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言葉・文章・書くこと

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未来の私のために、苦手なエッセイを書く

未来の私のために、苦手なエッセイを書く

エッセイを書くことに、ものすごく苦手意識がある。
子どものころは作文が大好きだったし、学生時代はGREEやmixiでごりごりに日記を書き散らしてきた。けれど、文章を書く仕事をしているいまは、抵抗しかない。

なぜかというと、理由はおそらく3つ。

■向田邦子さんが好き好きな作家を聞かれると、迷うけれど、最終的には向田邦子さんだと答えている。
向田さんのエッセイは、本当にすばらしい。日常のこまごまと

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文体って、一体なんのことなのか

文体って、一体なんのことなのか

2018年がもう直ぐ終わるけれど、この一年で最も素晴らしかった出来事は、文体とは何か、がわかったことだと思う。
ごめん、ちょっと興奮して、言いすぎた。
文体とは何か、の、片鱗がわかったことだと思う。

これから書くことは、ひょっとしたら、ライター1年目の人にとっても常識なのかもしれない。え、そんなことも知らずに20年近くライターやってたの?と言われるかもしれない。

なんだけど、わたしにとって、

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「編集ライター養成講座」の皆さんに聞かれた81の質問に答えました

「編集ライター養成講座」の皆さんに聞かれた81の質問に答えました

2週間前に宣伝会議さんの「編集ライター養成講座」に登壇させていただきました。こちらに登壇させていただくのは3回目ですが、毎回、いろんな質問をいただき、講義中にお答えできなかった回答を、受講生の皆さんに後日お送りさせていただいています。

今回は、半年前(前回分)の質問への回答をアップしたいと思います。

↑今回の講義中にいただいた質問の数々

ちなみに、質問は全部で81個ありまして、その回答は1万

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書くことのほとんどは「視る」ことなんじゃないかと思う

書くことのほとんどは「視る」ことなんじゃないかと思う

先日あるライターさんと話をした。

その人は
「どんなに身近な人でも、私はその人の100パーセントを知っているわけじゃないと思うことが重要だなって。だから、わかったつもりになって、『あの人って○○な人だよね』と、自分の目線で評価をしないようにするのが大事だと思う」
と、言っていた。

確かに、その通りだと思う。

でも、と、一方で思う。

100パーセントその人のことを分かるなんてことはありえ

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「これくらい私にも書ける」文章なんてあってたまるか

「これくらい私にも書ける」文章なんてあってたまるか

「エッセイ」のはなし。
有料noteですが、無料で読めます。何言ってんのかわかんないね。
言葉には価値があるんだよ、って意味の有料noteです。最後まで読めます読んでください。笑

「この程度のエッセイ誰だって書ける」という類の書き込みを見た。
言ってる人も言われてる人も、面識はないけれど、悲しくなった。
エッセイって、そういうものじゃない。

つれづれ書き連ねるおもしろおかしい文章だったり、あり

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私は「エモい」文章が書けない。

私は「エモい」文章が書けない。

「エモい文章、きてるよね〜」

という話題を、SNSでよく見かける。

書くことが好きだし、書く仕事をしているので、ライティングに関するノウハウや流行はできるだけチェックするようにしているけれど、

「エモい」

とは……、いったい………なんじゃろか………?

★★★

もちろん、「エモい」という言葉自体は聞いたことがある。でも、それが一体何を差して語られているのか、まだよくわからない。ちなみに、

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ストーリーの文章、ストラクチャーの文章

ストーリーの文章、ストラクチャーの文章

起業家のけんすうさんが、ブログの書き方についてとても興味深いツイートをされていた。

これでハッと書きかけのnoteの下書きを思い出したので、急いでまとめておく。

◇         ◇

編集者がライターを選んだり文章のディレクションをするとき、あるいはライターになろうとする人にも役に立つんじゃないかと思う考え方がある。

それは、文章を
◎ストーリーの文章 
◎ストラクチャーの文章
の2種類

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針を戻す

針を戻す

日々、心を落ち着けようと心がけていも、短氣なわたしのことだ。すぐにドタバタと心が乱れ、それが文章に表れたりする。

言葉が荒れる。表現が乱れる。書いている内容が雑になる。

たとえば、無意識のうちにイヤな文章を読んでしまったとき。

影響されまいと思っていても、その、ぬぐいがたい気持ち悪さが、知らず知らずのうちに自分の文章に混ざっていたりする。読み返して愕然とする。書くことを、表現することを、いつ

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