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読書メモ17 レジリエンスの時代ジェレミー・リフキン著 第12章
敗戦によって日本に植え付けられた観念の中で、最大•最強そしてあたかも永遠の真理であるかのように振る舞っているのが、「民主主義」ではないだろうか⁇
分かり易い顔「多数決」と「代議制」としっかり結び付いた傷つくことのない理想... 光
「災害が発生すると、政府の対応だけでは手薄で統治できず、緊急事態を監督できない。国民に呼び掛け、支援を求めることになる。若い世代は、代議制民
読書メモ16 レジリエンスの時代ジェレミー・リフキン著 第11章
「代議制民主政治は『工業の時代』の初めには、政治的妥協として有効であり、国家と地方の間の、均衡を保つことができた。再野生化する地球では、統治はコミュニティの問題として「乗組員は全員ただちに甲板に集合」という掛け声が、新しい種類のコモンズ方式の統治を反映している。
この新しい統治では、各自の直接的な関与が格段に深まる。
気象災害はまるごと一つのエコリージョン(生態地域)に影響を及ぼす。気象災害が起こ
読書メモ15 レジリエンスの時代ジェレミー・リフキン著 第10章
第10章レジリエンス革命のインフラ
リフキンの世界観はどうなっているのか?本書を9章まで読み、第10章にかかる時、デカルトとリフキンの違いを考えて置かねばならない。
リフキンの視点を、予断で整理する。
1、【インフラ革命が時代変革を先導する】
2、【社会は一個の生命体の如く自己運動する】
3、【個人は、近代的主体者ではなく、社会の有機的構成要素だ】
「万能の主体」として、世界宇宙の主導権を「
読書メモ14 レジリエンスの時代ジェレミー・リフキン著 第9章
『世界は人間のためにできているのであり、人間が世界のためにできているのではない』(フランシス・ベーコンp.249)
こんな傲慢な言葉が信奉された社会があり、その言葉によって解き放たれた欲望が世界を動かした。
光
「ベーコンは、やがて科学的方法となるものの基礎の大要を述べ、この新しいアプローチをもってすれば、人間は自然を『征服して服従させる力』を手に入れ、『自然をその根底から揺
読書メモ13 レジリエンスの時代ジェレミー・リフキン著 第8章
理性はナイフのようなものだ。一点から切り裂く。一次元的に切り出し、繋いでいく。
自然の生成はそうではない。全体が、全体性に於いて生成する。
例えば、個体発生。
理性は、それを切り刻むしかない。すると見えて来るのが、あちこちに潜む「生物時計」或いは「勾配」。
際限無く色々の時計が出て来るのには、多分、切り刻む「見方」に原因がある。その事を自覚しておく事は、きっと大切な事だ。
読書メモ12 レジリエンスの時代ジェレミー・リフキン著 第7章
「確固たる主体」としての自己から「生成するパターン」としての自己へ。
デカルトの、理性に対する誤認が、パンドラの箱を開け、地球生態系を破壊して来た。
「理性」は至高ではなく、「主体」は確固としてはおらず、「物質」は剛体ではない。
あるのはパターンに過ぎず、響き合い、相互浸透する。そして「理性」は脳機能の泡沫に過ぎない。
その認識の上に、どのような未来を描くか。
光
「一八世紀の
読書メモ11 レジリエンスの時代ジェレミー・リフキン著 第6章
テイラー主義の発展形=トヨタ生産方式、そしてゲーミフィケーション。
「アマゾンの『サイボーグ・ジョブ』」(byエミリー・グンデルズバーガーp.179)
「商業の仕組みにフレデリック・テイラーが与えた影響は目覚ましかったが、その影響は、二〇世紀の間ばかりか今日に至るまで、社会の事実上すべての面ではるかに深くまで及んできた。
効率に対する彼の執着は、人間の営為の奥深くまで浸透し、人類の自己観そのも
読書メモ10 レジリエンスの時代ジェレミー・リフキン著 第5章
第5章「究極の強奪
地球のさまざまな圏と遺伝子プールと電磁スペクトルの商品化」
については、ジョン・ロック、エホバとアダムの約束、について語る必要がある。
切り口を変えて、
「出発点、前提、公理、本質、核心」という辺りから、考えたい。
デカルトの「我思う、故に我あり」を例にとる。
普通、この命題の真偽、意味が問われる。けれど、意味も真偽も、無いのだろう。
意味の在所(ありか)は、命題から派生し
読書メモ9 レジリエンスの時代ジェレミー・リフキン著 第4章
第四章大転換—時間と空間地球規模の囲い込み(題)
時計にしても、遠近法にしても、人智の素晴らしい発明、発見、創意は、歴史=その後の社会のあり方 を変える。
しかし、
①その発明、発見、創意の当事者の理性は、結果する事への射程を持たない。=当事者個人の頭脳では、その発明等の外延(結果として将来何をもたらすか)を考え予測、構想する事が出来ない。
②同時代の頭脳を集めても、思考=観念操作では、(たぶん
読書メモ7 レジリエンスの時代ジェレミー・リフキン著 第2章
テイラー主義
「労働者の作業は標準化され、労働者と機械の区別がつかないほど。あらゆる要素が、科学的に管理された巨大な機械の部品と見なされ、効率向上の観点から測定され、費用便益分析によって計算された」(p.40)
「家庭は、社会全体にテイラー主義を導入する足掛かりだった。効率化実現の案内役、執行者となったのは、学校制度だった。工場に似せて作り変えられた学校は、子供たちをテイラー主義の小さな奉仕者
読書メモ6 リフキンを読むに当たって
ここでまとめて私見を述べておく。
①リフキンを読むに当たり、これからを考えるに当たり、進もうとする時の出発点を考え直す必要がある。
②世界観、宇宙観の拠り所、権威は、「長老」から、「宗教」へ、「宗教」から「哲学」へ、「哲学」から「科学」へと、移行してきた、と考える。
③現状の出発点は、デカルトに発する分析理性だと思う。個の独立、理性の優位、自由意志...(勿論日本人として、東洋的感性、全体観な
読書メモ5 レジリエンスの時代ジェレミー・リフキン著 第1章
半導体不足。パンデミック。
アダム・スミス「見えざる手」の「予定調和」が、綻びを見せる。
「アメリカのビジネス思考を支配してきた、効率の飽くなき追求のせいで、グローバルな経済システムが衝撃に対して脆弱になっているのだとしたらどうだろう?」(p.27ウィリアム•ガルストン元米大統領ブレーン)
「効率が向上するにつれ、レジリエンスが低下した」(同)
「アダム・スミス以来、ビジネス思想家たちは、無