やっくる(otrk)

◆歴史的建造物の付喪神と人間が織りなす物語「坂の上のつくも」を連載中 ◆詳細はHPにて…

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◆歴史的建造物の付喪神と人間が織りなす物語「坂の上のつくも」を連載中 ◆詳細はHPにて→https://otrekikengijipro.wixsite.com/website

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「坂の上のつくも」/目次/簡単キャラ紹介/あらすじ

皆さまいつもありがとうございます。 おかげさまでnoteでの小説「坂の上のつくも」が1,0004,000ビューを超えることができました🎉 そこで、小説を読むためによりイメージしやすいように、簡単ではございますが、「坂の上のつくも」の登場人物を紹介する簡単な表を作りましたので、ぜひご覧ください!👩‍👩‍👦‍👦 【目次】 ・第1部 ep1「鈴の行方」 ep2「星に願いを」 ep3「スカイ・ハイ」 ep4「歪んだココロ」 ep5「ねじれたモノ」 ep6「水の衣」 ep7「嵐の

    • ショートショート|小説|坂の上のつくも epSS「雪あかりの路2023」

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      • 第2部始まり|小説|坂の上のつくも ep1「北のウォール街のレストラン」

        episode1 北のウォール街のレストラン「銀行の付喪神」   旧北海道銀行本店。  銀行特有の重厚さを持って設計された建物は、当時の北海道銀行が吸収合併されてからは、国の北海海運局として使われたあと、北海道を網羅するバス会社の本社として使われていたが、今はお洒落なレストラン―小樽バイン―として、まちの人々に親しまれている。    俺とスハラは、オルガとサワさん、ミズハ、スイ・テンを連れて、ランチタイムの小樽バインを訪れていた。  目の前には、すでに前菜として頼んだいくつ

        • 第1部完|小説|坂の上のつくも ep9「囚われの君へ」

          episode9 囚われの君へ「泥人形を放つモノ」   次の日、スハラとオルガは、カトリック富岡教会のドアの前にいた。  尊やサワも誘ったけれど、尊はスイと、サワはテンと見回りに行ってしまった。見回りは必要だけど、今日は一緒に来てくれたほうが心強かったかもしれない。  いや、弱音は言っていられない。  オルガが教会のドアをノックする。 「リク?いる?」  返事はない。何度か繰り返すが、ドアをノックする音だけが辺りに響く。 「いないのかな?」  とりあえず入ってみよう

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        「坂の上のつくも」/目次/簡単キャラ紹介/あらすじ

          |小説|坂の上のつくも ep8「諦めと決意」

          episode8 諦めと決意「友の異変」 1週間の見回り期間が終わって、俺たちは、情報共有のために旧岩永時計店に集まった。 まず、スハラとミズハの報告から始まる。 泥人形との遭遇はあったけれど、ほかに大きな異変はなかったこと。まちの人々は不安があるようだけれど、混乱はないこと。 サワさんとテンの報告も似たようなもので、泥人形との遭遇以外に大きな混乱はないとのことだった。 それは、俺とスイも同じで、特に目立った報告はない。 「泥人形に依り代がある限り、誰か操っている人

          |小説|坂の上のつくも ep8「諦めと決意」

          |小説|坂の上のつくも ep7「嵐の前の静けさ」

          episode7 嵐の前の静けさ「幼馴染の付喪神①」  スハラとミズハ。  建物の所在地自体とても近く、古くから親交のあった2人は、性格は真逆に見えるけど、ずっと仲が良かった。  天然でマイペースの私を、ほどよく引っ張っていくスハラ。  普段はかなりの確率でテン・スイとのセットとして見られるけれど、それは飼い主的立ち位置であって、友だちという見方をするなら、多分スハラが一番距離が近いと感じていた。  だから、今回の見回りの組み合わせを聞いたとき、スハラと一緒だということで、

          |小説|坂の上のつくも ep7「嵐の前の静けさ」

          ショートショート|小説|坂の上のつくも epSS「消防犬ぶん公」

          昭和の初めころに小樽の消防本部で飼われ、 一緒にポンプ車に乗り込み大活躍していた犬 「ぶん公」をご存知でしょうか? 今は銅像となった「ぶん公」と、 それに憧れた「水天宮の狛犬テン」のお話。 短いお話ですので、ぜひ見てみてください! 🐶🐶🐶🐶🐶🐶🐶🐶🐶🐶🐶🐶

