諜報機関「モサド」を擁するイスラエルは、中国スパイに負けているのか【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.133】

英TV「SKYニュース」は、米サイバーセキュリティ企業からの情報で「中国のサイバースパイ工作集団がイランのハッカーを装い、イスラエルの政府機関各所に侵入している」と報じている。

イスラエルとライバル関係にあるイランを装っていること自体、かなり狡猾な中国人ハッカー集団だと言えそうだ。

さらにこのハッキング集団は、「イスラエルでこうしたにサイバー攻撃を実施している間に、イランやUAEやカザフスタン

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壮大すぎるモデルナの野望「新型コロナワクチンは手始めにすぎない」【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.132】

壮大すぎるモデルナの野望「新型コロナワクチンは手始めにすぎない」【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.132】

1年前の「モデルナ」は、儲からない企業だった。市販製品はなく、有望な技術はひとつあったが、まったく実証されていなかった。開発中の試験薬やワクチンで、大規模な臨床試験を完了したものもなかった。

メッセンジャーRNA(mRNA)ベースの新型コロナワクチンが第III相臨床試験に入ろうとしていたが、それが従来の確立した技術にどこまで肩を並べられるかという点で、専門家の見方は分かれていた。

そのモデルナ

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今月もまたお金がない! 厳しい経済状況の乗り越え方【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.131】

今月もまたお金がない! 厳しい経済状況の乗り越え方【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.131】

今回のテーマは「どのようにして厳しい経済状況に向き合えばいいのか?」ということです。

経済状況が厳しければ、人生も楽しくないのは当たり前です。大切なのは前に進むことです。でも、それには苦しみが伴います。あなたも私たちも金持ちではないのですから、ここを出発点に始めていきましょう。

まずは「無防備症候群」に陥らないことです。つまり、あなたが経済的に苦しんでいようが、悲しんでいようが、具合が悪かろう

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インドで審議が始まった“二人っ子政策” 人口抑制論が再燃した「本当の理由」【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.130】

インドで審議が始まった“二人っ子政策” 人口抑制論が再燃した「本当の理由」【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.130】

インディラ・ガンディーの息子サンジャイ・ガンディーが実施した悪名高い強制避妊手術政策では2年間で800万人が避妊手術を受け、そのうちの600万人の男性が精管結紮(パイプカット)手術を受けたことで知られる。

それから半世紀、インドで再び「人口抑制」という非常にデリケートなテーマが議論の俎上に上がっている。7月23日からインド連邦議会下院「ローク・サバー」で与党のヒンドゥー至上主義政党の議員が提出し

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若返りたければ、泳ぎなさい──脳を活性化させる究極の有酸素運動【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.129】

若返りたければ、泳ぎなさい──脳を活性化させる究極の有酸素運動【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.129】

ある研究によれば、水泳には独特の、脳の活性効果があるかもしれないという。

定期的に泳ぐことで、記憶・認知機能・免疫反応・気分の面で改善が見られることが報告されているのだ。水泳は、ストレスで受けたダメージを修復し、脳内の新たな神経連絡を作り出すことにも役立っているかもしれない。

脳細胞が再生し、神経連絡が強固に現在は哺乳類でも魚類でも、有酸素運動が神経組織の発生に寄与し、神経細胞やその損傷を修復

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“裏アカ”から自分のSNSに中傷コメント 子供の「デジタル自傷」に気づいていますか?【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.128】

“裏アカ”から自分のSNSに中傷コメント 子供の「デジタル自傷」に気づいていますか?【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.128】

小学生の娘のインスタグラムにひどいコメントが残されているのを見てしまった。「ほんとキモい。誰もあんたのブサイクな顔なんて見たくない」などと書かれている。娘がネットいじめに遭っているのではないかと心配になる。

ところが、娘にそのことを尋ねてみたところ、彼女は自分で偽のアカウントをつくり、自らそのコメントを投稿したと明かした。

今、社会科学者たちは彼らが言うところの「セルフ・ネットいじめ」または「

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「ブルシット・ジョブ理論」そのものが“クソ”な理由──英誌が徹底分析【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.127】

「ブルシット・ジョブ理論」そのものが“クソ”な理由──英誌が徹底分析【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.127】

グレーバーは、2018年の著書『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事の理論』で、社会が意図的に多くの無意味な仕事「ブルシット・ジョブ」を創造してきたと主張する。

たとえば金融業務は、教養はあるものの学生ローン返済のためにお金が必要で、仕事のせいでうつ病に苦しむ労働者の時間を埋める存在でしかないとしている。

しかし、マグダレーナ・ソフィア、アレックス・ウッド、ブレンダン・バーチェルの3人の

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中華圏で活躍の芸能人 五輪で台湾代表を応援しすぎたために4社のCM契約が打ち切りに【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.126】

中華圏で活躍の芸能人 五輪で台湾代表を応援しすぎたために4社のCM契約が打ち切りに【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.126】

台湾出身で人気番組の司会をつとめるなど、中華圏で広く人気を集めるタレント「小S」こと徐熙娣(ディー・スー)。台湾メディア「中時新聞網」によると、今回の五輪の競技を熱心に観戦していた彼女、自らのインスタグラムでもたびたび台湾代表の活躍に声援を送っていた。

彼女のアカウントに中国から寄せられたコメントは、徐熙娣が台湾選手を応援して中国選手を応援していないことから、“台湾独立派”であるとする声が相次い

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