マガジンのカバー画像

自己啓発的な話

84
運営しているクリエイター

#小説

【読書ノート】『森の生活』

【読書ノート】『森の生活』

『森の生活』
ウォールデン著

産業革命で、大量生産・大量消費など、世の中が大きく変わり始めた時の話。一次産業から二次産業に世の中が変わる時、廻りの人々は、作られた利便性、快適性に踊らされている。産業社会にとって都合の良い「夢」、「幸せ」が見せつけられている。

「隣人たちが良いということのほとんどは悪いことだ」

と、ソローは言う。

夢を追い求め、自分の道を歩むことが、重要だという。そして、他

もっとみる
『イワンの馬鹿』

『イワンの馬鹿』

『イワンの馬鹿』
トルストイ著

一言で言えば、正直で純粋な主人公イワンが様々な試練に遭遇するのに、特に不遇と思うこともなく、問題を素直に解決して幸運を手に入れていく姿を描いた物語。お金や兵力を否定はしないまでも、自分の役割は何なのか。自分の役割というか、使命にしたがって、淡々と生きるという、なかなか、考えさせられる物語。

一般的には「正直者がバカを見る」と言われているもので、ある意味、そうなの

もっとみる
『城の崎にて』

『城の崎にて』

『城の崎にて』
志賀直哉著

一言でいうと、死にそうになった経験を通して、生きることと死ぬことの意味を探求してみたという話。

著者の電車事故での実体験をもとに書かれた小説。

主人公は、自分が死ななかったことに対して喜びや感謝を感じることができない。そして、城崎温泉で療養中、自分が生きるということと死ぬということについて考える。

蜂や鼠、いもりの死に遭遇する。蜂の死は、静かで寂しいが親しみを感

もっとみる
『スタートライン』

『スタートライン』

『スタートライン』
喜多川泰著

『あなたが見たいと思う変化に、あなた自身がなりなさい』

『明日死んでしまうかのように生きなさい。そして永遠に生き続けるかのように学びなさい』

「向かい風が強いいうことは、前向いて走ってる証拠や。」

物語の冒頭に三連発の名言で始まる。

物語は大きくは五部構成で、主な登場人物は伊福大祐、長森真苗の二人。

第一部は、高校生18才の伊福大祐の目線で同級生の長森真

もっとみる
『ローマ人の物語 27』

『ローマ人の物語 27』

「ローマ人の物語 27」

塩野七生著

古代ローマ人は、街道を始め様々な基礎的システムを整備してきた。現代社会にとっても欠くことができないこれらのインフラは、すべてローマに源を発している。

本書では、インフラのなかでも、街道と橋が取り上げられている。

印象に残ったこと。

①街道
紀元前3世紀、地球の東と西で、大規模な土木事業が始まった。東方では、万里の長城。その全長は5000キロに及ぶ

もっとみる
『運転者』喜多川泰著

『運転者』喜多川泰著

『運転者』
喜多川泰著

「運が劇的に変わる時、場というのが、人生にはあります。」

「運はいいか悪いで表現するものじゃないんですよ。 使う・貯めるで表現するものなんです。 」

「周囲から運がいいと思われている人は、貯まったから使っただけです。」

自己啓発風な小説ですが、読みやすくて、わかりやすく、元気付けられる内容です。思っていた以上に、よい本でした。

クリスチャンの人だったら、
「いつも

もっとみる
「プロだけが知っている小説の書き方」

「プロだけが知っている小説の書き方」

『プロだけが知っている 小説の書き方』
森沢明夫著

『書店員さんから絶賛の声。
今後、小説の書き方についての書籍を訊ねられた際は、
まず本書を読むべし! とオススメしたい。』

小説家になろうなど大それたことは考えていないのだけど、いろいろな物語を読んでいて、一体全体、どんな感覚で壮大な妄想物語をつくっているのか?ハウツー的な要素があるなら探ってみたいと思って本書を読んでみた。

想像していたよ

もっとみる
『かがみの孤城 下』

『かがみの孤城 下』

かがみの孤城 下(ポプラ文庫)
辻村深月著

物語は、大きく展開する。
7人の過去が明かされ、

7人が集められた謎へ迫る。

いっきに読めてしまう。

よく出来た物語だなあと、清々しい気分を味わえた。

人の思いとか、祈り。
人それぞれに与えられた使命みたいなものの中で生かされているものだなあとひとり悦に入ってしまった。

信じるものがないと、苦しい現実の中で、生きていくのは、本当に大変なことだ

もっとみる
「コーヒーが冷めないうちに」

「コーヒーが冷めないうちに」

『コーヒーが冷めないうちに』
川口俊和著

「とある街の、とある喫茶店の
とある座席には不思議な都市伝説があった

その席に座ると、望んだとおりの時間に戻れるという

ただし、そこにはめんどくさい……
非常にめんどくさいルールがあった」

4つの短編
映画の方は見ていたのですが、小説の方は、初めてでした。

英語版を外国の方がレビューされていて、すごく高評価だったので読んでみようと思ったのでした。

もっとみる