横田大樹(よこたひろき)

書籍編集者。フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました/起業のファイナンス/外資系金融の終わり/ゼロ秒思考/統計学が最強の学問である/ちきりん3部作/チームのことだけ、考えた/ブロックチェーンレボリューション/人工知能はどのようにして名人を超えたのか/ふろむだ本 等

横田大樹(よこたひろき)

書籍編集者。フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました/起業のファイナンス/外資系金融の終わり/ゼロ秒思考/統計学が最強の学問である/ちきりん3部作/チームのことだけ、考えた/ブロックチェーンレボリューション/人工知能はどのようにして名人を超えたのか/ふろむだ本 等

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    編集、ライター、コンテンツ、メディアなどに関する記事をまとめていきます。

  • 私たちの #マーケリアル

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    noteで #マーケリアル つけて書籍「マーケティングの仕事と年収のリアル」感想やキャリアの振り返り~展望の投稿をしていただくと、こちらの「私たちのマーケリアル」マガジンに紐づけ格納。 あなたのキャリア経験が他の誰かの参考になります。 ハッシュタグ #マーケリアル をつけて投稿してみてください。 筆者の山口義宏とダイヤモンド社の編集担当が全の投稿に目を通しますので、ぜひ!

最近の記事

「ライターはSNSのフォロワーを増やさない方がいいのかもしれない」と、ちきりんさんの新刊を編集してから考えている。

タイトルのように考えたきっかけは、先日発売になった『自分の意見で生きていこう』だ。 2011年から担当してきたシリーズの第4弾なので、もう10年以上のお付き合いになるが、ちきりんさんは自分の知る限り最も優れたライター(文章の書き手)の1人だ。自分の考えをゼロから構築・表現して読者に届けるのが抜群にうまい。 ちきりんさんの文章力の秘密については、Voicyでもインタビューをさせてもらったけれど、その時に触れられなかったポイントが1つある。それは『自分の意見で生きていこう』の

    • 編集者として成功するために一番必要なもの

      自分が新卒で入社した出版社は「出版業界のリクルート」と呼ばれることもあって、事実、多くのOB・OGがいくつもの職場で元気に活躍している。 その「転職の成功率」が高いので、ぼくがダイヤモンド社に移ってからも、その会社の採用や新人育成のやり方をしばしば聞かれた。できる編集者育成の秘訣のようなものがあるんじゃないかと思われたわけだ。 言われたからにはと、まじめに過去にやったことの洗い出しをしたりしてみたけれど、特別なことは何もしていなかった。最初からひたすら先輩や上司と一緒に本

      • 夢組と叶え組で本をつくってみた話

        『世界は夢組と叶え組でできている』という本を担当しました。 私がふだん編集しているのは、『起業のファイナンス』とか『統計学が最強の学問である』とか『ブロックチェーン・レボリューション』といった本なので、周りの人はけっこうびっくりしたみたいです。 カバーにかわいい柴犬がいるし、タイトルに「夢」とか入っているし。我ながら、明らかに毛色がちがう。でも、自分の中では今まで作ってきた本と同じくらい意義があると確信できるものになっています。 内容については著者のサクちゃんがnote

        • 著者・ライターの、印税などについての一般論

          著者・ライターの印税など、特に「紙の書籍」の条件について、現場の人間として基本的な情報を共有しておきます。あくまで私が活動しているビジネス書界隈の話が中心であることにはご注意ください。 まず前提として、こうした文章が書かれる以上、書籍の印税には慣習的な相場があります。しかし、ビジネスとして「個別の契約」を結んでいるので、著者も出版社も第三者に話すものではないんですね。だからあまり正確な情報が出ていなくて、ライターとして書籍に参入する際の不安要素になったり、知識不足からトラブ

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          編集者の仕事のほとんどはマーケティングだから、この本は絶対に読んだ方がいい

          このnoteには編集者として得た学びや気づきを書くようにしているので、本の紹介はしないつもりでした。 けれど、同じチームの柴田が担当した山口義宏さんの『マーケティングの仕事と年収のリアル』が、若手編集者に絶対に読んでほしい内容になったので、ここで取り上げさせてもらいます。 ◆          ◆ 以前から、ビジネス書の編集者と本質的に近いと感じていた職種が2つある。1つはベンチャー・キャピタリスト(VC)で、もう1つがマーケターだ。 VCは、乱暴にいえば、将来有望な起

