昨今まれにみる山田

スパンキープロダクションという事務所で活動しているコンビ、「純情ポパイ」の昨今まれにみ…

昨今まれにみる山田

スパンキープロダクションという事務所で活動しているコンビ、「純情ポパイ」の昨今まれにみる山田と申します。道頓堀ZAZA POCKET'Sという舞台を中心に活動しています。Zoomによるライブ配信も行っております。良ければTwitterのフォローもよろしくお願いします!

マガジン

  • スパンキー共通テーマ

    • 17本

    スパンキー芸人数名が同時に同じテーマで記事を更新するというコラボ企画です。

  • スパンキーネタ感想会

    • 9本

    スパンキープロダクションの芸人による「ひとつのネタに対してみんなで感想を書く」という企画です。

  • スパンキーリレー台本

    • 24本

    スパンキープロダクション所属の芸人数名でリレー形式に台本を書き足していってひとつのネタを完成させる『リレー台本』という企画です。

記事一覧

「雨」    窓の外ではまだ雨が降り続いていた。 「結局のところ母はわたしを捨てたのよ。」  彼女はため息と共に言葉を吐き出した。ベッドを置くとそれだけでいっぱいに…

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読む漫才「職務質問」

ボ:街で職務質問されたときなんか動揺するよね ツ:悪い事してないならドッシリしとけばいいんじゃない? ボ:そんなに言うならお手本見せてよ! ツ:そんなには言ってない…

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読む漫才「心の中の天使と悪魔」

ツ:この前道歩いてたらサイフを拾ってね ボ:そういうときって心の中の天使と悪魔が語りかけてきますよね、こんな風に…キラキラキラーン、へへへへ、そんなサイフネコババ…

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【リレー台本】スポーツの秋(8)

スパンキープロダクションの芸人による『リレー台本』企画の第二弾を行っております。 内容は「スパンキーの芸人数人でリレー形式に台本を書き足していって、ひとつのネタ…

「動物園」(小説)

「動物園」    風が吹く音がした。外を見ると雨はもう止んでいて、陽の光が雲の隙間から差し込んでいた。 「そろそろ出かけないか?」  僕は言った。 「ええ、そうね。…

120

海岸にて

「海岸にて」    とても静かな夜だった。僕と彼女は並んで家の近所の海岸を散歩していた。波の寄せては返すザザーッという音が心地よく耳に響いていた。 「ねえ。」  と…

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【共通テーマ】起きたら女になっていた

この記事はスパンキーメンバー数名が同時に同じテーマで記事を更新するというコラボ企画に参加したものになります。 今回のテーマは『起きたら女になっていた』で参加者は…

【リレー台本】スポーツの秋(2)

スパンキープロダクションの芸人による『リレー台本』企画の第二弾を始めます。 内容は「スパンキーの芸人数人でリレー形式に台本を書き足していって、ひとつのネタを完成…

真夜中のキッチンにて

「真夜中のキッチンにて」   「別にあなたばかりが悪いと言っているわけじゃないのよ。」  別れる間際、妻は言った。 「それはあなたが長い間、職場の後輩の女の子と寝て…

120

読書

「読書」    文章を書くと言う行為には、ときに恐怖がつきまとうことがある。自分にはこの文章を最後まで書き切ることが出来るのだろうか?そこにはあらゆる種類の困難が…

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小説「箱」

「箱」    時間の概念というものが消失してしまったような場所だった。あまりにも静か過ぎるのだ。あたりの通りには車一台、人ひとり通らなかった。電柱の陰から猫が一匹…

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小説「ひとりごと」

「ひとりごと」    自分の人生というものを考えたとき、そこには常に淡い影のような孤独がつきまとっていた。 「ねぇ、どうしてそんなに大きな声でひとりごとを言うの?…

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【ネタ感想会】オイカゼ 漫才 先輩との飲み

この記事は、スパンキープロダクションの芸人による「ひとつのネタに対してみんなで感想を書く」という企画に参加したものです。 今回のネタはオイカゼの漫才『先輩との飲…

小説「予言」

 何かを言葉にしようとするとき、自分のイメージする事柄を完璧にそれに置き換えることは不可能だ。少なくとも僕の場合はということだが。だから僕は真っ白な原稿用紙を目…

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【ネタ感想会】センサールマン 漫才 ゴジラ

この記事は、スパンキープロダクションの芸人による「ひとつのネタに対してみんなで感想を書く」という企画に参加したものです。 今回のネタはセンサールマンの漫才『ゴジ…

