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永遠でなければ全ては未遂

夕焼けが綺麗だなと思う瞬間、私はいつも絶望している。
絶望しているから、ふと夕焼けに目を向けてしまったのだろうか。
それともそんな私を嘲笑うかのような夕焼けの美しさが、私の目をそちらへ仕向けたのだろうか。
燃えるような赤だ。私は絶望の色を見た。


本当は黙って抱きしめていてあげたいのに、自分を納得させるためだけにその理由を聞いてしまったりする。情けない。
言わなくてもわかってほしいあなたは、言葉になんてしてくれないくせに「言わなくてもわかってよ」と困った顔をする。
言われなくてもわかってる。でもそれを飲み込んでしまうほどの不安があることも、わかってほしい。


自分と同じくらい傷を負った人じゃないと分かり合えないと思った。
だからすれ違ってぶつかり合っても寄り添おうとした。
ぶつかってお互い怪我をしないと寄り添えないなんて悲しいね。
仕方ないか。


少し特別になった。特別になったら私はわがままになってしまった。
君の人生は私を幸せにするためにある訳じゃないのに。
私は君の幸せの邪魔をしているかもしれない。
これこそ「言葉にしなくても」わかってあげなきゃいけないことだけれど、頑張らなきゃ終わってしまう関係性に、時折胸が苦しくなる。


一年が経つ。
「自分の全てを持って幸せにします」と言ってくれてからもう一年。
ひどく泣いた一年だった。
全部伝えたくてでも全部秘密にしていたい、そんな初めての嬉しさをもらった一年だった。
たくさん振り回したしたくさん振り回された。
泣いている君も笑っている君もたくさん抱きしめた。


”永遠”とか”ずっと”みたいな言葉が嫌いだ。
私の人生に永遠が来たことはないから。
でも永遠のような一瞬は集めてみたいと思った。
だから離れなかった。



少しだけ期待してしまっている。
そして少しだけ諦めそうになっている。


今までの理不尽も泣きたい気持ちも全部全部許せるくらいの、幸せな結末を。

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