人類の課題図書はこれだ!
『愛するということ』(著者:エーリッヒ・フロム 訳者:鈴木昌 2021年 紀伊国屋書店)
≪この本を手に取った理由≫
この本を手に取った時、少しだけ恥ずかしかった。「愛」という言葉はどこが照れくさくて、臭いセリフのように思えるからだ。それは私が単にまだ子供だからかもしれないが。
端的にいうと、ドイツの哲学者フロムの言葉を今の時代にわかりやすく教えてくれる一冊。一回読んだだけでは全てを理解するのは難しいが、「愛」とは何かを考えさせられる。
私は職業柄、応援される立場、すなわち誰かの愛を少なからず受けてきた。もちろん家族や友人にもだ。「愛される」のではなく「愛する」という言葉がどこか新鮮で思わず手に取った。愛されメイクや、愛され女子といった言葉を目にする事はあるが、「愛する」という事にフォーカスをあてたものは極めて少ないと私は思った。そしてこの一冊から、「愛する」ヒントを得ようと手に取ったのだ。
≪愛について考える≫
人間は常に孤独から脱しようとしている。そしてその孤独を脱する一つの手段として愛が用いられるのではないだろうか。孤独から抜け出す事は人類にとって一生の課題であると、この本は冒頭で伝えている。確かに、私たちは常に何かと接点を持ち、コミュニティに属している。方法は人それぞれではあるが、私たちはこの不安定な世界に置かれた以上、孤独から起こりうる恐怖から逃れる事はできない。
=世界が不安定になればなるほど、人は何かにしがみつき求める。これはあたりまえの事である。その対象は信仰や集団、またはアニメやアイドルなど様々なジャンルにわたるだろう。
また、愛には様々な種類がある。これらすべての愛について一気に思考を巡らす事は体力が必要とされる。徐々に自分の関心のある愛について一つずつ学んでいくのが最善だ。私は、家族や友人に対する愛ではなく、異性や推しに対する愛などについて、これから考えていく事とした。それについてはまた今後書いていこうと思う。
≪愛するとは≫
よく「愛」と勘違いしやすいものが「利己主義」である。自分が誰かを愛している途中に自分の欲や、自分の利益を優先してしまう事がある。無償の愛など存在しないのかもしれない。
ここで「愛する」という事にも、自然と生じる感情だけではなく訓練や技術が必要なのだと考える。
人間だれしも、愛されたいという欲はあるが、愛したいという欲にかられる事は前者に比べて少ないように感じる。
そこでこの本から学んだことを一つ共有する。それは「愛する」とは理論+学ぶ姿勢(行動)+それに伴う関心の強さ。要するに、まずは愛について理論的に学ぶ。そして、何かを愛する行動を起こす。最後にどれだけ「愛」に対して関心を持てるかだ。何かを本気で愛そうと思った時に、これらの言葉を思い出してほしい。「愛」なんて生産性がなく、幻想だなんて思っているならば、その考えを私は否定する。私たちは、動物の世界を超越して人間という生物に生まれた以上は、「愛」が生じる様々な問題に向かい合わなければならないのだ。
女の子は愛される方がきれいになれるし、幸せになれるとよく言われる。しかし、それは間違っていると思う。人を愛した時に、愛される事に対しての本当の意味を見出せる事ができるし、人を愛せない人が、本当に愛されるべき人に愛される事は難しい。
愛を知る事は、絶対に今後の人生をより充実したものに変えてくれる。この記事にたどり着いてくれた人が、少しでも愛について関心を持ってくれる事を願う。
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