【漫才:夏休みの宿題(11)】

スパンキープロダクションの芸人による『リレー台本』という企画をやってます。 内容は「スパンキーの芸人数人でリレー形式に台本を書き足していってひとつのネタを完成さ…

「雨」
 
 窓の外ではまだ雨が降り続いていた。
「結局のところ母はわたしを捨てたのよ。」
 彼女はため息と共に言葉を吐き出した。ベッドを置くとそれだけでいっぱいになってしまうワンルームの部屋で、小さな折り畳みテーブルを挟んで僕と彼女は向かい合って座っていた。彼女はテーブルに頬杖をつきながら、窓の外を見るともなく見ていた。その視線の先にはどんよりとした雨雲がどこまでも続いていた。僕はカップに入った

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読む漫才「職務質問」

ボ:街で職務質問されたときなんか動揺するよね

ツ:悪い事してないならドッシリしとけばいいんじゃない?

ボ:そんなに言うならお手本見せてよ!

ツ:そんなには言ってないよ⁉︎

ボ:警官として職務質問するから、街歩いといて

ツ:わかった

(コント)

ツ:(自転車を押しながら歩いている)

ボ:ちょっといいかな?

ツ:はい?

ボ:それ盗んだ自転車だよね?

ツ:いきなり⁉︎違いますよ

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読む漫才「心の中の天使と悪魔」

ツ:この前道歩いてたらサイフを拾ってね

ボ:そういうときって心の中の天使と悪魔が語りかけてきますよね、こんな風に…キラキラキラーン、へへへへ、そんなサイフネコババしちまおうぜ

ツ:それはどっちをやってるの⁉︎

ボ:悪魔の方を

ツ:出てくるときの効果音と合ってなかったよ!

ボ:そうかそうか…デデデーン、へへへ、そんなサイフネコババしちまおうぜ

ツ:悪魔をやってるのね

ボ:キラキラキラー

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【リレー台本】スポーツの秋(8)

スパンキープロダクションの芸人による『リレー台本』企画の第二弾を行っております。
内容は「スパンキーの芸人数人でリレー形式に台本を書き足していって、ひとつのネタを完成させる」というものです。
今回の参加者はひこーき雲佐藤、センサールマン山﨑仕事人、高田、ボーカル、オイカゼワサダ、純情ポパイ山田の全6人で、全員を2周(12ターン)で完成となります。

▼第一弾も含めたまとめのマガジン▼

今回は僕、

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「動物園」(小説)

「動物園」
 
 風が吹く音がした。外を見ると雨はもう止んでいて、陽の光が雲の隙間から差し込んでいた。
「そろそろ出かけないか?」
 僕は言った。
「ええ、そうね。」
 彼女は気怠そうに言った。そしてベッドの中でモソモソと下着を拾い集め、伸びをした。「今何時かしら?」
 僕は壁の時計を見た。
「2時5分」
 彼女はぼんやりと僕の顔を見た。
「ずいぶん寝てしまったみたいね。」
「疲れていたんだよ。夕

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海岸にて

「海岸にて」
 
 とても静かな夜だった。僕と彼女は並んで家の近所の海岸を散歩していた。波の寄せては返すザザーッという音が心地よく耳に響いていた。
「ねえ。」
 と彼女が言った。
「どうしたの?」
 と僕は言った。
「私の秘密を知りたい?」
 そう彼女は言った。
「どんな秘密だろう?」
「そうね、それを知ったら後には引き返すことは出来ないといった種類の秘密よ。」
 彼女はいたずらっぽく言ったが、そ

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【共通テーマ】起きたら女になっていた

この記事はスパンキーメンバー数名が同時に同じテーマで記事を更新するというコラボ企画に参加したものになります。
今回のテーマは『起きたら女になっていた』で参加者は、ひこーき雲佐藤・センサールマン山﨑仕事人・ボーカル・単細胞・クリスピーチーズ市川・純情ポパイ昨今まれに見る山田の6人です。

(小説)「夜更けのバーにて」
 
「それで、つまり君は元々男の子だったわけ?」
 僕はおずおずと質問した。
「元

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【リレー台本】スポーツの秋(2)

スパンキープロダクションの芸人による『リレー台本』企画の第二弾を始めます。
内容は「スパンキーの芸人数人でリレー形式に台本を書き足していって、ひとつのネタを完成させる」というものです。
今回の参加者はひこーき雲佐藤、センサールマン山﨑仕事人、高田、ボーカル、オイカゼワサダ、純情ポパイ山田の全6人で、全員を2周(12ターン)で完成となります。

