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坂の上のつくも|epSS「アナタニサマ」|ショートショート|
それは雪の降る寒さの厳しい夜のことでした。
一人の青年が、仕事を終えた帰り道を急いでいると、薄暗い路地に子供が立っているのを見つけました。
―――こんな時間にどうしたんだろう。
迷子なのか、家出なのか…。
心配した青年は、子供に声をかけました。
「きみ、どうしたの?家の人が心配してないかい?」
子供は、青年を見上げて言いました。
「…あなたに」
その手には、一冊の本が。
坂の上のつくも|ep11 「高嶺の花」〜時計とランプの恋物語〜|1話完結
episode 高嶺の花 「時計の恋心」
「たける~、大変だよ~」
勢いよく開けられたドアの音に驚いた尊が玄関につく前に、散り始めた紅葉を体にくっつけたテンとスイは、勢いのままに室内に上がり込み、スハラもいるだろう居間へ駆け込んだ。
「あのね、我ら、依頼持ってきたの!すごいことが分かったの!」
深刻そうな様子のテンに、スイがつけたす。
「ガラス屋さんに行ったら、依頼されたんだ。尊
坂の上のつくも|ep9「囚われの君へ」|第1部完
episode9 囚われの君へ「泥人形を放つモノ」
次の日、スハラとオルガは、カトリック富岡教会のドアの前にいた。
尊やサワも誘ったけれど、尊はスイと、サワはテンと見回りに行ってしまった。見回りは必要だけど、今日は一緒に来てくれたほうが心強かったかもしれない。
いや、弱音は言っていられない。
オルガが教会のドアをノックする。
「リク?いる?」
返事はない。何度か繰り返すが、ド
坂の上のつくも|ep8「諦めと決意」
episode8 諦めと決意「友の異変」
1週間の見回り期間が終わって、俺たちは、情報共有のために旧岩永時計店に集まった。
まず、スハラとミズハの報告から始まる。
泥人形との遭遇はあったけれど、ほかに大きな異変はなかったこと。まちの人々は不安があるようだけれど、混乱はないこと。
サワさんとテンの報告も似たようなもので、泥人形との遭遇以外に大きな混乱はないとのことだった。
それは、俺とスイ
坂の上のつくも|ep6「水の衣」
にゃあ。
毎週行われる猫の集会。今日集まったのは10匹ほどだ。
その中で、ひときわ目を引く一匹の猫。特段大きいわけでもなく、小さいわけでもなく。ただ、ある種のオーラを放つ三毛柄のその猫は、金色の眼を細めてあくびをしながら、ほかの猫の報告を聞いていた。
「何だい、噂話って」
今日3番目に報告をしていたサバトラの話を突然遮って口をはさんだその金眼は、2本の尻尾をゆっくりとくゆらせながら、今
坂の上のつくも|簡単キャラ紹介|あらすじ|おすすめのお話✨
皆さまいつもありがとうございます。
おかげさまでnoteでの小説「坂の上のつくも」が1,000 7,000ビューを超えることができました🎉
そこで、小説を読むためによりイメージしやすいように、簡単ではございますが、「坂の上のつくも」の登場人物を紹介する簡単な表を作りましたので、ぜひご覧ください!👩👩👦👦
【簡単キャラ紹介】
【簡単なあらすじ】
小説「坂の上のつくも」は、北海