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曖昧な夜に絵描きが思うこと
曖昧なヨル
曖昧なヨルに
曖昧なへやに居ると
曖昧が押し寄せてくる
昼間の喧噪と秩序の左脳を閉じ
曖昧に右脳だけが目醒める
ことばの意味もわからない
ただそこには
かたちといろがある
指と筆の境界線
筆とキャンバスの境界線
溶けていく
混ざっていく
柔らかく凍ったおとが聴こえる
からだ中の骨が共鳴する
やがてからだが溶けていく
残ったひとみだけが
空と化したかたちといろを
捉えようとする
だが
じきにひとみも溶けて
そこには心地良い
たましいの揺らぎだけが
残される
そしてまた
左脳を伴うアサが
やってくるのだ
「曖昧な夜」
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