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女神の名は・・・ part.Ⅸ

みなさん、こんばんは。綺羅です。

今日もnoteをご覧いただき、ありがとうございます。


最近、ボールペンや修正テープの詰め替え用を箱買いしています。

大学の学習や、自分の創作に使っていると、無くなるペースが異常に早いのです。

文房具くらいはお店に行って買おうと考えていたのですが、詰め替え用のストックは、常に10こほど手元に持って置きたいと思ったのでした。


最近ますます寒くなって来ましたね。

この季節になると、ふと思い出します。

ストーブを巡る、彼女とのたたかいの日々を・・・。



🐕

私が幼い頃から好きな場所がある。

それは、ストーブの斜め前にある一本の白い柱。

冬はここでもたれて読書をしたり、お茶を飲んだりしてして過ごす、私が見つけた、家の中のお気に入りスポット。

でもこの冬は、私一人だけの憩いの場所ではなくなった。

私と彼女の、お気に入りの場所なんだ。


また占領されている。

むしろ数時間前から同じ場所に居座り続けていて、私が彼女の目の前にたっても、どける気配など一切無い。

「フーちゃん、私もちょっと入れて欲しいんだけどなー・・・?」

『うん、いいよ。きらちゃんもはいってきていいよ。』

その優しさが嬉しいよ、本当にありがとう。

でもね、あなたが左右どちらかに少し寄ってくれないと、私がストーブの温風に全くあたれないのよ。

これじゃあ単に、気持ちよく寝そべっている、愛犬をまたいでいるだけの図になっちゃう。

今の私はウケ狙いしているわけじゃないのよ、寒いから温風に当たりたいのよ。

「フーちゃん、ちょっとだけそっち行ってくれるかな・・・。」

遠慮気味にそう言って、今寝ている場所から少し移動させると、今まですやすやと眠っていた顔が、急に私を見上げてきた。

『きらちゃん、フーちゃんここでねてるんだけど。』

「ごめん、フーちゃん。本当にちょっとだけだから。ちょっとだけ!」

『・・・えぇー。くるのー?ほかにあたたかいところあるよー?』

その瞳は、すごく面倒くさそうに訴えてきていたが、だからと言って、私も自分の希望を簡単に捨てる気は無い。

それにどういうわけなのか、彼女は知ってか知らずなのか、ストーブの前を斜めに陣取る事によって、ストーブから供給される温風をすべて自分の毛並みの中に取り込んでいる。

ああそうか、調度毛が冬用に生え替わってきているし、毛と毛の間に、空気の層を作り込んで、防寒しようという寸法だな。

そこを陣取っている謎が解けたよ!

だから私にもストーブ当たらせて!!

「ほんっと、ごめんね。温まったらまた元の場所に戻してあげるから!」

『さきにフーちゃんがあたってたんだけどなー。』

こういう時のフーちゃんは、きらきらした眼差しを送り込んでくる。

その瞳を以てすれば、なんでも思い通りになると思っているんでしょ?

ごめんごめんと口では言いながら、フーちゃんをしっかり端に寄せていた私は、退かせられたものの、何だか物足りなく感じたいた。



🐕

柱にもたれた私の足先には、背中を向けたフーちゃん。

読書しているのに、視線はなぜか、茶色の体をずっと意識してしまう。

自分の身体は温まるのに、フーちゃんとの距離が遠く感じるだけで、ぬくもった身体は冷めていく。

それはフーちゃんも同じように思っているかもしれないと感じたのは、温風になびく茶色の毛がなんとなく寂しそうに見えたからかもしれない。

私は彼女を長く撫でた。

「フーちゃん、寒くない?」

『さむいよ。でもきらちゃんがさむいんでしょ?』

つーんとしつつも、場所を取り返しに来ない彼女に、何だかすごく申し訳ないことをしている気持ちになった。

自分一人で温まったところで、心が寒いと感じていたら意味なんて無いのに。

「フーちゃん、こっち来て一緒にあたろう。」

『フーちゃんもどるのめんどくさい。』

「じゃあ私が戻してあげるよ。」

だっこと言うにはほど遠いけれど、低い位置で持ち上げるくらいはできるようになったので、フーちゃんを元の位置に戻した。

私はその横で、少し縮こまって、フーちゃんを撫でながら読書を再開した。

フーちゃんの毛のモフさと、少し上がった体温が、一緒に時間を過ごせていることを実感させてくれる。

単に身体が「あたたかい」だけじゃ、あたたかくなれないや。

君と一緒にいるから、あたたかいんだよね。

『きらちゃん、ありがとー。フーちゃんねるねー。』

そう言って、気持ちよさそうに寝息を立てる彼女は、私に豊かな時間を与えてくれた天使だ。

こうして私は、ストーブだけでは手に入れられなかった温かさを手にしたのだった。


一緒にあたたまれば、ぜんぜん寒くなんかないよ。

おはなししてたら、自然とこころがあつくなる。

熱くなったこころは、そのまま他の誰かをあたためることができるから。

寒さなんてへっちゃらだよ。

君とのあたたかい時間を過ごすだけで、こころにあたたかさが残るから。

女神の名は・・・。



🐕

みなさんからのスキに、今日も元気をいただきました!

この記事にお時間をいただき、ありがとうございました。


それでは、今日はここまでです。

みなさん、動物とのよりよき交流を。



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