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R-小太りのおじさん
小太りのおじさんとキス距離を二駅分。晴れ晴れしく出かけた日には、そんなバッドエンドが待っていた。電車の揺れが二人の物理的距離感を悪戯にも弄ぶ、不快と緊張が人混みと一緒に押し寄せた。満員電車が好きという人がいるならば是非戦いたい、が、私は平和主義だ。息の吸いづらさ、生活感の匂い、一ミリでも動くと刺さる人の視線。全てが私を窮屈にする。恐ろしくテクノロジーとやらが発展している時代だというのに、なぜこう
もっとみる本能はたぶん働かない
自分でも何がしたいのかわからない。趣味という趣味もなくなりただ毎日を消化していく。無駄だと思った日は一日もない。『人生が長いから』
長いってどのくらい?目が覚めた時には冷や汗をかいていた。巨大なマンションがゆっくりと倒れた。中にいた私達は、本能だねといいながら頭を必死に守り笑っていた。ゆっくりと傾いた時、恐怖や絶望ではないもっともっと不確かなものが押し寄せてきたのは確かだった。今日も何でもない一