君は芸術家

「君はどこからやってきたんだい？

ずっと下を向いて
まるでこの世のすべての悲しみを背負っているようだね
ひとりで背負うのは大変だろうから
僕にも少し分けてくれないかな

君を見つけたとき僕は思ったんだ
守り抜かなきゃいけないって
なぜだかはわからないけどね

君は傷だらけだけど
治ってる傷もありそうだ
ここまでよく頑張ったね
大変だったよね

つらかったり悲しいときは泣いてもいいよ
せっかくからだがあるんだからさ

すこしはラクになったかな
そうだったらうれしいな
だって僕は君を守るためにここにいるから

ところでこんな話を知ってるかい？
人は誰でも芸術家だってさ
人生というたった一つの作品を創り続けているんだ
同じものなんてひとつもない
姿、かたち、色、温度、ぜんぶがばらばら

君の作品も見せてほしいな
恥ずかしがったり怖がったりしなくてもだいじょうぶ
善悪も優劣もないからね
ただありのままの君を知りたいんだ

もし自分の作品を見失ってしまったのなら
新しく創ってみてよ
どんな道具を使うんだい
どんな絵の具を使うんだい
出来上がっていくのが楽しみだね
そのうち失くしたものも見つかるさ

ほら、今度は僕の楽しみを背負ってよ」