          編集者の仕事のほとんどはマーケティングだから、この本は絶対に読んだ方がいい

          若林恵さんのこと

          今月、黒鳥社という会社が誕生した。 雑誌『WIRED』で5年にわたり編集長を務めた若林恵さんが立ち上げた会社だ。 ぼくと若林さんの付き合いはごく最近で、正直なところ「全く」深くない。 2016年の年末に『ブロックチェーン・レボリューション』という本の解説をお願いして、そのやりとりでメールを4、5通かわしたくらいだ。 そのきっかけになった『WIRED』編集長として書かれた連載も、読み始めたのは2015年。『WIRED』が人工知能の特集を始めてからで、読者としても“にわか”

          ストーリーの文章、ストラクチャーの文章

          起業家のけんすうさんが、ブログの書き方についてとても興味深いツイートをされていた。 これでハッと書きかけのnoteの下書きを思い出したので、急いでまとめておく。 ◇         ◇ 編集者がライターを選んだり文章のディレクションをするとき、あるいはライターになろうとする人にも役に立つんじゃないかと思う考え方がある。 それは、文章を ◎ストーリーの文章  ◎ストラクチャーの文章 の2種類に分ける考え方だ。 日本語にすれば、ストーリー=物語、ストラクチャー=構造にな

          ストーリーの文章、ストラクチャーの文章

          ロングセラーの本をつくる方法

          自分の場合、ネットで同じページを何度も見ることはほとんどないけれど、数少ない例外が“ほぼ日”の行動指針だ。 やさしく、つよく、おもしろく。 糸井重里さんが生み出した言葉のなかでも、とりわけすごいものだと思う。 初めて目にしたとき、一目惚れのように目に焼きついて、心身に染み込んできた。 それまで自分が編集者として考えてきたことにくっきりとした輪郭が与えられ、確信を持てた気がした。 以来、ちょっと仕事で疲れたときに、あるいは気合を入れたいときに、ここのリンクを開いている。

          ロングセラーの本をつくる方法

          似たカバーの本が多くなる2つの理由

          ちきりんさんの、本のデザインに関するエントリを読んだ。 本の表紙デザインの微妙な変化http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+personal/20170722?platform=hootsuite 似たデザインの本が増える理由は自分も考えたことがあるので、ここでまとめてみる。 1つ目の理由はいたってシンプルで、編集者が「売れた本の真似」をするからだ。 同じ編集者として気持ちはわからなくもないが、「元本ほどでなくても、そこそこのヒットになってほ

          似たカバーの本が多くなる2つの理由

          編集者の勉強法

          このツイートを見て「編集者でも毎日2時間勉強してる人は少なそう」と思ったので、若手編集者への勉強のすすめとして、以前書いた社内用の資料を改変して公開してみる。(注:ビジネス・経済系の編集者の話です) ◇           ◇ たまに他の編集者から勉強法や情報収集について聞かれるが、情報源などのWhatを気にする人が多い。でも自分が重要だと考えるのはWhyとHow Longだ。 Why:何のために情報に接するのか? How Long:どれくらいの時間を勉強や情報収集に費

          電子書籍には「期待」がない(追記あり)

          いつかここで電子書籍について書こうと思っていたら、下記の記事で言葉にしたいことの半分くらいをまとめてくれていた。だから今回はこの内容で。 作者さんを応援するにはリアル書店での購入がおすすめな理由 /その一冊が複数冊をつれてくるhttp://readingmonkey.blog45.fc2.com/blog-entry-779.html 私が言いたかったのは、この記事でマタイ効果として紹介されている箇所で、正確には「売れた1冊が1冊以上をつれてくる」その理由についてだ。

          電子書籍には「期待」がない(追記あり)

          本は特別、じゃない

          本の意義や出版社の役割については結構考えてきたし、自分にはこれからも考え続ける義務がある。 と言ったばかりで恐縮だが、今のところの着地点は、「そんなに難しく考える必要はないな」というものだ。 もちろん考え無しでよいというわけでなくて、「べつに本は特別なものじゃないよね」という意味だ。 社会のどんな仕事や商品も、「社会を良くする」か「社会を維持する」のどちらかの役割を果たさなければ、すぐになくなってしまう。出版文化とか、どんな言葉で取り繕っても、その原則から逃れることはで

          aspirationを示しなさい

          「部下を指導する必要はないと思うよ。あなたはaspirationを示しなさい」 ひと月ほど前、管理職の仕事に悩んである人に相談をしたらこう言われ、以来ずっと頭のなかをぐるぐると回っている。 aspirationって、憧れとか志ということか? そんなこと、自分にできるのか。 みんなに憧れられるような人間になれるかというと、かなり厳しい。 でも、志という意味なら、みんなと共有することができるかもしれない。 そのための下地になりそうなことを、ここに書いてみようと思いまし