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ごめんなさいが止まらない

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18歳で上京して以来、日々暮らす日常の時の中で胸の奥底からズゥンという嫌な感じが突き上げてくることある。その度にグッと嗚咽をするように背中をすくませる。ものすごい罪悪感・自己嫌悪… もっと読む
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記事一覧

「あなたのためだから」② 恐怖のヒモ男

20代後半、やっと両親と縁が切れた私は、会社を辞めた。

私は、全部やり直したくなった。

そして、それまで付き合っていた優しいボーイフレンドも、住む家も一度全部捨ててしまった。

私は、とにかく変わりたかった。

それまで慎重に整えてきた生き方を全部捨てて、ゼロから生き直したい気持ちだった。

そして新しく付き合った男。

そいつは、ヒモ男だった。

ヒモ男は、「面白い人」「ムードメイカー」「天

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あとがき 苦しみを抱えるあなたへ

あとがき 苦しみを抱えるあなたへ

 私はこの文章を私と同じように機能不全家庭に生まれて生きづらさを感じていている人に読んでほしい。私は10代は親からの過剰な干渉に苦しみ、20代30代は、その後遺症である心的外傷ストレス症候群と解離性同一性障害に苦しんできた。「なんで?どうしていつも私はこうなんだろう?助かりたい、変わりたい」と思いつつもどうすればいいのか、自分の性格がおかしいのか、病気なのか何なのかさえ分からず。ずっと何も見えない

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謎の生きづらさの正体

謎の生きづらさの正体

 自分がどうなりたいとか、子供をどうしたいとか、親がどうしてほしいとか、兄弟をどうにかしたいとか、恋人をどうしたいとか、そういうことから離れて生きることができたなら、なんと楽なことだろう。思い浮かべるだけで呼吸が楽になり、目の前が明るくなるような気がする。

 ある日、自分という種が偶然この世の土に蒔かれて、芽が出て、それが育ち、いつか死ぬ。私たち人間を種と例えるなら神様はこの空だ。空は変わらず私

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思い出の味

思い出の味

 誰にでも思い出の料理があるはずだ。私の思い出の料理は、お母さんの作るオムライスだ。小さい頃、自営業のビルの一角で昔ながらの雰囲気の喫茶店を経営していた母は、よくオムライスを作って出していた。チキンを細かく切って玉ねぎとケチャップとご飯を合わせて炒めたチキンライスを薄い卵焼きでくるりと巻く。今はやりのトロトロ卵じゃなくて、クレープみたいな黄色い卵焼きでチキンライスを包むのだ。そしてケチャップが上に

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眠る前にしていること

眠る前にしていること

 二人目の子供を産んでから1年が経った。自助グループに行き始めてから約半年が経った。自助グループで輪読している回復のためのステップ本に「祈ることで回復につながる」と書いてあったこともあり、最近眠る前にお祈りをするようになってきた。

 我が家はご飯の後お風呂に入る。お風呂の後、水を飲ませた次男を抱っこ紐で抱っこして眠らせて、起きないようにそうっと布団に置く。それから長男に絵本を読んで、抱っこして一

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投薬療法と心理療法

投薬療法と心理療法

 壊れた心を治す医療行為には、大きく分けて二つあるようだ。一つは、薬物療法。もう一つは、心理療法。現在の私の主治医は、心理療法を得意とする先生だ。先生は、心理療法を得意とするが、投薬も行っている。しかし西洋の薬剤だけに頼らず漢方を用いたり、同じ院内に複数の心理カウンセラーやマッサージ師などを待機させ患者の症状やその原因の種類によって彼らの施術を患者に対して処方している。心的外傷ストレス障害と解離性

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上質な「おばちゃん浴」を求めてVo.3

上質な「おばちゃん浴」を求めてVo.3

 2018年現在の関東の常識でいうと、「おばちゃん」「おばさん」とは、失礼な部類の言葉に属するらしい。私は現在関東に住んでいる。だから私は自分に対して使う以外には、なるべく「おばさん」「おばちゃん」という言葉をあまり表立て使うことはしないようにしている。「おばさん」という言葉を不用意に使用したため不穏な空気が場に流れる例をご紹介しよう。

