【ロジカル・エッセイ術】海外名門大学、合格者が実践している「SVDフレームワーク」とは?
こんにちはPolymathのイトクです。私は高校を卒業と同時に神奈川の実家を飛び出し、18年前にアメリカにやってきました。コロンビア大学のデータサイエンス大学院を卒業して今はニュヨークのAmazonで働きながら、皆さんの理系留学をサポートさせて頂いています。
前回の記事では、留学のためのエッセイの作成が意外とシンプルであることをシェアしました。多くの人はエッセイ作成を複雑に捉えがちですが、実際にアドミッションが知りたいと願っているのは「あなたが我が大学にどのように貢献できるのか?」という1点です。Statement of PurposeやPersonal Statementといった形式が存在しますが、その根底にあるのは「あなたの貢献」に関する内容です。
今日は、アドミッションの視点からエッセイの分析を深めていきたいと思います。トップ校への合格に導くエッセイには、ある一定のフレームワークや雛形が存在します。もちろん、それをベースに自身の経験や背景に合わせてカスタマイズすることが不可欠ですが、基本的なスタート地点は共通しています。そのため、エッセイが高く評価されるためには、アドミッションがどのような基準でエッセイを評価しているのかを把握することがキーとなります。
エッセイはどの様に審査されるのか?
アメリカの大学は、アドミッション・コミッティーという専門の委員会を設けて、この委員会がチームで候補者の選考を行います。各委員は、以下の3つの視点からエッセイを評価します。
What did you do? (これまで何をしましたか?)
What do you want to do?(これから何をしたいですか?)
What makes you unique?(あなたのユニークな点は何ですか?)
ハーバードやスタンフォード、マサチューセッツ工科大学などのトップスクールも、これら3つの質問を基にエッセイを評価しています。したがって、これらの質問への明確な回答をエッセイに織り込むことで、より高い評価を受ける可能性が高まります。そして、これらの基準は全米の大学で共通なので、このポイントさえ押さえていれば一つのエッセイを複数の大学で使用する際のアレンジも簡単です。
MBAや一部の文系学部では「これから何をしたいですか?」という点を重視する学校も多いですが、理系学部においては、十分な理系の基礎学力が授業についていくために一番大切です。そのため、「これまで何をしましたか?」という質問に対し、自身の専門知識や数学能力、プログラミングスキルなどを明確に示すことが求められます。
SVDフレームワークとは?
上記の3つの質問への最も効果的な応答策として、SVDフレームワークという独自のエッセイ戦略を紹介します。このフレームワークは、Skill、Vision、Diversityの頭文字を基に名付けられ、その精緻さと効果性から業界内でも高い評価を受けています。SVDフレームワークは、アドミッションへのアプローチにおける「必勝のカギ」とも言えるもので、これを習得し適用することで、自身の魅力を最大限に引き出すことができます。実際、多くのトップ校の合格者がこのフレームワークを活用しています。その効果の背景を理解し、SVDフレームワークの詳細を深く探ることで、エッセイ作成の際の成功を大いに高めることができるでしょう。まずはSVDフレームワークの概念をしっかりと理解しましょう。
エッセイはあくまでも「私はあなたの大学に貢献できる」というところから始まります。これが、エッセイを通して伝えるべきメッセージです。この説明を3つのセクションに分けて説明していきます。
1つ目は(Skill)私にはスキルがあります。
2つ目は(Vision)私には目標があります。
3つ目は(Diversity)私は多様性を促進することができます
となります。
SVDのフレームワークをマスターすれば、エッセイのストーリーを構築するのは簡単です。 さらにSVDフレームワークはエッセイだけではなく、推薦状、面接にも役に立ちます。推薦状は第三者目線からSkill部分に注目して書くと良いでしょう。
では実際にSVDフレームワークを用いて、アドミッションの審査項目に当てはめてみましょう。
エッセイの構成
SVDフレームワークを理解したところで、それをエッセイに落とし込んでみましょう。エッセイは、以下のように5つの段落から構成すると良いでしょう。最終的には5段落以上になることが理想ですが、最初の原稿を書く際はこの基本的な構成から始めましょう。
【1段落】イントロ
トップ校には何百、何千とエッセイが届きますが、アドミッションは全てを読むわけではありません。そのため、エッセイのイントロでは、読み手の注意を引きつけ、このエッセイを読み続けたいと思わせることが大切です。最初の数文は、高度な学位を取得しようとする動機につながるものである必要があります。
【2段落】What did you do?
