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|小説|坂の上のつくも ep8「諦めと決意」


episode8 諦めと決意「友の異変」

1週間の見回り期間が終わって、俺たちは、情報共有のために旧岩永時計店に集まった。

まず、スハラとミズハの報告から始まる。
泥人形との遭遇はあったけれど、ほかに大きな異変はなかったこと。まちの人々は不安があるようだけれど、混乱はないこと。

サワさんとテンの報告も似たようなもので、泥人形との遭遇以外に大きな混乱はないとのことだった。
それは、俺とスイも同じで、特に目立った報告はない。

「泥人形に依り代がある限り、誰か操っている人がいると思うんだけど…心当たりある?」 

 全員からの報告が終わった後、スハラがみんなに向かって言う。だけど、そんな心当たりのある人は誰もいない。
黙っていると、オルガが口を開いた。

「犯人かどうかはわからないけれど、風に乗って悲しい声が聞こえてくることはあったわ」

 悲しい声って?とミズハが聞く。

「誰かはわからないけれど、風が強い日に微かに誰かを呼ぶような、助けを求めるような声が聞こえていたように思うの。だけど、泥人形との関係はわからないわ」

 そもそも見回りから外れて、泥人形に遭ったことのないオルガには、その悲しい声と泥人形に関係があるかどうかなんて全く判断できないだろう。
だけど、オルガにだけ届いたというその声が一体誰のものなのか気になる。それは、スハラも同じだったらしい。

「その声、どっちから来たかわかる?」

 スハラに問われてオルガは束の間考える。

「この辺りって、風が建物にぶつかるでしょう?それで方向が変わってしまうから…ごめんなさい、特定はできないわ」

 申し訳なさそうにするオルガ。
 隣では、サワさんがスハラに鋭い目を向けているが、スハラは全く気にしない。

「全然謝ることじゃないわ。だけどオルガ、悪いけど、もしまたその声が聞こえてきたら、どっちから声が流れてきているか探してみてくれない?」

 どこから聞こえてくるのかもわからない声の主。だけど、唯一の手掛かりになるかもしれない。

「オルガにはその声の主を探してもらうとして、私たちは見回りを続けましょう。泥人形、予想以上に現れてるし、みんなお願いね」

 明日からも見回りは続く。気を付けてねというスハラに、みんなは頷いた。

 数日後、みんなが見回りを続ける中、スハラは、時間を見つけてカトリック富岡教会を訪れた。
 ここに来たのは1か月ぶりだろうか。
 久しぶりにきたせいか、昼の太陽に照らされてきらきらと光るステンドグラスの輝きが目に刺さるような気がする。

「リク、いる?」

 扉を開けて中に入る。しんと静まり返った聖堂は、ステンドグラス越しの光によって、さまざまに彩られていた。

「リク!いないの?」

 再び声をかけるが、返答はない。というか誰かがいる気配もない。スハラは軽くため息をついた。
 今日、ここを訪れたのは、先週会ったリクの様子がおかしかったから。これまであんなに暗い、冷たい目をしたリクは見たことがなかった。あれはきっとよほどのことがあったんだろうし、もし力になれるなら、なってあげたい。
 スハラは、教会の2階へとあがる。

「リクー、いるー?」

 教会に、リクを呼ぶスハラの声だけが響く。
 2階にもいないなら、今日は会えないか。
 スハラは諦めて帰ろうと玄関へ向かう。すると、ちょうど帰って来たリクと鉢合わせて少し驚いてしまった。

