記事一覧
「生まれかわるつもりがあるならむしろカラッポのほうがええ」という台詞に救われた話
今年の10月、26歳の秋、これまでの自分の価値観を覆されるような事件、いや転換点を経験してから、私は文章がすっかり書けなくなっていた。noteに文章を書く時、おそらく執筆者のほとんどが、「無名の不特定多数に少しでもいいから読んで貰って共感を得たい」と考えていると思う。そしてその裏にあるのはおそらく、自身や自負、教養や知識、誰もしたことのない経験だ。おそらく一番大事なのは、「自信」。
私は最近まで
自分の人生が誰かの模倣だっていい。
近頃、あれ?と思うことがあった。
仕事を辞めた後、1か月の休職期間、私は旅行を企画していた。
コロナ明けの夏を迎え、駅中に現れる国内旅行のポスターを眺める。
人気の観光地は、伊豆か。軽井沢か。はたまた、世界遺産巡りか。
皆が「行って良かった」と言っていたところへ、TVロケで芸人が食べ歩きをしている街へ、行ってみようか。
だが、計画を進めている最中に、私は気づいた。
あれ、これはあのポスターの、友
社会人になってからでも、日記を書くことを是非おすすめしたい(5か月続けて現れた効果)
最近noteを更新していなかったが、その間も文章を書いていなかったというわけではなく、実は日記は毎日続け、そのほかもちまちま小説等を書いたりしていた。とはいえ、日記も5か月分溜まったので、そろそろ整理のつもりで久しぶりに投稿する決心がついた。手元にあるのは、約150日分の記録である。読み返すと、非常に面白い。(自分では気づくことが出来ないので、もし文章に何らかの変化が表れていたら多めに見て頂きた
もっとみる「ファスト教養」の時代だからこそ、「心から好きなもの」を集めていくこと
前回、文章を書いてから、しばらく時間が空いてしまった。
その間、文章を書こう、という気が起きなかった。というより、内から湧き出てくる爆発的な感情が、生まれなかった。
転職活動がようやく終了し、心も落ち着いてきたところで、旧友に会いに行ったり、普段は読まないような厚い文庫本や上下巻のある長編小説を読んだりしているうちに、あっという間に時が経ってしまった。私は、至極健康的で真っ当な日常という"Whri
日記:12歳の私とチョコモナカジャンボ
片手にチョコモナカジャンボを大事に抱えながら、月600円だったお小遣いを握りしめ、毎日1km離れたコンビニまで帰宅するや否や自転車で飛び出していった12歳の頃の自分を思い出した。600円等、まだ今よりは数十円ほど安かったジャンボでも5日で底を尽きるはずであるのに、祖母から貰ったお年玉を大事に分割してちまちまと使っていたのか器用にやっていたらしい。あの頃はいつも、無性に腹が減っていた。
小学6年生
エッセイ:去り行く人とまた会う日まで(令和の時代に、家族を考える)
弟が実家を出てゆく日が来た。
この日が来るなど、夢にも思わなかった。
パラサイトシングルで一生を終えるのではないかとヤキモキしていた私だったが、意外とあっという間に自立の時がやってきたらしい。
引きこもりで、常に親に反抗的な弟が。
誇らしい、などおこがましい。頑張れよ、も違う。
ただ、弟の自立を機に、数奇な運命の巡り合わせについて、考えざるを得なかった。
実は私と弟は、かなり仲が悪い。
同
誰もが弾ける「あの」思い出のピアノの曲がメキシコで○○の歌だった話
「あなただけのレアな体験」。
そのタイトルを見た瞬間、何かが脳裏をよぎり、私はもう日本にはいなかった。私は、メキシコにいた。
いや、正確に言えば、私の記憶が、だが。
今から3か月ほど前のことである。
私は友人の結婚式に出席するためにメキシコに滞在していた。
詳しい内容は、下記の滞在日記を参考にしてほしい。
英語こそ話せるものの、スペイン語はまだ初心者であった私はメキシコ人の話し言葉が一切理解で