#エッセイ部門
空っぽのはずの水筒に入っていた氷の半分は、
カラカラと水筒の音を鳴らして、息子が家に帰ってきた。
額には汗。空には入道雲。青とも水色ともつかない夏の空は、私が小学生の頃と何一つ変わっていない気がした。水筒を鳴らしながら意気揚々と息子が帰ってきたのは、今から6年前。今、高校2年生の息子が小学5年生の頃のこと。そんなことを思い出す夏の日の空は変わらずに青く、そして、白い入道雲がもくもくと夏空を支配している。照りつける太陽の熱は、どことなしか今
ジムの価格は130円
学校から帰宅した高校二年生の長男が言った。
「お母さん、俺、ジムに行ってくる」
「ジ、ジム?」
私は思わず聞き返した。
私にとってジムとはひと月単位で契約するようなものであり、「公園に行ってくる」みたいな感覚で行くものではない。
友達に誘われて彼はジムに行くと言うが、変な勧誘をされないだろうか、と私の心にモヤモヤとした心配が込み上げてきた。
家に引きこもり、永遠にスマートフォンで荒野行動をし
たぶんあれは、マイクポップコーンだった。
5月3日(金)祝日。
その日私は、福岡空港のすぐそばにあるベスト電器スタジアムにいた。サッカー観戦をするためだ。
サッカー観戦をするとは言ったものの、私はサッカーのルールを知らないし、選手も知らない。たぶん私は会場内で一番サッカーに興味がない観客だったのではないかと思われる。しかし贅沢にも結構いい席に座っていたと思う。メインスタンドの前から5列目。
サッカーに興味がない私がサッカー観戦をする
業スーの焼き鳥を焼く冬の日に、愛について考える。
誰か私に焼き鳥を!
灼熱地獄に落とされ熱い鉄の上でのたうち回っている鶏ではなく、串刺しの刑と火炙りの刑のコンボを食らっている鶏が食べたい。
それも、ねぎま。
鶏がネギしょって串刺しになっている鶏とネギのコンボを食らいたい。
あとはビール。
八寒地獄で氷漬けにされたグラスに、生のビールを注いで、周囲との温度差に高揚しながら、喉がしゅわしゅわとした刺激に支配される快感を味わいたい。
でも、焼き