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seiji_arita
2024年4月18日 13:04
「記憶の庭園」僕は其処にひとつの季節の匂いを感じていた現実と幻想の境目僕が死んだのはもう一度再生する為だそうやって全ての事柄は死に再生する生命の萌芽を湛えた空が海に溶け落ちる其処にはどの様な地点も無く時間の感覚さえも無い死の無いところに再生は無い そう彼女は静かに囁いた永遠とは終わりなく何処までも続く道僕は記憶の庭園で彼女と会話を交わ
2024年3月4日 21:47
「鱗片」細長いグラスに注いだ冷えたシャンパン細かく立ち上がる気泡の先に見えた淡い光まばらに点在する それらの綺麗な光ささやかな温もりに似た灯りを其の中に感じていた生と死の境界線が微妙に揺れた時淡い光が僕に囁きかけて来る真実が連れて来た無制限の孤独鱗片状の慈愛が剥がれ落ちる流れる様に艶やかな彼女の髪と静かに話す言葉の文脈其の対局にある確かなも
2024年2月8日 13:05
「春の風」其れは間に合わせで作られた世界の中で全ての辻褄合わせとはかけ離れた場所にある唯一の真実の様に煌めいていた決して強い輝きではなく 見逃してしまいそうな弱く消えそうな光限りなく透明に近い生命の輝き窓の外の冬に似た静寂と月を待つ夜に似た漆黒が混ざり合う見捨てられた街に佇み昼と夜の狭間に腰掛けていた顔を持たない人々が通り過ぎてゆく奇妙で
2023年12月6日 02:21
「チバユウスケ」ねぇ聞かせてよ 其処の世界の音ねぇ教えてよ 空で花を見たか 僕は読みかけの小説を閉じて煙草に火を付けるまた空が落ちてくる憧れの森の中歩いてるけど目は閉じたまま現実と言うその深い海に似た無限の森が僕を包み込む赤みのかかった 月が昇る時それで最後だと僕は聞かされる真実は突然 空から降って来るロックンロールみたいに嘘ばかりをつき続け
2023年10月9日 23:33
「月見草」いつも僕は青空を望んでいた 其処に澄み渡る青がある事が当然の様に燃える太陽 その光を受けて暗闇の星は輝く眠れない僕達は夜空の月を連れて真夜中に外へ出かけた真白な淡い光につつまれて夢を見る 月見草静かな森の湖 独りじゃない 嬉しかったふたりは朝が来るまで愛し合った僕等の真実 君の好きな青と白 その色で世界は出来ていたそして
2023年9月14日 17:23
「オレンジジュース」純粋で透明な氷がオレンジジュースに溶けていく透かして窓の外を見渡す不均一な混ざり合いの中 屈折した街の灯りが見えた押し付けがましく喋るテレビのスイッチを切り君を抱き寄せた僕は剥き出しになった正直さを隠しきれず欲望と正比例する様に深く君の中に沈み込む真実を示す必要も無く リスクを回避する必要も無い凡庸を固着させ切り取った様な絵
2023年8月6日 21:57
「岩国バイブス」岩国 川下 アメリカンスラム川向こうの朝鮮人部落橋の下に住む片腕の浮浪者金庫には札の束チンタラ歩いてると引っ掛けられるぜひねくれた真実 勘繰り足りない頭で稼ぎ出す現生乗りこなして来た波 感覚 直感 初期衝動価値観が呼び合う 無言で交わす意思疎通岩国バイブス お前の持ち掛ける甘い案件岩国バイブス 奴等の正体 焼き付けた網膜岩
2023年5月23日 15:02
「虎と龍」嘘ばかりをつき続けて誤魔化した孤独見透かされた作り笑顔罪を重ねた刻んで来た時独り紛れた嘘の波消えない炎に投げ入れた後悔雷鳴引き裂き崩れ落ちる空悪夢の向こうに探した真実勘ぐり判断基準 損得勘定 糞気怠い午後吐き出した煙草の煙胸にあてた手のひら手を出しなよ 片手じゃ足りない両手を広げて素通りする女神を抱きしめてみろ輩に売女 中身の無