<例1>まだ20代のママ友がすでに30代後半のママ達を前に

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上質な「おばちゃん浴」を求めて vol.2

上質な「おばちゃん浴」を求めて vol.2

 「おばちゃん浴」それは、お母さんが、ただそばにいてくれているような雰囲気や安心感を身近にいる母親と同じくらかそれ以上の年齢のおばちゃんたちとの触れ合いを通して感じる擬似行為。例えば、私がぼおっとテレビを見ている横でお母さんがスーパーのチラシを見ながら「最近あの店あの商品売ってないわね」とか「あ、図書館に本返すの忘れたわ〜 今日近くに行ったのに、もぉ〜」とかいう独り言をなんとなく聞くような、そうい

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上質な「おばちゃん浴」を求めて vol.1

上質な「おばちゃん浴」を求めて vol.1

私は、十代の頃から自分より年上の女性と話すのが好きだった。青くて尊大だった十代の頃はそれこそ「私はきっと精神年齢が高くて大人っぽいから年上の女性の方が話が合うのだ」と思っていた。確かに九州の古い街の古い商家に育った私は、実際に自分や周りの人たちをそう勘違いさせてしまうような年寄りくさい考え方をする人間ではあった。でも今では、本当の理由が、わかる。私は、ずっと母親を求めていたのだ。

  とは言

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回復へ 自分を応援する。

回復へ 自分を応援する。

 うちから車で1時間半くらい行ったところに、私が「先輩」と勝手に仰ぐ人がいる。先輩は、私より10歳くらい年上。造形作家で作品は、陶器、鉄、木工、絵画とたきにわたる。日本画家で洋裁家の奥さんと子供が二人。自分の家族と暮らしながら、古い炭焼き小屋を自分で改築したものすごくセンスの良い家に住み、日々表現や創作をして作品を作っては売りながら生活していた。

 自分の若かった頃の話、家族について、ものづくり

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回復へ 片付けが、苦しい。

回復へ 片付けが、苦しい。

 一人目の子供を出産して1年くらいした頃、中古の家を買った。古いけど、その代わりとても広くて良い家だった。リビングダイニングの他に4部屋もあるのだ。都内に住んでいた時は、考えられない広さだけど、ここは田舎だから、そういうびっくりするような広さの中古の家が都内でワンルームマンションを買うくらいの値段で普通に売りに出ているのだった。 

 私たちは、その4つの部屋を、①家族みんなで寝る寝室、②旦那の部

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回復へ 毎日が、教えてくれたこと。

回復へ 毎日が、教えてくれたこと。

「子育てをしているとふと自分の小さい頃に戻ったような気になって、自分の子供の成長とともに自分ももう一度生まれてからの人生をたどるような気になる」というようなことを知り合いの同じく幼児時代に機能不全家庭に育った年上の友人に話した。すると彼女も母親になり、同じような感覚を味わったことがあると言って共感してくれた。彼女は私よりも10歳以上年上で、成人した子供が二人いる。「自分がして欲しかったけど、して

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昭和の終わりの子供たち

昭和の終わりの子供たち

 私の体験したような話は、昭和の終わりの地方の自営業の家族にきっとよく起こりうる話なのかもしれない。最近、心的外傷ストレス障害の回復が進んで、昔のことを思い出すのが前より辛くなってきた。だから、ここで自分の幼少期を、改めて母親になった大人の自分の目線で振り返ってみようかと思う。子供の目線で思い出して苦しくなるのではなく、大人の自分の目線であの頃の世界を見返してみるのだ。

私が生まれたのは、197

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機能不全家族と不安障害

機能不全家族と不安障害

 機能不全家族(きのうふぜんかぞく、英: Dysfunctional Family)とは、家庭内に対立や不法行為、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクト等が恒常的に存在する家庭を指す。機能不全家庭(きのうふぜんかてい)とも称され、その状態を家庭崩壊(かていほうかい)、もしくは家族崩壊(かぞくほうかい)と言われている(英語では family breakdown と表記されている。(出典:ウィキ

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