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労使双方が求めている?(追記)

(文末に、経営者セミナーに行ってきたことを追記しました)
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本のタイトルが『トークの教室』と決まった時、
「こういう本を出すと、話し方とかトーク術に関する依頼が来るんだろうな」
とは思ってました。

予想通り、とある経営者セミナーから「トークについて話してください」という依頼が来ました。集まった社長さんたちになにか役に立つことを講演する、かなり大規模なセミナー。講師ラインナップを見ると、有名な評論家やアドバイザーや企業経営者の方々がずらずら並んでいます。
「そんな方々に混ざって、私なんかでいいんですか?」
と少々ビビりました。
が、まあ、お堅い講演の合い間の箸休めとして、私みたいな者が混ざっていてもいいんだろうな、とブッキングの意図を理解。やることにしました(今月末なので、まだやってませんが)。

ですからこれは予想の範囲内だったのですが、その一方で、まったく予想していなかった所から同様の問い合わせが来ました。
とある企業の労働組合から「トークについて話してください」という依頼です。
「ろ、労働組合!?」
なにか労働問題に関する難しい話をしなきゃいけないのか? と、またもや最初はビビりました。がもちろん、私なんかにそんなのを求めるはずがない。これまた「ああ、たまにはやわらかい話でもという箸休め担当だな」と理解し、引き受けました(こっちの方はすでに実施しました)。

一般的には対立する立場である経営者側と労働組合側から、同じ依頼が来たのです。考えてみればこれは、
「労使双方が、相手とスムーズに話すことを求めている」
ということ。お互いに求めてはいるけどなかなかうまくいかないので、
「こういう本を書いたやつに、ちょっと話を聞いてみるか」
ということなのでしょう。

私はこの本の中で、
【なんだ、「話を聞いてもらいたい人」と「話を聞きたい人」がいるのですから、トークなんてものは本来そう難しくはないはずです。】
と書いています。
わかってはいるけどうまくいかないのが、世の中なんだよなあ。
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(以下、追記部分)
で、その経営者セミナーに行ってきました。都内某ホテルでの大規模なセミナー。同時間帯にいくつかの別室で他の講師の方も講演していると聞いていたので、
(たぶん、私の所を選ぶ人は少ないだろう)
と呑気に思いながら会場入り。
ところが担当のスタッフの方から、
「青銅さんの講演を選んだ方が多いですよ」
と言われました。
またまた、リップサービスでしょ…なんて思いながら、でもその気遣いは嬉しかったですね。だって、評論家やアドバイザーたちにまざって、あきらかに私の「作家・脚本家・放送作家」という肩書は異質ですから。

会場の部屋に入ってみてビックリ! 本当に数十人もの方がいたのです。みんな、会社の経営者や経営陣の方々。
ビビった私は、まず、
「あの…先に言っときますけど、私の話はプレゼンとか交渉術とかセールストーク術とかのビジネスには役立ちませんよ。ただ楽しくトークしようという話ですから」
と断ってから始めました。「経営者セミナー」というビジネス感満載の場所でこんなこと言うのもどうかとは思いますけどね…。

でもまあ、1時間ほどの講演はそれなりに面白がっていただけたようでした。ほっ…。
労使双方の前でそれぞれ、ほぼ同じ話をしました。反応する場所は似ていました。立場なんて関係なく、同じ人間なんだよなあと思いましたよ。


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