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#読書記録

【読書ノート】『新編 人生あはれなり 紫式部日記』

【読書ノート】『新編 人生あはれなり 紫式部日記』

『新編 人生あはれなり 紫式部日記』
小迎裕美子 紫式部

紫式部日記をわかりやすく解説した本。華やかな日常を過ごしていと思いきや日々、将来の不安や人目を気にするストレス、目立ちたくないという願望など、現代の女性にも共感できる人間関係や仕事、嫉妬などが描かれている。

『源氏物語』の登場人物も取り上げていて、人物像を知る上で役にたつ。

平安中期の三大才女(紫式部・清少納言・和泉式部)の微妙な関係

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『「死ぬとき幸福な人」に共通する7つのこと』

『「死ぬとき幸福な人」に共通する7つのこと』

『「死ぬとき幸福な人」に共通する7つのこと』
小澤竹俊著

著者は、1963年東京生まれで、1987年に東京慈恵会医科大学を卒業し、1991年に山形大学大学院医学研究科の博士課程を修了。救命救急センターや農村医療に従事した後、1994年から横浜甦生病院ホスピス病棟にて病棟長を務め、3000人以上の患者を看取った。2006年にめぐみ在宅クリニックを開院し、2015年には一般社団法人エンドオブライフ・

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『可愛い女』

『可愛い女』

『可愛い女』
チェーホフ著

美人で恋愛好きな主人公オーレンカが、その時々に出逢った人を、熱烈に愛して、彼らそれぞれの色に染まっていく。夫となる男達は、どういう訳だか、あっさり亡くなってしまう。その度に、抜け殻のようになってしまうオーレンカなのだけど、半年もしないうちに次の出逢いに夢中になっていくという非常に魅力的で可愛い女性の物語。トルストイは、オーレンカを、理想の女性だと称賛したらしい。

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『世界で最後の花』

『世界で最後の花』

『世界で最後の花』
ジェームズ・サーバー著

村上春樹訳

第二次世界大戦が始まる前に書かれた本らしいのだけど、今もそのまま通じる。村上春樹による新しい翻訳で再び出版。

第十二次世界大戦が起きた世界。文明は破壊され、町も都市も、森も林も消え去られてしまう。残された人間たちは、ただそのへんに座りこむだけの存在になってしまった。ひとりの若い娘が世界に残った最後の花を見つけるところから、物語は、はじま

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『1984』

『1984』

『1984』
ジョージ・オーウェル著

1949年に発表されたいわゆるディストピア小説。

核戦争後の1984年の世界を舞台に、オセアニアという国家に住む主人公ウィンストン・スミスの日常が展開される。

ビッグ・ブラザーと呼ばれる党首が絶対的な権力を握り、テレスクリーンという監視器や思想警察によって人々の行動や思考が厳しく管理されてる。

ウィンストン自身は、党の都合に合わせて歴史や事実を改竄する

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『わたしを離さないで』

『わたしを離さないで』

『わたしを離さないで』
カズオ・イシグロ著

(再読版)

物語は、主人公のキャシー・Hは、孤児院の友人たちと一緒に、生き方を模索する。孤児院の子供達は、次第に自分たちがどのような運命に置かれているのかを知る。彼らは粛々と、死ぬ運命を受け入れつつも、希望を捨てずに生きる、という話。

普通の教育を受けているのだから、自分の運命を知ると発狂するものではないのだろうか?とか、思ってしまったのだけど。

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『白痴 3』

『白痴 3』

『白痴 3』
ドストエフスキー著
亀山郁夫 訳

登場人物が多くて難解な作品で、ムイシユキン公爵、ロゴージン、イッポリートがナスターシアとアグラーヤという美女を巡る複雑な三角関係が展開される。

文章には独特の引力があって、理解が難しいものの、魅了される。 2度読みしているのに、なかなか理解が難しい。

愛情深く破滅的なナスターシア。
世界をひっくり返す美しさとされるアグラーヤ。

ムイシュキン公

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『木野』(『女のいない男たち』その2)

『木野』(『女のいない男たち』その2)

『木野』(『女のいない男たち』その2)
村上春樹著

「女のいない男たち」に含まれている短編の一つです。

これもなかなか、難解な文章の羅列が続いているので、じっくりと
キーワードを味わうのも面白いと思ったが、誰かに解説してもらいたいところだ。

主人公の木野は妻の不倫を目撃し、離婚。長年勤めた会社を辞め、バー「木野」を経営する。物語は「女」を失った「男」が、どうなっていくのか、ずらずら綴られてい

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『「女らしさ」とは何か』

『「女らしさ」とは何か』

『「女らしさ」とは何か』
与謝野晶子著
与謝野鉄幹と不倫の末、結婚。子供は、12人。ってすごいなあと思った。

「女らしさ」とは、愛情豊かで、優しいことなのか?子供への愛情は、「女らしさ」というよりも、人間性の問題だろう!

「女らしさ」というものが、男にとって都合よく定義されて、女性が不利益をうけていることを主張し、本来、人間性の問題で、男女に違いはないということを説いた本。

1921年にこ

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『運転者』喜多川泰著

『運転者』喜多川泰著

『運転者』
喜多川泰著

「運が劇的に変わる時、場というのが、人生にはあります。」

「運はいいか悪いで表現するものじゃないんですよ。 使う・貯めるで表現するものなんです。 」

「周囲から運がいいと思われている人は、貯まったから使っただけです。」

自己啓発風な小説ですが、読みやすくて、わかりやすく、元気付けられる内容です。思っていた以上に、よい本でした。

クリスチャンの人だったら、
「いつも

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