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特別支援教育

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#33 大学に訪問して

#33 大学に訪問して

 先日、大学でお世話になった先生に現状報告と修士論文についての助言を頂きに行きました。
当初は1時間程度のお話ができればと考えていたのですが、話したい事が多すぎて、気づいたら2時間半も話をしていました。
在学生でもないのに、これだけのお時間を取らせてしまった事は大変恐縮ではあります。しかし、非常に有意義な時間を送らせていただく事ができました。
いや、いくらでも時間があるなら、2時間半どころか、1日

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#27 特別支援学級における交流及び共同学習〜実践ベースから〜

#27 特別支援学級における交流及び共同学習〜実践ベースから〜

 特別支援学級では、交流及び共同学習として通常学級生徒と一緒に学習する機会が少なからず設定されています。

 文部科学省の「交流及び共同学習ガイド」では、交流及び共同学習の意義や目的について、本冊子の冒頭で

 と説明しており、インクルーシブ教育の理念の実現に向けた取り組みの1つでもあります。

 交流及び共同学習は、基本的な方向性は同じであっても、取り組みの程度や内容が学校によって様々です。

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#24  「障害受容」というテーマ

#24 「障害受容」というテーマ

「私は、周りの人とちがう」

「私は、周りとちがって◯◯ができない」

「私は、私の周りの人と同じような(能力の低い)人間ではない」 

 自己理解をする上で、そのような思いをもつに至る人は一定数いるものであると思います。
私たちは何かと比べ、その類似点や相違点を考える中で自己や他者を理解していくものです。
建設的で、肯定的な考え方もあれば、否定的なものもあり、しばしば悩みとして表出することもあり

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#22 専修免許状の取得について

#22 専修免許状の取得について

以前、放送大学大学院にて所定単位を修得し、専修免許状を取得しました。

私は現在、小学校一種、中学校専修、高等学校一種、特別支援学校二種(知的・肢体・視覚・聴覚)の免許状を所有しています。
様々な大学や大学院で教育職員免許状の取得に必要な単位を取ることが可能ですが、私の場合、中学校教諭専修免許状と特別支援学校教諭二種免許状については「教育職員検定」による方法で取得しました(下図)。
なお、小学校・

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#19 特別支援教育:卒業後の雇用①(特例子会社)

#19 特別支援教育:卒業後の雇用①(特例子会社)

現在、障害者雇用についての理解を深めるため、インターネット上の情報を収集しています。

卒業後の進路を考えていく上で、多様な視点をもっておく事は非常に重要です。

雇用については厚生労働省が管轄する分野のため、自身理解が及んでいない部分もあります。
そのような溝を少しでも深めていきたいと考えての投稿です。

今回は特例子会社についてリサーチをしました。

特例子会社1.特例子会社の概要

障害者の

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#17 特別支援教育と研修、目指すきっかけ

#17 特別支援教育と研修、目指すきっかけ

教員人生を歩む前までの私は、どの校種の教員になるかが定まっていませんでした。
ただ、教員という仕事への意義は感じており、広く社会貢献的な側面を有する仕事に就きたいという考えから、教職課程に進みました。

思い返せば、教員としての出発前から校種への拘りはなく、経験を積む中で少しずつ「何の教育」への焦点が絞られていったものです。

これまでの学び

私自身の特別支援教育への学びを振り返っていくと、

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#18 【特別支援】中学校を卒業後の進路

#18 【特別支援】中学校を卒業後の進路

進路を考える上で最も意識する点は、
「本人がそこで学ぶ事で、何を得て、卒業後にどのような道に進めるか」
に尽きます。

高卒、大卒資格を得るにしても、高卒資格によって本人が自立できるか、といった視点は非常に重要です。
後にも記載する通り、特別支援学校高等部を卒業する事でその先の進学が制限されるという事はありません(仮にそのような事があれば、それは明確な障害者差別です)。
また何より、資格だけでは働

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#11 場面緘黙 ~図書館での偶然の出会い~

#11 場面緘黙 ~図書館での偶然の出会い~

本記事は、図書館を利用する中で面白い本を見つけ、借りてみることにしたのがきっかけです。

本書では、場面緘黙の定義から、場面緘黙支援に必要な知識や具体例などが記載されており、現場で指導にあたる立場としても非常に学びあるものでした。

本書では「幼稚園や学校」というキーワードを使っており、初見では「幼稚園も学校では?」と思ったのですが、これは場面緘黙の発症年齢が「2~5歳頃」が多いことから、あえて分

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#6 就学相談に迷ったなら

#6 就学相談に迷ったなら

保育園や公民館の掲示板等に貼られている「就学相談の案内」

これは平たく言うと、
「学校生活を送っていく上で心配な点がある場合に相談するところ」
といったものです。

多くの場合、何かしらの病気や障害がある、またはその可能性がある事から相談に行く、それか子供を近くで見ている人からの勧めで行くといったパターンなのかなと思われます。

就学相談に関して思うのは、

相談した方が良いか迷うなら行くべき

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#12 特別支援学級(知的障害)のアウトライン

#12 特別支援学級(知的障害)のアウトライン

はじめに

近年、特別支援学級は在籍者数・学級数ともに急速に増加しており、特別支援における専門的知識をもつ人が不足している事が課題とされています。

筆者自身も特別支援教育における専門性向上に努めており、その一環としての本記事執筆となります。

そもそも特別支援学級とは何か、という点に関してはこの記事では述べませんが、主に公開されているデータや情報を示す中で、特別支援学級のアウトラインが少しでも見

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#10 学校教育におけるABA(応用行動分析)的アプローチの検討① ~応用行動分析を知る

#10 学校教育におけるABA(応用行動分析)的アプローチの検討① ~応用行動分析を知る

本記事は、応用行動分析(以下、ABAと記述)への知見がない筆者が、ABAの概要を知るとともに、特別支援教育におけるABAの活用を検討していく過程を記述したものになります。
そのため、理解が不十分な点があること、記事の中で加筆・修正が行われることがある点を予めご了承ください。

はじめに

最近、ABAについて知る機会があり、そこでABAに対して興味をもちました。
「行動分析」という言葉を聞いて、当

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#8 文字入力と支援

#8 文字入力と支援

GIGAスクール構想により、学校教育のICT化が急速に進められた昨今ですが、
指導場面において、例えば文字入力が苦手な児童生徒に対して、どのような支援アプローチが考えられるだろうか。

割と多くの場合に出てくるアプローチとして、

・かな入力で取り組ませる
・音声入力を使う
・手書き入力機能を使う

上記のような方法が検討されるのが一般的のように思います。
これらは一つの支援策ではありますが、IC

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