          ショートショート|小説|坂の上のつくも epSS「消防犬ぶん公」

          |小説|坂の上のつくも ep6「水の衣」

           にゃあ。  毎週行われる猫の集会。今日集まったのは10匹ほどだ。  その中で、ひときわ目を引く一匹の猫。特段大きいわけでもなく、小さいわけでもなく。ただ、ある種のオーラを放つ三毛柄のその猫は、金色の眼を細めてあくびをしながら、ほかの猫の報告を聞いていた。 「何だい、噂話って」  今日3番目に報告をしていたサバトラの話を突然遮って口をはさんだその金眼は、2本の尻尾をゆっくりとくゆらせながら、今、猫の間で広まっているという話について問い質した。 「龍宮閣に何か見知らぬ者が

          |小説|坂の上のつくも ep6「水の衣」

          ショートショート|小説|坂の上のつくも epSS「雪あかり」

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          ショートショート|小説|坂の上のつくも epSS「雪あかり」

          |小説|坂の上のつくも ep5「ねじれたモノ」

          episode5 ねじれたモノ「実害」  事件が動いたのは、3日後のことだった。 「尊!スハラ!大変!!ミズハが!!!」  見たことのない勢いで便利屋事務所に飛び込んできたスイは、砂ぼこりで茶色くなっていた。  そのただならぬ様子に、スハラがすぐに反応する。 「どうしたの?テンは一緒じゃないの?」  そう言いながら、もうすでにブーツを履き終えたスハラは、玄関を出ようとしていた。  俺は慌ててあとへ続く。急いだせいで、かかとをつぶしたまま履いた靴は歩きにくい。 「テ

          |小説|坂の上のつくも ep5「ねじれたモノ」

          |小説|坂の上のつくも ep4「歪んだココロ」

           人の悪意なんて、その辺に転がってるもんだろ?  誰がいつ、それにさらされるかなんてわかったもんじゃない。  今の時代、物理的な暴力なんかより、理不尽な言葉に傷つけられることのほうが、きっとたくさんある。  その傷がなかなか癒えないとしても、無理に治そうとする必要はないんじゃないかな。  ただ、その傷を認めてやる強さが君自身にあれば、それをひっくるめて君を認めてくれる人たちがきっと現れる。  だから、思うように生きてみればいいと思うんだ。 episode4 歪んだココロ「異

          |小説|坂の上のつくも ep4「歪んだココロ」

          |小説|坂の上のつくも ep3「スカイ・ハイ」

           自分らしさって何だと思う?  そんなこと考えなくても、自分は自分だし、他人は他人だ。  迷っても、悩んでも。誰かから何かを言われても、君はほかの人にはなれないし、もちろん、俺だって俺のままだ。  例え、誰かを羨むことがあっても、君自身を蔑む必要はない。  それは、自分自身に自信を、誇りを持っていいってことなんだよ。 episode3 スカイ・ハイ「ミル・マスカラス」  カトリック富岡教会。  ゴシック建築の八角堂鐘楼のある聖堂。  ステンドグラスのはめ込まれた窓は、陽の光

          |小説|坂の上のつくも ep3「スカイ・ハイ」

          |小説|坂の上のつくも ep2「星に願いを」

           君には、「大切にしているモノ」って何かあるかな?  ミニカーとか人形のような小さいころから持っているおもちゃだったり、腕時計とかアクセサリーみたいな身につけるものだったり、車とか家が大切だっていう人もいるよな。  いや、モノに限らず、家族や友人ってのもあるよな。  きっと誰にでも、そういう何か大切にしてるものがあると思うんだ。  でも、それはいつまであるかわからない。失くしてから、その大切さに気付くことだってあると思う。  だから、今あるそれらは、きっと大切にしたほうがいい

          |小説|坂の上のつくも ep2「星に願いを」

          |小説|坂の上のつくも ep1「鈴の行方」

           付喪神って見たことある?  この世界には、いないなんて思ってたかな?  残念。俺の世界では普通にいるんだ。  長年大事にされた物は命を得る。茶碗や花瓶のような物から、建物だって例外ではない。  もちろん、建物そのものが歩き出したら、街が壊れて大変なことになる。だから、大きなものは人や動物の形を借りて、歩き出すんだ。  この街には、そんな命を持ったモノたちが昔からたくさんいる。 これは、そんなモノたちと、人間の物語―――。 episode1 鈴の行方 「付喪神と便利屋」

          |小説|坂の上のつくも ep1「鈴の行方」