「あっ、リク、帰って来たんだ」
「…スハラ、何か用事?」

 スハラがいたことに一瞬驚いたようなリクだったが、すぐに表情を失くし、冷たい目でスハラを見返す。

「何じゃないよ、この間からそんな怖い顔して。何かあったの?」

 すっと視線を外し、そっぽを向いたリクは、スハラをすり抜けて教会の中へ入っていく。

「ちょっとリク、待ってよ」

 スハラが声をかけても、リクは振り返らない。

「これでも心配してきたんだよ。もし何か悩みがあるなら、話してみてよ。何とかできるかもしれないよ」
「…話すことなんて何もないよ。僕のことは放っておいて」

 背中を向けたままのリクの声は、これ以上何を言われても無駄だというように温度が低く、スハラを拒絶していた。
 さすがにスハラもそれを感じ取る。

「わかったよ。だけど、ミズハがあんたの様子見て心配してた。私も心配してる。だから、もし私たちに協力できるようなことがあったら言って。いつでも手を貸すから」

スハラに背中を向けたまま返事すらしないリク。
スハラは少し寂しく思いながら、教会を後にした。
 教会の扉が閉まる。リクはやっと振り向くと、スハラがいた場所を冷たい目で睨みつけた。


episode8 諦めと決意「悲しい歌声」

 スハラが見回りに行った今日、俺は、事務所で留守番をすることになった。
 最近は、俺たちがまちの見回りをしていることを、まちの人たちもみんな知ってるから、便利屋への依頼はほとんどない。
 よって、留守番と言っても電話も来客もないに等しい。だけど、全く誰も来ないかと言えば、そうとも言い切れない。
 だからなるべく、見回りの際にはスハラと交代で事務所にいるようにしていた。
 テレビからは、南小樽駅のホームから見える桜が見ごろだというニュースが流れる。今年ももう5月。北海道では桜の季節だ。

 俺は外を眺める。
 窓ガラス越しの空の澄んだ青が、これから来る夏の暑さを思わせる。

———この事件は解決するのだろうか。

 俺は、ふと考え込んでしまう。
 異形の泥人形がまちをうろつくようになってから、何週間も経っていない。
 まだ始まったばかりとも言える今回の事件は、どういう形で終わるのか。
 犯人からの犯行声明でもあれば事態はもっと違うのだろうけれど、そんなものはない。だから、犯人も目的も何もわからない。
ただ、まちを見回る中で、泥人形に遭遇すれば祓うし、人々からSOSがあれば祓いに出向く。

 泥人形には、俺も何度か遭遇した。そのたびに感じたのは、空っぽの悪意。
泥人形そのものからは、明確な意思や意図は読み取れない。
ただ、中身のない悪意だけが漂っているようで、対面すると言いようのない寒気がしてくる。
それは俺だけでなくスハラ達も同じようで、泥人形の明確な意図や目的が読み取れないから、今できることはただ単に現れたそれらを祓うだけで、事態は一向に変わらない。

「何が起きてるんだろうな…」

 つぶやいてみると、形のなかった不安が、急に現実感を伴って肩にのしかかってくるような気になる。
 俺の独り言に、足元で伸びていた猫―レンが、にゃあと返事をする。
 その頭をなでてやると、レンは気持ちよさそうに目を細めた。

「レンは何か知らないか?猫の集会で話聞いたりさ」

俺はレンに話しかけるが、当然のごとく、にゃあという返事しか返ってこない。

「何か知ってたら教えてよ」

レンは、興味ないと言わんばかりにあくびを一つすると、陽の当たる窓際へ行ってしまった。

 カトリック富岡教会を後にしたスハラは、その足で旧岩永時計店へ向かう。
 今日はもともとミズハと見回りに行くつもりだった。
 だけど、リクのことがどうしても気になってしまって、見回りの前に様子を見てこようと思ったのだ。
 本当はミズハと一緒に教会へ行くこともできた。
 だけど、リクが何か言いにくいことで悩んでいた場合、自分1人で行ったほうが、より話しやすいかもという考えで、ミズハには時計店で待っていてもらうことにしたのだ。

