ワケ

天気を無視して汚れた洋服を両手に抱えて歩く。コインランドリーにつくまでは恋愛ソングのヒロインにでもなったかののようだ。皆が羨ましがるような、いいねがたくさんつくような映えた恋愛をしたいわけではない。ただ普通の日々を昨日よりもどうにか楽しく過ごしていたいだけ。

好きだとか愛してるとか誰かが用意した言葉を投げられても、ちっとも嬉しくなかった。そんなありきたりな言葉で表せられるような気持ちならいらないと思った。興味のない人に追いかけられるのは気持ち悪いし、追いかけるのも疲れる。人間は恋と革命の為に生まれてきたとはよく言ったものだ。生まれてきてしまえば一度や二度は狂わされる。ただ、その矢先が自分であれば耐えられる気がしない。結局真っ最中の人には何を言っても無駄。他人の恋愛はゾッとして見てられない。


プレイリストを人に見せる程恥ずかしい事はないと。好きな曲とか趣味とか人は平気で聞いてくる。私は20年近くかけて私だけで私を創ってきたわけで好きな曲や音楽だって私の一部だから。私だけで創りあげたものを第三者に触れさせる事が怖い。壊れてしまいそうなくらい繊細で弱いからだ。


でも昔から言葉が好きで、自分から出る自分だけの言葉の流れとか響きとか形が大好きだ。うまいとか下手とかじゃなくて何をする瞬間よりも無我夢中で書いた文を読み返す時間が人生で一番気持ちのいい時間だ。でもたぶん下手じゃない。それを自分のモノだけに留めるのがもはやもったいないとまで思った。


だから誰が見るかもわからない場所にコレを書いている。第三者に触れられても私の書く言葉だけは絶対に壊れないし、何を思われても怖くない。誰か一人でも気持ちよくなればいい。




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