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偶然と必然と運命は紙一重
最近実家へ帰ると母は、仕事へ行く前に布団の中にいる私の頭をなでなでする。その度は私に、少し泣きそうになりながら、ああ小さい頃にこうして欲しかったなと思うのだ。
母は一般的に考えても、多分不器用だ。そしてタチが悪い。
料理をする時はなぜか味見をしないからいつも薄味だし、俗に言う”余計な一言”が多すぎるし、自虐が多い。実際それはそうという自虐内容ではあるが人の良さは認められるから、責めたらこっちが悪
今でもたまに、過去の幸せに縋りたくなることがある。噛み合わない価値観を噛み砕いて、一緒に生きたかった。
言葉になり得ぬ幸福に。目を凝らして。
「幸せじゃない」
なんて言ってしまったけれど
誰かから幸せをもらおうとすること自体がおこがましくて、本来なら私自身がそこにある幸せを認識しないといけなかった。
確かにそうなのだ。
幸せなんてものは、言葉で得ようとしてもハリボテのようなもので。
自分の気持ちを言葉にすることは大切だけれど、言葉にし得ない幸福な瞬間に私たちを閉じ込めてしまったほうが、言葉にするより複雑で、どうしようもなく忘れられない
この虚しい気持ちを誰かで埋めようとせず寂しさを乗り越えたら私は報われるのだろうか
生きてることは偉いんじゃなくて奇跡的なことなんじゃないかと最近思います。
その人生でよく生きてるね、私、と。