 でも結果は、1人で行っても2人で行っても変わらなかっただろう。
 リクの放つ拒絶感は、これまで感じたことがないものだった。
 もともと社交的なリクがあれほどまで頑なに拒むなんて、一体どれほどのことがあったのだろう。
 時計店の扉を開けると、途端に甘い香りが広がってくる。
 その香りのもとは、テーブルに置かれたオルガお手製のチョコチップクッキー。今日のテンの午後のおやつとして作られたのだろうクッキーは、これでもかというくらい山盛りになっていた。

「遅くなってごめんなさい」

 スハラはおいしそうな香りねと言って、お茶を飲んで落ち着いているオルガとミズハの座る、奥のテーブルへ近づく。

「サワたちは?」
「午後の散歩に出かけたわ」

 オルガは大量のクッキーを指差す。サワは、テンとともに、大量のおやつを持って午後の散歩という名の見回りに出かけた後だった。

「それは都合がいいかも」

 ぼそりとつぶやいたスハラの声をミズハは聞き逃さなかった。

「スハラ、どうかしたの?リクに何かあったの?」
「うん、ちょっと。オルガ、私もお茶もらっていい?」

 オルガが、スハラの前に紅茶を置いてくれる。スハラは一口飲んで、深呼吸してから話し出した。

「リクには会えたよ。だけど、結果としては全然ダメ。あんなにはっきり拒絶されるとは思わなかった」

 スハラは、教会でのリクとのやりとりを説明していく。ほんの数分間のできごとはあっという間に説明し終えるが、その数分で感じた、自分の知っているリクだとは思えないほどの冷たさをうまく伝えることができない。

「なんて言っていいかわからないんだけど、リクじゃない気がしたんだ」

 スハラの説明に、オルガは首をひねる。

「リクって、あの社交的なリクでしょう。そんなことってあるのかしら」
「なんでなのかは、全くわからない。だけど、本当にすごく冷たい目をしてたんだ」

 あの時、リクが見せたはっきりとした拒絶。リクの纏うオーラはもちろん、その眼の奥も凍り付いているようだった。

「じゃあ、この間会ったときにリクの様子が変だったのは、やっぱり気のせいじゃなかったのね」

 ミズハが、先週の見回りで会ったリクを思い出しながら、スハラに問う。

「うん、あのときの、あのままだと思う」

 オルガはまだ信じられないというように、不思議な顔をしているが、スハラだけでなくミズハまで、様子のおかしいリクを見ているなら、にわかには信じがたいけれどそうなのかもしれないと考え込む。
 リクに一体何があったのか。3人で考えても答えは出ない。重い沈黙が流れる。
 そんな中、ところで、とオルガが切り出した。

「スハラ、この間言ってた“声”なんだけど、」

 スハラが顔を上げて、オルガを見る。

「あれ、セイカかもしれない」

 スハラはもちろん、はっとして顔をあげたミズハまで、え?という顔をする。

「絶対とは言えないんだけど、風に混ざったあの悲しい感じは、セイカの声に似ている気がしたの」

 オルガとしても、あの声がセイカのものであるかどうか自信はない。だけど、風に溶けたあの悲しさは聴いたことがあった。
 いつか聴いたセイカの悲しい歌声。
 自由を求めるその切なさは、今回、風に乗って聴こえる声と似ていたように思う。

「最近、誰かセイカに会いに行った?」

 オルガに言われて、スハラもミズハも首を横に振る。

「キタの事件の前から、しばらく行ってないわ」

 この間しばらくはいろいろなことがあった。正直なところ、スハラだけでなくみんな、自分のことで手いっぱいだったと思う。

「セイカに会いに行かない?」

 ミズハの提案に、オルガがいいわねと賛同する。

「スハラ、見回りを兼ねて行きましょう?」

 そう言われても、スハラは、ミズハやオルガと違って、少し迷ってしまう。
セイカには、北海製罐第3倉庫取り壊しが延期になったすぐ後に一回会ったきりで、そのあとは会っていない。
そのときのセイカの、今にも泣きだしそうなのに無理して笑っていた顔が切なく思い出される。
それ以来、スハラはセイカに会うのがつらくて、行くのをためらってしまっていた。

