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#10 学校教育におけるABA(応用行動分析)的アプローチの検討① ~応用行動分析を知る

本記事は、応用行動分析(以下、ABAと記述)への知見がない筆者が、ABAの概要を知るとともに、特別支援教育におけるABAの活用を検討していく過程を記述したものになります。
そのため、理解が不十分な点があること、記事の中で加筆・修正が行われることがある点を予めご了承ください。

はじめに

最近、ABAについて知る機会があり、そこでABAに対して興味をもちました。
「行動分析」という言葉を聞いて、当初は
「あぁ、これは行動主義的な手法によって人間の行動変容を期待する分野かな」
くらいの感想しか持っていなかったのですが、
さらに調べていく内に興味が湧いてきたため、これは少し自分なりに考えをまとめる必要があるなと思い、今回の記事作成に至りました。

ABA(応用行動分析)とは

Autism Speaksによると、ABAとは

"Applied Behavior Analysis (ABA) is a therapy based on the science of learning and behavior."
「応用行動分析 (ABA) は、学習と行動の科学に基づく療法です。」

Autism Speaks: https://www.autismspeaks.org/applied-behavior-analysis

と説明しており、以下の点を理解することに役立つとしています。

・行動の仕組み
・行動が環境によってどのように影響を受けるか
・学習はどのように行われるか

少し抽象的な表現となっていますが、ABAを用いることで行動変容を効果的に行うことができる、としています。

具体的には、仮に衝動的に暴れまわってしまう人がいたとして、ABAを用いることでその人の行動を適切な行動へと変容させていく
といったところです(でしょうか)。

ABA(応用行動分析)のポイント

ABAは3つのステップに対して特に着目します。

①An antecedent:行動が生じる前
②A resulting behavior:①によって生じる行動
③A consequence:結果

①~③のそれぞれ、antecedent、behavior、onsequenceをとって、
一連のステップを「AB-C」としています。

このAB-Cについて、行動が起こる理由、行動が再び起こる可能性があるかどうかに、様々な結果がどのように影響するかを分析し、アプローチすることで対象の行動を変容させます。

①~③について、具体的な例としては

①一日の終わりに、「今日の感想をノートに書きましょう。」と言った。
②児童生徒は机に突っ伏せて反応を示さなくなった。
③教師は児童生徒を起こして、「早く感想を書きなさい。」と言った。

この①~③の事象に着目し、どのように支援ができるかを見ていきます。

③によって行動が改善された場合は、まあひとまず良いのか、長期的に考える必要もあると思いますが、
これが改善されなかった場合は、①~③に対し、行動変容に必要なアクションを与えていきます。

応用行動分析(ABA)の良いと思った点

まず何より、考え方自体は非常にシンプルです。

また、このモデルは人のあらゆる行動に用いることができます。

そして、教育上の目標や支援策を明確化させやすい点でも非常に優れています。

これらは、教師が児童生徒への効果的な指導に役立つだけでなく、対外的な説明といった点からも非常に有効であると考えられます。

ただし、ABAを正しく理解し、適切な支援を行うことが重要であることは言うまでもありません。

今後の展望

検討課題としては、

・応用行動分析によって実際にどのような支援ができるのか
・現場サイドとして、どのようなメリットとデメリットが生じるか
・自身の新たな研究テーマとしての道があるか

非常に興味深い分野だったため、今後もリサーチと実践を行っていきたいと考えます。

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