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なにもない

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悩む私と少年のままの僕とで
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やっぱり

やっぱり

受け入れ難い今が過ぎ去っていく。社会的なスケジュールが全てを正当化してしまう。もはや何も描けなくなった。言葉を綴る事さえ億劫だ。つまりは現状を知る事さえ諦めかけている。脱脚への道を探し求めることさえ放棄したい。それは生きることの否定かもしれない。ここ数カ月で形成された絶望観が暴れているようだ。何もかもがうまくいかない。そうして踏ん張る気力さえ完全になくなっている。失った訳ではない。踏ん張ることさえ

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夏のおわりに

夏のおわりに

24の夏が終ろうとしている。どの歳の時よりも寂しい季節であった。いつの時よりも猛暑だったにも関わらず、ぼくの意識は冷たい風の中にあった。これは、愛の持ち腐れだろう。
 少年の時にはないなにかがぼくのここの中に溢れ出している。誰かに捧げなければならないものなんだろうこれは。これから生きていく上での世界像はもう完成しているのだずっと前に。ただ漠然とこの地球上であそぶ主人公であったぼくはもういない。これ

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ドロップアウトの窓辺

転居先のキッチンの正面には小窓が設けられている。そこを通じて、小鳥やセミ、下校途中のこどもたちの姿を感じる。ここは以前とは違う。”忙しい車”は通らないようだ。駅を降りればすぐに、とてつもない急こう配が待ち受けている。そうここらは丘陵地帯である。そして何よりも緑が多い。もう身体はこの場所に馴染んて来たようだが、働く手立てをどうしようか。いったい何に追われ何から逃げるようにしているのだろうか。この部屋

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じゃあ一体どうすればいいのか。

絶望を抱えて生きる日々が続く。消えることはない。後ろを振り返ればいつもそこにいる。それは絶えず過ぎ行く現在という過去のことである。この目の前で流れる時間は一体なんなのだろうか。
もう一人よがりになることはやめた。住居を引っ越すことにした。おそらく生活環境が悪いのだろうと判断した。生活から改める必要があるのではないかと、強く意識するようになった。労働と余暇という2極化した生活然り、そのサイクルの中で

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5/18

5/18

なにかが変わっているような変わっていないような...
気温が変わっている。湿度が変わっている。汗の量が変わっている。木々は生い茂っている。目に入る緑の量が変わっている。暑くなってみんなは少しゆっくりし始めた気がする。そうして冬に比べてなにかが変わっている。冬の凍てつく寒さはもはや思い出せる気がしない。いつの間にかあの白い吐息も出なくなっている。なにもかも忘れてしまった気がする。それらは良いことなの

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3年

3年

存在そのものが表現なのかもしれない。最近はそう思うようになった。しかしそれは自分自身で表現するつもりでそこらにいるわけではない。しかしたちまちそれは身体から、顔から溢れ出ている。ファッションも職業も身分もあくまでも仮装に過ぎない。それらは全て、みるみるうちにはだけてゆく。目の前に現れた彼彼女らが話す仕草、声、リズムそしてそれらの元となる身体そして顔が全てだ。ギターをかかえ、あるいはペンを持ち、また

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まちひと

うみに飛び込めば魚がいるようにまちへ出れば人がいる。それもたくさんだ。絡み合う事ないそれぞれの人生を持った人々とただすれ違う。いつまでも知らない同士なんだろう。みんなを盗み見するようにして考える。
まちへ出ればまるで溶け合うように、みんなは誰かになろうとしている。また自分がなくなってしまわないよう同時にそれを取り戻そうともしながら。それぞれが溶け合いながら表現しているそれぞれの存在がある。何もして

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生きる考える

生きる考える

簡単な書類に目を通すだけでも億劫だ。一体これはなんなんだ。与えられた仕事を処理する瞬間にも私たちはなにを考えるべきなのだろうか。何かをその都度取りこぼしているような気がする。子供と大人のあいだで揺らぐ精神。大人になるとは一体なんなのだろうか。このペーパーにのめり込み、社会という掴みどころのない幻想に貢献している気にもなればいいのだろうか。それこそ異常ではないか。この際にも机の向こうで淡々と作業をす

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漂う

漂う

世界にもっと参加していきたい。先には予定があって、今日は少し忙しくて、気づけば休日であって、語らい合って、時が過ぎた頃に思い返して微笑むように。自分から抜け出せない。抜け出して向かう先はどこであるべきなのだろうか。僕の愛はどこへ向かっていくべきなのだろうか。

存在の不確かさ

存在の不確かさ

漠然とした退屈な未来がそこにいる。立ちすくみ不安な表情を浮かべている。
見えないはずだ。しかしそこにそれは確かにいる。目の前には見えていない。しかしそれはいる。脳の片隅に。
全ては経験がつくりあげた幻想であると信じたい。時が経つにつれ世界への失望感が増してゆく。
「文学的要素で傷つけろ。触れさせろ。様々なものごとを。」
何かに際して不幸だと感じる。そうしてそこから脱しようと様々な事を試みる。いつの

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言葉のあやふやさ

言葉のあやふやさ

「結局はなんとかなる。」
「苦労はするべきだ。」
「心配しすぎだよ。」
こういった様々な、第三者から受け取る励ましのような助言のような経験から形作られたような言葉がある。
そのように発言するようになった経緯は個々によって全く異なり、最終的な回答であるのか本人達もわからぬままにいとも簡単に言葉としては言えてしまう軽さがある。しかし内容はとても重い言葉ばかりだ。 
結局はなんとかならないことだってたく

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何かについて考えてみる

何かについて考えてみる

今日くらいは暗い話はやめよう。少なくとも自分自身に聴かせるような堅苦しい話は。
淡いピンク色の花びらはとどまることを知らず、あちこちを舞う。ゆっくりなようで、変化の瞬間はまとまりにまとまって過ぎ去っていく。私たちは世界を認識したいようにしか認識できない。そもそもそれが世界である。花びらなんて一枚一枚見分けることなんて当然できない。僅かな違いはすぐにでも補正しようとするから白か黒かになるのだろう。再

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軸

何かを判断し、選択する。実行することで、経験値を獲得していく。そうして様々な反省がなされる。振り返り後悔することもあれば上手く風に乗り大きく前進していくこともある。それぞれの人生とは時間のみが同質である。どこかの国の誰かであっても今そこに存在している。この事実だけは変わらないと思う。夜に輝く星も太古の光であろうが見上げるその時にはそこにあると確認できる。生そして死の瞬間のそのときまでは我々は皆同時

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