「さて、じゃあ早速行きましょう」

 オルガは、スハラが返事をする前に、セイカへのお土産にと山となったクッキーをプレゼント用の紙袋に詰め始めた。

episode8 諦めと決意「友を訪ねて」

 北海製罐第3倉庫は、陽の光の中、堂々と建っていた。
 先陣を切って室内へ入っていくオルガ。その後ろにミズハ。スハラは、一番後ろをついていった。

「セイカ、いる?」

 オルガが一つの部屋をノックすると、中から小さく、どうぞ、という声が聞こえる。
 何のためらいもなくドアを開けて部屋へ入っていくオルガとミズハ。スハラはちょっとだけ覚悟を決めて部屋へ入った。
 見知ったその部屋は、依然と変わらない。変わっていたのは、部屋の主。

「みんな、久しぶりね」

 弱々しい声。表情のなくなった顔は、疲れと諦めの色が浮かんでいる。眼の光はかげり、白い肌は血の気を失っているかのようだ。
 美しく、はかなくも輝いていたセイカの姿は、もうそこにはない。
 スハラは、セイカの変わりように驚いてしまう。その驚きを、何とか表情には出さなかったものの、うまく言葉が出てこない。
 オルガとミズハも、一瞬驚いたような素振りを見せるが、スハラより早く立ち直って、平静を取り戻したようだ。

「セイカ、久しぶりね。あまり来られなくてごめんなさい」

 これお土産ねと、オルガがクッキーの入った紙袋を差し出すが、受け取るセイカの動きはぎこちない。

「ありがとう、オルガ。みんな元気にしてた?」
「そうね、私たちは大丈夫。それよりセイカ、あなたは大丈夫なの?」

 オルガは、セイカを自然に気遣う。

「ふふ、そうね。驚かせてしまったわね」

 セイカは、オルガに言いながらも、硬い表情をしたままのスハラを見る。

「大丈夫ではないけれど…まだ何とかなってるわ」

 セイカは無表情のまま、小さな弱々しい声で話す。
 北海製罐第3倉庫の取壊しは、1年「延期」されただけで、取り壊される可能性は消えていない。
 どんなにたくさんの人たちが建物の存続を望んでいたとしても、まだ「何も」決まっていない。
 その事実は、どれほどセイカを蝕んでいるのか。

「みんな、そんな悲しい顔をしないで。これはしょうがないことよ」

 どこか諦めたようなセイカの言い方に、オルガが静かに反論する。

「なんでそんなふうに言えるの?あなたはこのままでいいの?」
「いいとは思ってないわ。だけど、今の私にはどうにもできない。私だって、あなたたちやみんなを悲しませたいわけじゃない」

 消えてしまいたいわけじゃない。
狭い部屋の空間に溶けていく、セイカの小さな悲しい叫び。

「…やっぱり、あなただったのね」

 オルガの唐突な言葉を聞いて、セイカのかげった目に疑問の色が浮かぶ。

「気づいたのはつい最近だけど…」

オルガだけが気づいた、風が運ぶ悲しい、助けを求めるような声。
その声の主は、こんなに近くにいたのだ。
だけど当の本人は、オルガの言う意味がわからないと首をかしげる。

「あなたの声は聴こえてた。なのに、気づけなくてごめんなさい」

 オルガが、セイカを真っ直ぐに見る。

「私、今までも、あなたの力になりたいと思ってた。それはこれからも変わらない。だから、何かあったら言って。何ができるかわからないけれど、一緒に考えていくことはできるから」

 少しでいいから、頼ってほしい。自分一人では頼りないかもしれないけれど、セイカが独りで悩むようなことはしないでほしい。
 オルガは、セイカに真摯に向き合う。
それに比べてスハラは、どうしていいかわからないままだ。以前のセイカを知っていて、ずっと仲も良かったために、今、目の前の現実を受け入れられない。受け入れたくない。

