藤井青銅

作家です。放送作家、脚本家、作詞家とも呼ばれますが、自分では全部同じことだと思ってます…

藤井青銅

作家です。放送作家、脚本家、作詞家とも呼ばれますが、自分では全部同じことだと思ってます。ヘッダー画像は『ラジオな日々』(小学館)表紙カバー(画・木内達朗さん)より。

マガジン

  • オモテもウラも藤井青銅

    基本は毎週1本掲載です。内容は、 「書き下ろしエッセイ」 「これまでに書いたドラマ脚本、落語、腹話術などの脚本、番組台本」 「単行本未収録の小説・エッセイなど」 …の予定。私は作家兼放送作家なので、小説、エッセイ、コラム、ドラマ、番組、イベント…とオモテに出る仕事は色々あり、ウラにはエピソードもあります。その両方です。 有料サイトですので無断転載・引用などはご遠慮ください。感想・質問などあればコメント欄へどうぞ!

  • 藤井青銅の本

    プロフィール紹介も兼ねて、これまでに出した本を紹介。

  • ショートストーリーズ

    これまで本や他のメディアで発表したものに手を加え、セレクトしました。エッセイと詩と物語と、SFとファンタジーと、さらになんだかわからないものがまざった短いストーリー集。

  • TVのモンダイ点

    かつてTV誌「ステラ」に連載していたコラム。書籍化してなかったので、順に再掲します。意外に腐ってないネタが多いようです。

  • 食の歳時記

    我ながら珍しい「料理エッセイ」。元はラジオ番組のために書いたものです。

記事一覧

労使双方が求めている?

本のタイトルが『トークの教室』と決まった時、 「こういう本を出すと、話し方とかトーク術に関する依頼が来るんだろうな」 とは思ってました。 予想通り、とある経営者セ…

藤井青銅
5日前
21

「ヨセ・オブ・ドリームス」(笑う20世紀)

先日の東京ドームイベントでは、映画「フィールド・オブ・ドリームス」へのオマージュがありました。実はそれよりずっと前、私は小説でこのネタを使っています。それが「ヨ…

300
藤井青銅
6日前
10

「打ち・会」優先度ランキング

最近でこそスマホのスケジュールメモを併用するようになったけど、私はずっと手書きのスケジュール帳を使ってきた。 実はこの仕事を始めてからのスケジュール帳をすべて保…

150
藤井青銅
11日前
5

ビジネス会話改造論9~ビジネスの鎧・兜語

『月刊機械技術』連載中のコラム。雑誌では、ページの都合で元原稿が少し短くなっています。ここでは、雑誌の了解を得た上で元原稿をUPします。 今回は6月号(第9回「ビジ…

150
藤井青銅
2週間前
7

下書きをしないと決めた時

私が作家になった時は手書きだった。パソコンはおろか、ワープロ専用機もまだない。文章を書くのは誰でも手書きだった時代だ。 当然、原稿を書く時は下書きをする。その上…

150
藤井青銅
3週間前
14

チョピンの岩さん(下)

ラストです。 かつて『週刊小説』に連作で書いた【相撲おもしろ物語】からの一編「チョピンの岩さん」。三つに分けた上・中・下の下です。 「チョピンの岩さん」(下)【…

150
藤井青銅
1か月前
3

チョピンの岩さん(中)

続きです。 かつて『週刊小説』に連作で書いた【相撲おもしろ物語】。その中の一編「チョピンの岩さん」。上・中・下の、中です。 「チョピンの岩さん」(中)【週刊小説…

150
藤井青銅
1か月前
3

チョピンの岩さん(上)

かつて『週刊小説』という雑誌に、ちょっとヘンテコな相撲小説を連作で載せていました。編集部が【相撲おもしろ物語】という連作タイトルをつけてくれました。 何作かあり…

150
藤井青銅
1か月前
3

干支シリーズ(2008年/スポーツ)

思い出すのも、面白い。 忘れているのも、面白い。 呆れるのも、面白い。 NHK-FM「青春アドベンチャー」で、毎年一年の最後に放送していた通称「干支シリーズ」。1993年か…

150
藤井青銅
1か月前
3

ハコについて

引き出しの整理をしていると、小さな緑色の箱があった。だいぶ前に買った財布が入っていた箱だ。カッチリとしたきれいな箱だったから、 「何かに使おう」 と思って、とって…

150
藤井青銅
1か月前
16

ビジネス会話改造論8~秘密の共有

『月刊機械技術』連載中のコラム。雑誌では、ページの都合で元原稿が少し短く加工されています。ここでは、雑誌の了解を得た上で元原稿をUPしています。 今回は5月号(第…

150
藤井青銅
1か月前
6

バランサーふたたび(あるいは、通説とJリーグと八百万の神)

私はラジオの仕事が多い。たぶん性に合っているのだと思う。もちろん、好きだ。だがしかし、だからといって「ラジオというメディアは特別に優れている」と思ったことはない…

