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言葉になり得ぬ幸福に。目を凝らして。

「幸せじゃない」
なんて言ってしまったけれど
誰かから幸せをもらおうとすること自体がおこがましくて、本来なら私自身がそこにある幸せを認識しないといけなかった。


確かにそうなのだ。
幸せなんてものは、言葉で得ようとしてもハリボテのようなもので。
自分の気持ちを言葉にすることは大切だけれど、言葉にし得ない幸福な瞬間に私たちを閉じ込めてしまったほうが、言葉にするより複雑で、どうしようもなく忘れられない記憶になるはずなのに。



明日の自分の気持ちさえ予想できない私たちが、どうして他の人間の、未来の自分への気持ちを確かめられるだろう。
人はそんなに単純な生き物じゃないのに。


心はあまりに複雑にできている。
みんな傷つきたくないから心にどんどん蓋をしていく。そしてどんどん自分の気持ちがわからなくなる。まるで感情なんてないかのように、大人のフリして生きてしまう。
でもね、痛みを感じないふりが美しいわけないじゃない。


きっと感情の起伏が大きければ大きいほど、振り返った時には人生の厚みが出ていて、美術館のギャラリーみたいになる。
飾られた絵は、誰が見ても美しいものだけじゃなくていい。その描かれた苦しみや絶望は、誰かの天使になるかもしれないから。


幸せじゃないなんて思ってしまったけど
私は幸せだった。


4キロのダイエットにも成功して、仕事も沢山こなせるようになって、何より、自分のことを好きと思える瞬間が少しだけ増えていた。
私を取り巻く幸福に、目を向けようとしていなかったのは私だった。
毎日痩せたいと嘆いていたあの頃より、収入が得られなくて血反吐吐きながらパソコンいじっていたあの頃より、確かに幸せになっているじゃないか。少しずつ、少しずつだけど、変われている。


自殺未遂をして、怒らせるくらい周りの友達を悲しませてしまったけれど。
今はそこまで自分を思ってくれる人とまた会うまで生きていたいと思ってる。


もう少し、気楽に生きようと思う。
そしてもう少し、人を好きになってみようと思う。


過去のトラウマでずっと誰のことも、自分のことも信じられなかったけど。
私の人生を幸福にできるのは私だけだから。
裏切られても構わないと思えるくらい大切な人しか周りにいないから、信じて向き合ってみようと思う。
愛されたいとか幸せになりたいって思う前に、私が貰えなかったものをまず人に与えられる人になりたい。愛情も信頼も。


何が言いたいのかよく分からないけれど、死ぬの失敗してよかった。
目を凝らしてみれば、私たちの周りには言葉にできない幸福が沢山転がってる。


完璧じゃなくていいんだよ。
それは欠点ではなくて、あなたの愛すべきところだから。

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