▼第一弾も含めたまとめのマガジン▼

2番手は僕、純情

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真夜中のキッチンにて

「真夜中のキッチンにて」
 
「別にあなたばかりが悪いと言っているわけじゃないのよ。」
 別れる間際、妻は言った。
「それはあなたが長い間、職場の後輩の女の子と寝ていたからだとかそういうことを言ってるんじゃないの。私が言いたいのはね…」
 そこで妻は少し間をおいた。
「もう私があなたのことを以前ほど手放しで信頼することが出来なくなってしまったということなの。つまり、あなたがその女の子と寝るために私

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読書

「読書」
 
 文章を書くと言う行為には、ときに恐怖がつきまとうことがある。自分にはこの文章を最後まで書き切ることが出来るのだろうか?そこにはあらゆる種類の困難がある。才能、あるいは体力の限界、頭痛や歯痛だって集中力の妨げになる。それにボーッとしているうちに車に撥ねられてしまうことだって考えられる。僕は今書いている文章を書き切るためならあらゆる犠牲を払ってもいいとさえ思う。たとえそれが誰の目にも留

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小説「箱」

「箱」
 
 時間の概念というものが消失してしまったような場所だった。あまりにも静か過ぎるのだ。あたりの通りには車一台、人ひとり通らなかった。電柱の陰から猫が一匹、物珍しそうにこちらを見ていたが、僕が近寄ろうとするとすぐに逃げてしまった。人に馴れていないようだった。
 僕は彼女から貰った手紙の地図を頼りにこの眠りこけてしまったようなところまで来たのだった。彼女と会うのは実に二年ぶりといったところだ

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小説「ひとりごと」

「ひとりごと」
 
 自分の人生というものを考えたとき、そこには常に淡い影のような孤独がつきまとっていた。
「ねぇ、どうしてそんなに大きな声でひとりごとを言うの?」
 キッチンで夕食をとりながら彼女がたずねた。最初そう言われたとき、僕は自分がひとりごとを言っているなんてまるで知らなかった。
「ひとりごと?」
 びっくりして僕はたずねた。
「僕はひとりごとなんて言ってないぜ。」
「言ってたのよ、今ま

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【ネタ感想会】オイカゼ 漫才 先輩との飲み

この記事は、スパンキープロダクションの芸人による「ひとつのネタに対してみんなで感想を書く」という企画に参加したものです。
今回のネタはオイカゼの漫才『先輩との飲み』で、感想を書くのが、ひこーき雲・佐藤さん、センサールマン・山﨑仕事人さん、ボーカルさん、純情ポパイ・昨今まれにみる山田の4人です。

ネタ動画はこちら!

キャラクター漫才というものを考えたときに、1番大切ことの1つにそのキャラクターが

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小説「予言」

 何かを言葉にしようとするとき、自分のイメージする事柄を完璧にそれに置き換えることは不可能だ。少なくとも僕の場合はということだが。だから僕は真っ白な原稿用紙を目の前に、大海にいかだ一つで放り出されたような気持ちになる。しかし、その不完全さこそが、もっと言うならそれがどのような不完全さを備えているのかということ自体が、僕にしか表現できないものであると言うことも出来るはずだ。回りくどい言い回しになった

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【ネタ感想会】センサールマン 漫才 ゴジラ

この記事は、スパンキープロダクションの芸人による「ひとつのネタに対してみんなで感想を書く」という企画に参加したものです。
今回のネタはセンサールマンの漫才『ゴジラ』で、感想を書くのが、

ひこーき雲・佐藤さん、高田さん、ボーカルさん、単細胞さん、オイカゼ・ワサダさん、純情ポパイ・昨今まれにみる山田の6人です。

ネタ動画はこちら!
https://youtu.be/72ZFXvF3bBs

ご存知

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【漫才:夏休みの宿題(11)】

スパンキープロダクションの芸人による『リレー台本』という企画をやってます。
内容は「スパンキーの芸人数人でリレー形式に台本を書き足していってひとつのネタを完成させる」というものです。
今回の参加者は全6人で、全員を2周(12ターン)で完成となります。

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【コンビの設定】
A→ボケ(二十代半ば、中肉中背、見た目の特徴無し)
B→ツッコミ(二十代半ば、中肉中背、

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