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#詩

いっしょでも、違っても

いっしょでも、違っても

あなたと一緒だとうれしい
あなた違うとたのしい

みんなと一緒だとホッとする
みんなと違うとソワソワする

あの人と一緒だとげんなりする
その人と一緒だと安心する

似ていても
ちょっと違うのもおもしろい

違うと思っていても
はたから見たら同じかもしれない

おんなじでも
違うのでも
人が違うと
感じ方が違うのだな

おんなじでも
違うのでも
ものが違うと
見方が違うのだな

不思議だね

月が降りてきた夜に絵描きがみたもの

月が降りてきた夜に絵描きがみたもの



猫の眼は瞑らない
猫が木に登る夜は 月が降りてくる

清潔な絹糸が 時を刻む

黄金比に切りとられた 

星空に刻印される音

アイロンの蒸気が

君のブラウスのリボンをほどく

殺菌された 猫の眼に映りこむ

クレーターの底で 

泳ぐ魚に色を塗る

ブリキの月のはり金と

ニセモノの猫の爪を ひっかけて

釣ったエモノは逃さない

マンドリンのアルペジオが

ピタゴラスを奏でる

ぼくはシ

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【ただのつぶやき】片思いのラブレター

【ただのつぶやき】片思いのラブレター

こんにちは。やっぱりWORD(というか、OUTLOOK含むOFFICEシリーズ全体)の調子がいまいちな、ちょっとしょんぼりな牛尾です。

さて、フォローしている方の記事にを見ていたら、こんな企画が開催されておりました。
(↓私のフォローしている愛川さんです)

(↓※こちらは、企画の発起人の方です)

この「片思いのラブレター」というワードが、なんとなく琴線に触れた感じで・・・少し昔のことを思い出

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絵描きの息子、おとしだまに小学生の頃の望みを思い出す

絵描きの息子、おとしだまに小学生の頃の望みを思い出す


ウーパールーパーを買うんだ

除夜の鐘を遠くに聴きながら
考えていたんだ
僕は寒いベランダから
冷たくてきれいな夜空の星を
みていた
静寂

年の移り変わりを示す鐘の音とは違う
凍るような音階が
どこからともなく
額の奥で共鳴する

夜空の星が
ぐんぐん近づいてくる
夜空の音が
どんどん近づいてくる
星が? 音が?
違うよ
僕が近づいていってるんだ

僕は夜空に向かい
「ありがとう」って言ってみ

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曖昧な夜に絵描きが思うこと

曖昧な夜に絵描きが思うこと


曖昧なヨル

曖昧なヨルに

曖昧なへやに居ると

曖昧が押し寄せてくる

昼間の喧噪と秩序の左脳を閉じ

曖昧に右脳だけが目醒める

ことばの意味もわからない

ただそこには

かたちといろがある

指と筆の境界線

筆とキャンバスの境界線

溶けていく

混ざっていく

柔らかく凍ったおとが聴こえる

からだ中の骨が共鳴する

やがてからだが溶けていく

残ったひとみだけが

空と化したかた

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月の無い夜に絵描きが思うこと

月の無い夜に絵描きが思うこと


月の無い夜
月の無い夜は

魂の計画をたてよう

次の世界があるのなら

今度こそ正直に生きてみよう

土から這い出た蝉の子のように

曖昧な部屋から這い出したら

地上にはみ出た根っこに

翻弄されている年老いた木に

語りかけてみる

昼間の痛いほど眩しい青空は悲しい

咲き誇る花が多すぎるのは悲しい

川岸から聴こえる讃美歌は悲しい

三角形の気の遠くなる重なりを

くぐり抜けさえすれば

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「 てんとう虫 」

「 てんとう虫 」

あたたかな陽の光

春の訪れと共に
君はまたこの世界に生まれ落ちる

寿命はたったの二ヶ月

あぁ、もどかしい。

君の姿を

君のいのちを

どこかで誰かが見ている
だろうか

小さなその身体

隣を歩いていても
気づかれることなく

でも

私は君を見ている。

必死に歩く姿

太陽に向かって
飛び立つ君を

私は知っている
君の愛くるしさを

だって私は君に出会えて
こんなにも幸せなのだから

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