150
藤井青銅
1か月前
7

干支シリーズ(2009年/スポーツ)

NHK-FM「青春アドベンチャー」で、毎年一年の最後に放送していた通称「干支シリーズ」。1993年から2009年までの17年間を書きました。その残っている原稿データから、ランダ…

150
藤井青銅
2か月前
6

こわくない新番組

なんだかホラーっぽいタイトル画像になってしまった。 全体像は、こうです。 落語紹介番組だ。有名な落語「饅頭こわい」から「人生こわい」という番組名になったのだろう…

藤井青銅
2か月前
36

バランサー

『トークの教室』4刷&「玄石」設立W記念…という妙なサブタイトルのトークイベント「”面白い企画”はどのように生まれるのか」 は、先日無事終了した。 いつも集客力のな…

150
藤井青銅
2か月前
14

記憶の博物館4

以前ラジオ番組での朗読コーナー用に書いた、エッセイと詩をミックスしたような原稿。それを元にアレンジしました。何本かずつまとめてUPしています。 今回は「カーネーシ…

150
藤井青銅
2か月前
6
労使双方が求めている?

労使双方が求めている?

本のタイトルが『トークの教室』と決まった時、
「こういう本を出すと、話し方とかトーク術に関する依頼が来るんだろうな」
とは思ってました。

予想通り、とある経営者セミナーから「トークについて話してください」という依頼が来ました。集まった社長さんたちになにか役に立つことを講演する、かなり大規模なセミナー。講師ラインナップを見ると、有名な評論家やアドバイザーや企業経営者の方々がずらずら並んでいます。

もっとみる
「ヨセ・オブ・ドリームス」(笑う20世紀)

「ヨセ・オブ・ドリームス」(笑う20世紀)

先日の東京ドームイベントでは、映画「フィールド・オブ・ドリームス」へのオマージュがありました。実はそれよりずっと前、私は小説でこのネタを使っています。それが「ヨセ・オブ・ドリームス」。



『笑う20世紀』というショートショート集があります。元はノベル版で出版されました。NHK-FMの「青春アドベンチャー」でラジオドラマにしたところ好評で、その後シリーズが続きました。
本の方はもう絶版になって

もっとみる

「打ち・会」優先度ランキング

最近でこそスマホのスケジュールメモを併用するようになったけど、私はずっと手書きのスケジュール帳を使ってきた。
実はこの仕事を始めてからのスケジュール帳をすべて保存している。

「いつ」「どこで」「誰と会った」かの記録が残るわけで、いわば簡単な日記帳のようなもの。私が過去の番組やイベントや出版の話、誰と会ったかのエピソードをいろいろエッセイに書けるのは、実はこのスケジュール帳のおかげなのだ。
だから

もっとみる
ビジネス会話改造論9~ビジネスの鎧・兜語

ビジネス会話改造論9~ビジネスの鎧・兜語

『月刊機械技術』連載中のコラム。雑誌では、ページの都合で元原稿が少し短くなっています。ここでは、雑誌の了解を得た上で元原稿をUPします。
今回は6月号(第9回「ビジネスの鎧・兜語」)。途中まで無料で読めますよ(定期購読マガジンの方は全部読めます)。

現在出ている7月号には、次のコラム(第10回「カタカナ語で煙に巻く」)が載っています。書店で手に入ります。読んでいただけると嬉しい。

では、6月号

もっとみる

下書きをしないと決めた時

私が作家になった時は手書きだった。パソコンはおろか、ワープロ専用機もまだない。文章を書くのは誰でも手書きだった時代だ。
当然、原稿を書く時は下書きをする。その上で清書をする。字が汚いというのもあるが、なによりも下書き→清書という過程を経ないとまともな文章にならないのだ。

が、ある時、
「よし、これからは下書きをしない!」
と決めた。
ベテランになって自信がついてからではない。まだ駆け出しで、自分

もっとみる

チョピンの岩さん(下)

ラストです。
かつて『週刊小説』に連作で書いた【相撲おもしろ物語】からの一編「チョピンの岩さん」。三つに分けた上・中・下の下です。

「チョピンの岩さん」(下)【週刊小説 1996年9月13日号】

 
  5

もう名古屋場所が迫っていたからね。ここで本当の事を告げりゃ、あのムラっ気のある赤間岩のことだ。ひどい土俵になるに違いない。おれは梅ケ戸親方と相談した。
「ちょうどまた、コンサートがあるん

もっとみる

チョピンの岩さん(中)

続きです。
かつて『週刊小説』に連作で書いた【相撲おもしろ物語】。その中の一編「チョピンの岩さん」。上・中・下の、中です。

「チョピンの岩さん」(中)【週刊小説 1996年9月13日号】

   3

この夏場所、赤間岩(あかまいわ)は調子がよかった。初日からいきなり八連勝だ。相撲記者とすりゃその秘密を探りたくなるってもんだ。で、支度部屋に行くと、赤間岩はヘッドフォンでCDを聞いてる。これまでは

