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エッセイはとつぜんに

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つれづれなるままに、ひぐらし、ではないが、ときたまPCにむかひて。役には立ちませんが、何の変哲もない日常を楽しめるようにはなるかもね。
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#親子

3歳になった君へ

3歳になった君へ

気づけば1月が終わり、2月も半ばを過ぎてしまった。

目の前のものごとに追われて、ああもう今年は書かなくてもいいかなと少し、思ってしまってもいた。

でも1年前に書いた「2歳になった君へ」を読み返していたら、やっぱり何かを書いておきたいと思ったんだ。ちょっと、間に合わなかったけど。

いま、3歳になりたての君のことを、ここに記すね。この1年で君がどんなに大きく成長したか、どんなに頼もしくなったか、

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ちいさなせなか

ちいさなせなか

ここのところ、2歳の娘がわたしの布団にもぐりこんでくることが増えた。

……と書くとほほえましいが、実際はまだ加減を知らない娘のこと。「ごっ」という鈍いひびきとともに、わたしのあごにタックルを決めてくる。母の胸もとやあごにアタックを繰り返しながら、ぐるぐると回転し、自分の心地よいポジションを探しているようだ。

昨夜も、最初は自分の布団にうつぶせに横になっていたのだけれど、眠れないのか結局のそりと

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ノスタルジアは突然に

ノスタルジアは突然に

夕方、洗濯物をたたんでいてふと目をとめた。

お弁当をつつむ用の、ちょっと厚手で大きめのハンカチ。ライオンにゾウにトラにと、色とりどりの動物キャラクターたちが、野球のユニフォームをまとって可愛らしくプリントされている。

それは昨年実家に帰ったとき、帰りの飛行機で食べるためのおにぎりを、母がつつんでくれたものだった。ちょうど動物をゆびさして喜ぶようになった孫娘のために、動物がたくさんプリントされて

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じいじは意外とロマンチスト

じいじは意外とロマンチスト

突然父がいなくなったと思ったら、庭の物置きの奥をガサゴソやって、小さなクリスマスツリーをひっぱりだしてきたらしい。

ちょっとお父さんそんな、ほこりかぶってそうなもの。いま孫ちゃんはお咳こんこんしているのに、ととがめる母。

孫の笑顔が見たい一心の父と、孫の健康を案じるあまり怒る母。

どちらも孫が大好きすぎるがゆえに生まれる、日々の小さな言い争いは、愛しくさえある。

* * *

娘の体調が悪

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母からの宅配便

昨日は夫の誕生日だった。

慣れないメニュー作りにわたしが台所で四苦八苦していると、ピンポーンとチャイムがなって、荷物が届いた。わたしの実家の母から。

おそらく誕生日に間に合うようにと、前日指定で届けられた宅配便。その日は不在で受けとれずに、再配達で当日に受けとったのだ。

夫へのプレゼントにと送られてきたのは、コーヒーミル。

箱を開ける前から伝票の表示を見て「おぉー、ナイスセレクトだよ」と言

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いやいや期、でカテゴライズしすぎずにGo.

いやいや期、でカテゴライズしすぎずにGo.

朝、娘が保育園に行くのをいやだと主張する日がちょこちょこと出てきた。

少し前までは、「保育園行く?」と声をかけると、自らリュックを引きずってきて、ふんふんしながら、玄関へよちよち歩いていっていたのになあ。

* * *

ある日の朝も「保育園行く?」と聞いたら、首をブンブンと横にふって「いや」を主張していた。

私は、前日に先生から聞いた「園でのようす」を引用しながら、「楽しさ思い出し作戦」で交

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ごくろうさまの流儀

ごくろうさまの流儀

娘の歯ブラシは消耗がはげしい。

「ほらあ、カジカジしないの〜。シャカシャカするんだよ〜!」

大人の価値観でいくら言ったところでまあ、それはそれはかじりたいお年頃なのだ。

大人が歯みがきをする様子を見せたり、いっしょに歯ブラシを持ってシャカシャカさせたりして、一時はその真似をしてくれたりもするのだが、気づけばもう、ガシッガシッ!と力強くかじっている。

はあ、とため息をつきながら、まあでも、彼

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みかん好きの血筋

みかん好きの血筋

娘はみかんの皮をむくのが上手になってきた。

はじめの一歩というか、むきはじめを親が爪を入れて「むきっ」としてやれば、その後はその僅かな段差を手がかりに、小さな手でうんしょうんしょと、一生懸命向き合ってとりくんでいる。

時間をかけて、きれいにまん丸の果実が取り出せることもあれば、たいていはそこまで待ちきれずに、ちょっとむいて取り出せた部分をぱくっ、と薄皮ごと食べている。

ちなみに食べる前には、

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「保育園行かせるのかわいそう」談義に思う、二項対立のモヤモヤ。

「保育園行かせるのかわいそう」談義に思う、二項対立のモヤモヤ。

twitterでよく、「小さいうちから保育園行かせるなんてかわいそう」「全然かわいそうじゃないよ、かわいそうって思うなんて前時代的」みたいな二項対立みたいになっているのをみかけるのだけれど、そのたびにモヤっとした違和感をいだく。

なんだろうね。

べつにどっちだっていいんだよ、大切なのはその親御さんが、ちゃんと自己肯定できていることで、自分を責めて苦しくならないことで、そのためにはどちらでも、信

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映画『マンマ・ミーア!』の続編にむせび泣いた。大好きだ。

映画『マンマ・ミーア!』の続編にむせび泣いた。大好きだ。

もしあなたが、10年ほど前にほぼリアルタイムで映画『マンマ・ミーア!』を観たことがあって、それを好きだった記憶があるなら、あなたは、絶対に今上映中の続編『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』を見に行かなければならない。絶対にだ。

このnoteが開かれなくても、それだけは伝えたいので冒頭に書いた。

あなたが上記に該当するなら、別にこのnoteなんて読まなくてもいいから、いますぐチケットを買って

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小学4年生の彼女に、もうすでにかなわないと自覚した。

小学4年生の彼女に、もうすでにかなわないと自覚した。

先週、noteの「エッセイ」タグをなんとなく眺めていて、衝撃の出会いをした。

倉本莉亜@小学生小説家さん。

正直、最初はかるい気持ちで目をとめた。なになに、小学4年生?小学生小説家ってまた、よくある、名前だけキャッチーにしましたみたいな感じじゃないの〜(←何様)。そう思いつつ、でも気になって、彼女の投稿をひらいた。

最初に出会ったのは、「twitter、つくれなかった。」という投稿。13歳以

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