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美術の真髄をめぐる旅へ! 初版から70年以上、今なお愛される『美術の物語』

 今回は1950年に初版がでたあとも、なんと今でも版を重ねている古典的名著、エルンスト・H・ゴンブリッチの『美術の物語』を紹介したいと思います!
 この本はあまりに有名ですし、美大生の本棚にあることでも知られているので、今更紹介する必要もないかな?と思ったのですが……、わたしのお気に入りの1冊なのでいってみます!
『美術の物語』は世界中の美術を時代順に解説したものです。
 個人的には、時代を超えて読み継がれる美術史の決定版だと思っています。 

ゴンブリッチについて

 エルンスト・H・ゴンブリッチ(Ernst Hans Gombrich, 1901年1月20日 - 2001年11月18日)は、オーストリア生まれのイギリスの美術史家です。「美術の物語」を始め、美術史に関する多くの著作を著し、20世紀の最も影響力のある美術史家の一人として知られています。
 ゴンブリッチはウィーンで生まれ、ウィーン大学で美術史を学びました。1933年にナチス政権から逃れてイギリスへ移住し、ロンドン大学で美術史の講師を務めました。
 その後、ウォーバーグ研究所の所長やオックスフォード大学の教授などを歴任しました。 ゴンブリッチの著書は、平易な言葉で書かれており、美術史を専門としない人々にもわかりやすく、親しみやすい内容となっています。 
 豊富な図版を使って作品を解説しており、視覚的にも楽しむことができます。

 ゴンブリッチの代表作である『美術の物語』は、世界中で800万部以上を発行し、美術史の入門書として定番となっています。

 この本では、洞窟壁画から現代美術まで、美術史を時代順に体系的に解説しています。

 ゴンブリッチは、美術史を単なる過去の作品の紹介ではなく、人間の歴史や文化を理解するための重要な手がかりであると捉えていました。

 彼は、作品を制作した時代の社会や文化背景を理解することが、作品をより深く理解するために重要であると主張しました。

 ゴンブリッチの業績は高く評価されており、多くの賞を受賞しています。また、1972年にはナイトに叙勲されています。

 ゴンブリッチは2001年に亡くなりましたが、彼の著作は現在でも多くの人に読まれ続け、美術史研究に大きな影響を与え続けています。

主な内容

  • 古代から現代までの美術を、時代ごとの背景や思想とともにわかりやすく解説

  • 西洋美術を中心に、東洋美術についても触れています。

  • 豊富な図版を使って、作品を鑑賞する楽しみを教えてくれる

 この本は、美術初心者の方から専門家の方まで、幅広い方におすすめです。万人におすすめですが、特に……、

  • 美術史の全体像を理解したい方

  • 有名な作品について詳しく知りたい方

  • 美術鑑賞をより深く楽しみたい方

は、ぜひ手に取ってみてください。 

 以下は、 『美術の物語』 で紹介されている特に重要な時代と作品です。

  • 古代ギリシャ・ローマ美術 パルテノン神殿、ミロのヴィーナス

  • 中世美術 ビザンチン美術、ロマネスク美術、ゴシック美術

  • ルネサンス美術 レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ

  • バロック美術 カラヴァッジョ、レンブラント、ルーベンス

  • 印象派 モネ、ルノワール、ゴッホ

  • 現代美術 ピカソ、ダリ、ウォーホル

 これらの作品は、それぞれの時代の社会や文化を反映しており、美術史を理解する上で重要です。

『美術の物語』 を読むことで、これらの作品について だけでなく、美術史全体について 理解を深めることができます。この本は眺めているだけでも楽しいですし、知識と感性が同時に拡張されていくような感覚におちいります。
 
 美大生でなくとも、美術や絵画に興味がある方は、ぜひ一度、手に取ってみてください。
 この1冊こそ美術史を学ぶ上で必読の書と言えるでしょう!

この一冊があなたの美術鑑賞を深める。
古代から現代にいたる美術史の全てがここに詰まっています!


【編集後記】
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