第2段落は自分のスキルや実績を説明するセクションです。ここはSVDフレームワークの(Skill)スキルにあたります。単に経験や実績を羅列するのではなく、そこで学んだスキルを示しましょう。経験と違い、スキルは具体的で移転可能であり、あなたが大学に何をもたらすのかを直接的に示します。しかし、単にスキルを列挙しただけでは良いエッセイにはなりません。そこにある背景、あなたの動機、試行錯誤した経過、そして最終的な成果という一連のストーリを伝える必要があります。そしてトップ校に受かるためには、さらに一歩踏み込み、これらのスキルが学校にどのような利益をもたらすかを例を挙げて説明します。あくまでも示すべきは「あなたがその大学にどのように貢献できるのか?」であるという点を常に頭の中に置いておいて下さい。
【3段落】What do you want to do?
第3段落は在学中および卒業後の目標について述べる段落です。SVDフレームワークの(Vision)ビジョンにあたります。興味がある分野、そして大学院でそれをどのように学びたいかを述べます。自分の興味と一致する教授や研究分野があることを書きましょう。
【4段落】What makes you unique?
第4段落はあなたがユニークであることを示す段落です。SVDフレームワークの(Diversity)ダイバーシティにあたります。海外大学のアドミッションは多様性を非常に重要視し、様々なバックグラウンドを持つ学生を受け入れたいと考えています。特にアメリカの大学では、この傾向が顕著です。大学側もイノベーション起こし、競争力を高めるにはダイバーシティが重要と考えるからです。そのためにアドミッションはあなたの願書や資料を「総合的」に審査するのです。言い換えると、アドミッションは学校の多様性に貢献し、教室で独自の視点を提供できる、ユニークな経験を持つ候補者を、何千通と届くエッセイの中から意図的に発掘するいうことです。
例えば、他の候補者とは異なるバックグラウンド出身であること、人生の厳しい状況に直面したことがあること、変わった趣味を持っていることなどが、ここで述べるべきことです。前の段落の情報を繰り返すことは避け、他の候補者とは何が違うのかを記述するようにしましょう。
【5段落】結論
最後に、自分の長所や資質をまとめ、プログラムに対する熱意を伝えます。このとき、冒頭の志望動機につながるようにしましょう。
まとめ
今日は大学が求める「あなたが我が大学にどのように貢献できるのか?」という質問に対する答え方として、極めて効果的な「SVDフレームワーク」についてご紹介し、それを具体的なエッセイへの応用までを解説しました。このフレームワークを基盤に、皆さんの独自の経験や背景を織り込むことが、確かなエッセイの第一歩となります。アドミッションの評価基準を正確に把握し、その基準から逆算をして、各項目に対応するエピソードの構築を戦略的に進めることが、トップ校進学の鍵となります。
エッセイ執筆中、適切なスタート地点や途中の方向性に迷うこともあるでしょう。「これで本当に良いのだろうか?」という不安は多くの方が共有するものです。その際、第三者の専門的な視点やアドバイスは非常に有効となります。Polymathでは、単独のアドバイザーだけでなく、専門家チームが一丸となってサポートを提供します。これにより、多角的かつ深い専門知識を活かして、あなたの合格率を最大化するサポートが可能です。アドバイザーは米国の第一線で働くGAFAM、外資投資銀行のエンジニア、現役のCS大学院生など、その分野で実績のあるプロフェッショナルです。特に、コンピューターサイエンスやデータサイエンスの知識は豊富で、これまでに多くの理系留学生のサポート経験があります。もしエッセイ執筆に関するアドバイスや支援が必要な場合、お気軽にPolymathにご相談ください。皆さんと共に、卓越したエッセイを完成させ、留学の成功へと導きます。
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