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ビジネス会話改造論8~秘密の共有

『月刊機械技術』連載中のコラム。雑誌では、ページの都合で元原稿が少し短く加工されています。ここでは、雑誌の了解を得た上で元原稿をUPしています。
今回は5月号(第8回「秘密の共有」)分。途中まで無料で読めます(定期購読マガジンの方は全部読めます)。

現在出ている6月号には、次のコラム(第9回「ビジネスの鎧・兜語」)が載っています。書店で手に入ります。読んでいただけると嬉しい。

では、5月号掲載コラムの元原稿をどうぞ。

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ビジネス会話改造論 
8(秘密の共有)

「秘密」というものは、たいへん魅力的だ。
スパイものの映画や小説はたいてい、敵の秘密を知ろうとする者と、それを知られまいとする組織側との攻防戦だ。冒険ものも時代劇も、似たようなバリエーションが多い。

一見関係なさそうな恋愛もの映画だって、秘密は重要なスパイスになる。
「うふふ、これは二人だけのヒ・ミ・ツ❤」
なんて言われれば、恋の魅力は何倍にもなる。社内恋愛や浮気というものは、これによって何倍か魅力的になっているのではないか? 
現実世界においても、「会員制秘密倶楽部」なんて言われると、前後を「会員制」と「倶楽部」で挟まれることによって真ん中の「秘密」は、より一層秘密感が増す。
(いったい、中でどんなことが行われているのか? きっとあんなことやこんなことや…、いや、まさか、そ、そ、そんなことまで!!)
…などと妄想が止まらない。
ことほどさように、「秘密」というものは人の心を惑わせるのだ。

企業においてもそうだ。書類に「社外秘」なんてハンコが押されていると、その中にいったいどんな重要なことが書かれているのか気になる。見てみたい! 知りたい!
そんな時、
「ここだけの話だけど、~~~」
とその秘密を囁かれると、一気に、教えてくれた相手との距離が縮まる。
そう。ビジネス会話において、「秘密の共有」というのはさまざまな効果があるのだ。

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