もっとみる

チョピンの岩さん(上)

かつて『週刊小説』という雑誌に、ちょっとヘンテコな相撲小説を連作で載せていました。編集部が【相撲おもしろ物語】という連作タイトルをつけてくれました。
何作かありますが、これは単行本には収録されていません。ここにUPしてみます。毎回原稿用紙20枚程度の短編でした。しかしWebで一回で読むには長い。なので上・中・下の三回に分けてみます。

「チョピンの岩さん」(上)【週刊小説 1996年9月13日号】

もっとみる

干支シリーズ(2008年/スポーツ)

思い出すのも、面白い。
忘れているのも、面白い。
呆れるのも、面白い。

NHK-FM「青春アドベンチャー」で、毎年一年の最後に放送していた通称「干支シリーズ」。1993年から2009年までの17年間を書きました。その残っている原稿データからランダムに紹介しています。

ここにUPするために元原稿データを読んでいると、
「これ、何の話だ?」
と最初はなんだかわからず、途中のキーワードで、
「そうい

もっとみる

ハコについて

引き出しの整理をしていると、小さな緑色の箱があった。だいぶ前に買った財布が入っていた箱だ。カッチリとしたきれいな箱だったから、
「何かに使おう」
と思って、とっていたのだ。
中を開けてみると、空っぽ。何にも使っていない。
「しっかりした作りのきれいな箱は捨てられない」
という、ハコあるあるだ。

いただきもののちょっと高級なお菓子の場合もそうだ。きれいな化粧箱とかオシャレなデザインの缶だったりする

もっとみる
ビジネス会話改造論8~秘密の共有

ビジネス会話改造論8~秘密の共有

『月刊機械技術』連載中のコラム。雑誌では、ページの都合で元原稿が少し短く加工されています。ここでは、雑誌の了解を得た上で元原稿をUPしています。
今回は5月号(第8回「秘密の共有」)分。途中まで無料で読めます(定期購読マガジンの方は全部読めます)。

現在出ている6月号には、次のコラム(第9回「ビジネスの鎧・兜語」)が載っています。書店で手に入ります。読んでいただけると嬉しい。

では、5月号掲載

もっとみる

バランサーふたたび(あるいは、通説とJリーグと八百万の神)

私はラジオの仕事が多い。たぶん性に合っているのだと思う。もちろん、好きだ。だがしかし、だからといって「ラジオというメディアは特別に優れている」と思ったことはない。

私は落語が好きだ。落語脚本も書く。落語紹介番組もやっている。だがしかし、「落語は他の大衆演芸に比べて優れている」と思ったことはない。

私が書くものはドラマでも小説でも番組でも、総じて笑いの要素が強い。喜劇・コメディが好きなのだ。一般

もっとみる

干支シリーズ(2009年/スポーツ)

NHK-FM「青春アドベンチャー」で、毎年一年の最後に放送していた通称「干支シリーズ」。1993年から2009年までの17年間を書きました。その残っている原稿データから、ランダムに紹介しています。

こういう時事性の強いエンタメを振り返る面白さは、
「今も昔も変わらない」
と、
「今となってはなんだかわからない」
の二つがあることだと思っています。後者はたいてい取るに足らないバカバカしいことなので

もっとみる
こわくない新番組

こわくない新番組

なんだかホラーっぽいタイトル画像になってしまった。
全体像は、こうです。

落語紹介番組だ。有名な落語「饅頭こわい」から「人生こわい」という番組名になったのだろうが、フォントのせいでホラーっぽくなってしまった。

配信するオトバンクの方から、だいぶ以前に「初心者に落語を紹介する番組をやりたい」という話を聞いていた。
落語好きで、ここ十数年、柳家花緑さんに落語を書いている藤井青銅に紹介役をやらせてみ

もっとみる

バランサー

『トークの教室』4刷&「玄石」設立W記念…という妙なサブタイトルのトークイベント「”面白い企画”はどのように生まれるのか」 は、先日無事終了した。
いつも集客力のない藤井青銅だが、今回は多くの方に参加していただいた。感謝だ。石井玄パワーなのかな。…いや、オードリーの東京ドームライブ・パワーか。

イベントの中でも少し触れたことを、その後さらに考えている。
イベントで、私は大要こんなことを言った。

もっとみる

記憶の博物館4

以前ラジオ番組での朗読コーナー用に書いた、エッセイと詩をミックスしたような原稿。それを元にアレンジしました。何本かずつまとめてUPしています。
今回は「カーネーション」「放課後の教室」「迷子」「待ち合わせ」の4本。

*****************

カーネーション

小さい子が画用紙に赤い花の絵を描いていれば、それがどんなにヘタッピイでも、ま、7割はチューリップでしょう。あれは独特の形をし

もっとみる