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人生を楽しく、面白く生きるあなたのそばに「かばんばか」

あなたにとって、「好き」ってなんですか?

タンスの角に小指をぶつけて痛かった。
目の前をチラチラ横切るコバエが煩わしくて嫌。
退勤10分前に上司から仕事を振られてしまい、楽しみにしていた約束に遅れてしまったから嫌だった。

嫌だったこと、嫌いなことは具体的に言えるのに、好きって明確に言葉にできない。

「好き」という感情もしようと思えば、要素分解することはできるし、
この情報社会の中でリサーチして、ある事象について詳しくなることもできる。

しかし「好き」に理由を当てはめてしまうと、なんだか純粋さが失われてしまう気もする。

もっと単純に「面白い」「楽しい」、それが「好き」である。

そんな考え方があってもいいのではないか。

今回は「かばん作り」を通じて、自身のひたむきな「好き」という気持ちに正面から向き合い続ける、「かばんばか」代表 川本さんの取り組みについて紹介していこうと思う。

「かばんばか」川本さん。

インタビューの第一声で川本さんが発した言葉は、「面白いことが好きなんですよ。」

周りの大人達から「夢を持て」と言われる中で、学校の先生、親がやっていた営業。
自分が知りうる限られた選択肢の中で「面白い」と思えること、自分の夢を断定していた川本さん。
しかし、翻訳家、木こり、新聞記者...さまざまな職業の方との出会いの中で、「こんなに職業があるのならなんでもありだな」という境地に達し、自分の夢を断定するのはやめて、本当に自分が面白いと感じられるものを模索する日々が始まった。

深夜3時漁船に乗って定置網漁、富士山に木を植える「植樹」、ホームレスの方への夜回り支援、不用品の撤去作業、工場の夜勤・・・
40種もの仕事を経験する中で、どれもやった瞬間は面白いと感じたが、それらの活動を一生の営みにしようとはどうしても思えなかった。
面白いと感じられるものを探す日々の中で、ふと思い立ち、インドに行った。
その時の経験を川本さんはこう語った。

『どうせ行くならドラクエの勇者ヨシヒコが着ているようなTHE旅人の格好をしたい!と思っていました。しかしそんな格好をしている人はおらず、手に入れようと探したのですが、インドで見つけられなかったんですよ。日本に帰ってきて、それが妙に頭に残っていて...よくよく考えてみると服に興味はないな、でも鞄は好きだな。あ、鞄を作ろう!自分が面白いと思える鞄を作ろう。』

そんな想いから始まったのが「かばんばか」だ。

どうして鞄なのか?鞄の何が川本さんの「好き」を「好き」たらしめるのか、伺った際に、川本さんはこう語った。

『本当に好きなことって理由はないし、
それを説明している時点で、あんまり好きじゃない気がする。
例えば、小学校の頃、鬼ごっこを無限にやっていた。なのに、夕方になると「帰りたくない」とごねる。これに理由とかモチベーションってないと思う。』

人に説明するためのわかりやすい論理性はなかったとしても、「鞄が好き」という思いでこれまでも鞄作りをしてきた川本さん。
「なぜ?」「どうして?」と知りたくなってしまう気持ちはあるものの、
なぜ好きかと考えてしまうことそのものが、川本さんの「好き」から遠のいていくのだ。

「面白いかどうか」がただ一つの判断軸

マグロ、チョウチンアンコウ、カメレオン、肉まぶし?!?!

「かばんばか」では、「どういうこと?!」と思わずツッコミを入れてしまうようなものを鞄にして販売している。

チョウチンアンコウバック。

一体なぜ、そんな常軌を逸したかばんばかりを作ろうと思ったのか?川本さんはこう語る。

マグロ、サーモン、鯖・・・「魚の鞄を作る人」それって2、3年はそれで面白いかもしれないが、ただの魚の鞄を作る人になってしまう、それでは面白くない。
点で面白くてもだめ。トータルで面白くないといけない。

人生において生涯自分が作ることができる鞄の数には限りがある。
だからこそ、「面白い鞄を作りたい」
極論、鞄なんていらないのかもしれない。
いらないかもしれないものの中で、「面白くあれるか」ってすごく大切。
せっかく鞄を持つのであれば、
持っても面白い、見ていても面白い、人と話すときのきっかけになっても面白い。
いろんな鞄がある中で、そんな鞄があってもいいのではないか。

そんな想いから、「コレ、カバンになったらおもしろい」をコンセプトに鞄作りをしている。

鞄になることはなかったであろうものたち

「かばんばか」では、「自身が心から面白いと思えるもの」を鞄にする一方で、「依頼者の好きを鞄にする」フルオーダーでの注文も受け付けている。

肉まぶしバッグ。広島のお肉屋さんの大将から依頼を受け制作したバッグ。依頼を受ける際、できるかできないかは一旦置いておいて、即座に「やります!」と答えることが川本さんのスタンス。

川本さんが仕事を受けなければ、鞄になることはなかったであろうもの。
まだこの世にない鞄を世に生み出し、その瞬間に立ち会える「面白さ」。
既存の鞄という概念に納まらない「こんなの作れるのか?」という無茶振りとも思えるような問いかけに対しても、それを心の底から楽しんでいる様子が伺える。

他者から寄せられる期待、「まだこの世にない鞄を作る」という挑戦。
側から見たら、大変そうに思える行為でさえも「鞄が好きだから作る、ただそれだけ」
努力を努力と感じさせない、ばかで純粋な、無邪気さが感じられる。

人生を楽しく、面白く生きるあなたへ

私は「好き」に理由を求めてしまう。
人に分かりやすく説明するための論理性を周りからは求められるし、
その理由づけがないと「好き」という気持ちが続かないような気がするから。
漠然とした不安に掻き立てられるのが嫌で、つい「好き」という感情を紐解こうとしてしまう。

けれども、「面白い」「楽しい」、それが「好き」である。

それだけでいいじゃないか。

好きに理由はいらないし、言えない。だってばかなんだもん、
といった潔さと可愛げを持つこと。

そうしたちょっとした開き直りが私をちょっと生きやすくするかもしれない、
と川本さんとの対談を通じて思った。
他の人からどう思われるとかそういうことは一旦置いておいて、
「面白い」「楽しい」「好き」という自身の感情に素直になれる人の手に「かばんばか」の鞄が行き渡っていくことを心から願っている。

製品情報

・公式HP

・Twitter

・Instagram

https://www.instagram.com/kabanbaka/

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執筆者:成田吉子

・Instagram

https://www.instagram.com/i_am_concept_rhr/?hl=ja




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