―――そうか、受け入れたくないのか。

 スハラは、悲しい顔をしたセイカを見たくなかった。
 北海製罐第3倉庫の取壊しによって仲間を失うかもしれないことを考えたくなかった。
 だけど、それらから目を背けたところで、現実は変わらない。
 だったら、前を向いて、現実を受け止めよう。その上で何ができるか考えていけばいい。
自分は、独りじゃない。

「スハラ、どうしたの?」

 スハラの何かを考え込んだような雰囲気を感じて、ミズハが心配そうな顔を向ける。
 オルガとセイカも、大丈夫?と心配してくれるが、スハラは今心配されるべきは自分じゃないなと、ふっと笑ってしまう。

「ね、セイカ。私はさ、今までセイカにたくさん助けてもらったと思ってるよ。だから今度は、こっちが助ける番だと思う」

 スハラが言葉を切ってちらっと隣を見ると、ミズハと目が合う。ミズハは、微笑んでくれた。

「セイカ、これからどうしていけばいいか、一緒に考えたい。だから、私たちの前で無理はしないで」

 スハラの言葉に同調するように、オルガとミズハもセイカを見るが、セイカは俯いてしまう。
 そして、俯いたまま、思案気に口を開く。それは何か迷っているような、声にならない言葉。
 程なくして、意を決したように上げたセイカの横顔が、夕日で赤く染まる。セイカは、みんなに言うべきかわからないけどと前置きをして言葉を続けた。

「リクを助けてあげて」
「どういうこと?」

 ミズハが聞き返すと、セイカは少し考えてから、言葉を選ぶようにして説明してくれる。

「ここの取壊しの話が出たとき、リクは私よりも悲しんで、心配してくれたの。最初は、大丈夫?ってずっと言ってくれて、気にしてここに来てくれて。だけど、いつからか様子がおかしくなっていって…目が…怖くて…」

 もともと消えそうなセイカの声が、さらに消えていく。

「だけど最近になって、怖い目のまま、大丈夫だよって笑うの。その意味がわからなくて。聞いても、全部大丈夫だからって…」

 セイカの声が泣きそうに震える。

「ねえ、リクは何をしようとしているの?私のせいでリクが…」

 リクが何かよくないことをしてしまったら。
 セイカの言いたいことを、3人は理解する。
 特にスハラとミズハは、“おかしくなった”リクを見ているから、セイカの言いたいことが痛いほどわかる。

「わかった、私たちが様子を見て来る。話も聞いてくる」

 本当は今日、すでに教会に行ってリクに拒絶されたけど、それは今は黙っておく。

「なるべく早いうちに行ってくる。だから、セイカは心配しないで待っていて」

 スハラは、気休めにしかならないかもしれないと思いつつもセイカを励まして、3人は北海製罐第3倉庫を後にした。
すっかり夜の帳が降りた帰り道、さっそくだけど明日行ってみる?というオルガの提案に、スハラは少し迷いながらも同意した。ミズハは神社の用事があるから行けないという。
今日は一人で教会に行って、リクに拒絶された。
でも、今度は一人で行くわけじゃない。だったら、明日は何か変わるかもしれない。
 スハラは、なるべく悪いことは考えないようにして、じゃあ明日と手を振った。

※ ※

「ねえセイカ、もう大丈夫だよ」

 今まで心配するばかりだった彼の目が、暗い光を放つ。

「僕が何とかするから、もう大丈夫」

 だからそんな顔をしないでと彼は言うけれど、私から見たら、あなたこそそんな顔をしないでと思ってしまう。

「何をするの?」

 私はこわごわと聞いてみる。だけど、彼は笑うだけで、教えてくれない。

「セイカは何も心配いらないよ。僕に任せて」

 彼は、そう言うと足早に帰っていった。
ねえ、何をしようとしているの?
もし何か良くないことをしようとしているのなら、誰か、彼を止めて。

助けてあげて。


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