#エッセイ部門
ジムの価格は130円
学校から帰宅した高校二年生の長男が言った。
「お母さん、俺、ジムに行ってくる」
「ジ、ジム?」
私は思わず聞き返した。
私にとってジムとはひと月単位で契約するようなものであり、「公園に行ってくる」みたいな感覚で行くものではない。
友達に誘われて彼はジムに行くと言うが、変な勧誘をされないだろうか、と私の心にモヤモヤとした心配が込み上げてきた。
家に引きこもり、永遠にスマートフォンで荒野行動をし
たぶんあれは、マイクポップコーンだった。
5月3日(金)祝日。
その日私は、福岡空港のすぐそばにあるベスト電器スタジアムにいた。サッカー観戦をするためだ。
サッカー観戦をするとは言ったものの、私はサッカーのルールを知らないし、選手も知らない。たぶん私は会場内で一番サッカーに興味がない観客だったのではないかと思われる。しかし贅沢にも結構いい席に座っていたと思う。メインスタンドの前から5列目。
サッカーに興味がない私がサッカー観戦をする
業スーの焼き鳥を焼く冬の日に、愛について考える。
誰か私に焼き鳥を!
灼熱地獄に落とされ熱い鉄の上でのたうち回っている鶏ではなく、串刺しの刑と火炙りの刑のコンボを食らっている鶏が食べたい。
それも、ねぎま。
鶏がネギしょって串刺しになっている鶏とネギのコンボを食らいたい。
あとはビール。
八寒地獄で氷漬けにされたグラスに、生のビールを注いで、周囲との温度差に高揚しながら、喉がしゅわしゅわとした刺激に支配される快感を味わいたい。
でも、焼き
月曜日の憂鬱に関する、世紀の大発見。
「お母さん!! オレ、気づいたっちゃけど!!」
小学4年生の次男が、さも世紀の大発見をしたかのような顔をして話しかけてきた。
その時刻、日曜日の午後9時半。
金曜日の帰宅後、一度も開かれることのなかったランドセルを開きながらの発言だった。
ランドセルはどこにも隙間がないくらいにぎゅうぎゅう詰めで、多分山手線の朝のラッシュもここまでのぎゅうぎゅう詰めではないと思う。知らんけど。
プリント類も教