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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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#インフレ

国民が背負う「荷物」Ⅲ ー 今度は「インフレ税」という "重税"

国民が背負う「荷物」Ⅲ ー 今度は「インフレ税」という "重税"

 国民が背負う「荷物」。|損切丸 (note.com)
 続・国民が背負う「荷物」。|損切丸 (note.com) からの続編

 税金+社会保険料を合わせたいわゆる「国民負担率」が50%に達し重税苦に喘ぐ日本国民だが、財政赤字を加味すると「6公4民」という試算もある。ここまで来るとさすがに政府もこれ以上負担を引き上げるのには無理があり、選挙で負けるなど政治的に難しくなってきた

 そこで浮上した

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「円」を買う理由が見当たらない

「円」を買う理由が見当たらない

 日銀の政策変更無しを受けて「円売り」に拍車。” Ms. Watanabe" =FXの個人トレーダーは「介入」期待で「ドル円」を逆張りで売っていた(円買い)ようだから「損切り」で値が飛んだように見える

 植田総裁のこの発言に恨み節を言うトレーダーも多かろう。だが筆者は実は同意見。「円安」は「インフレ」の根本原因ではない。日米欧とも "根っこ" はベビーブーマー引退に伴う人口動態の変化=「人手不

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「高金利時代」再び? - 「インフレ」>「景気減速」の金融政策

「高金利時代」再び? - 「インフレ」>「景気減速」の金融政策

 PMIの減速で 「利下げ」の ”芽” vs しつこい「円安」|損切丸 (note.com) と期待した矢先、あっさり "芽" を摘まれた。やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。|損切丸 (note.com) 

 これを受けて米国債のフラットニング(平坦化)が進み、年内の「利下げ」はほぼ消滅。それどころか「再利上げ」まで心配になって来た

 景気が減速する中での物価上昇はまさに「ス

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 ”みんなと一緒” では乗り切れない - 日本人はもっと「リスク」について勉強した方がいい

”みんなと一緒” では乗り切れない - 日本人はもっと「リスク」について勉強した方がいい

 イギリス人の同僚がよく使っていた言葉だ。 "No Risk & No Return" "High Risk & High Return" と言い換えてもいい。相場や投資はこの一言に集約される。だから ”Challenge" (挑戦)が推奨される

 ところが日本人はどうも様相が違う。極端に言うなら:

 「団塊の世代」を中心にこう言う感覚が染みついている。推奨されるのは ”みんなと一緒” 。起き

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「インフレ」は成長する - イギリス、アメリカの経済史に学ぶ

「インフレ」は成長する - イギリス、アメリカの経済史に学ぶ

 現在こう呼ばれているのはドイツだが、1960~1970年代にはイギリスの呼称だった。歴史を振り返ってみるとかなり悲惨

 1973〜1974年の第1次オイルショックをきっかけにイギリスは経済の停滞と物価の上昇が共存する「スタグフレーション」に陥った。失業率は増大、原材料費と賃金の高騰が原因となって生産性が低下し通貨ポンドの価値は下落。にもかかわらず、国際収支は改善しなかった

 何だかどこかの国

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「利上げ」が先か「株安」が先か - 「投機」は「円安」ではなく「日経平均」?

「利上げ」が先か「株安」が先か - 「投機」は「円安」ではなく「日経平均」?

 「利下げ」が先か「株安」が先か|損切丸 (note.com) ではアメリカとFRBの事を書こうと思ったが、それより先にまさか「日経平均」がここまで落ちるとは...。完全に想定外(ごめんなさい)。これでは日本版:「利上げ」が先か「株安」が先かになってしまう

 今回の急落にはいくつか背景が考えられる

 まず "主役" はファンドを中心とした海外勢だろう。「新NISA」の「お金」も入っているだろう

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もう「円安」だけで「日経平均」は買えない - 「円安」を止める "鍵"

もう「円安」だけで「日経平均」は買えない - 「円安」を止める "鍵"

 はっきりした「ドル建日経平均」戦略Ⅲ - ヘッジファンド ”恐るるに足らず”|損切丸 (note.com) を書いてきたが、どうやら ”ゲーム” のルールが変わってきたようだ。もう「円安」だけで「日経平均」は買えない

 3月まであれだけ勢いよく買われてきた「無敵の日経平均」だが、今や見る影もないほど弱々しい。月2,000億円とも言われた「新NISA」の弾が切れつつあることもあろう。まさに実需の

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「利下げ」が先か「株安」が先か

「利下げ」が先か「株安」が先か

 予想を大きく上回った米小売売上高 ↑ をきっかけに米国債は急落。まあ物価が上がっているので名目値が上がるのは自然でもあるが、日本と違い ”買い控え” なんて起きない。いや、「インフレ」ならむしろ早く買わないと値段が上がってしまうので消費行動が活発になる。お給料が上がっているから成せる技でもあり、これが「インフレスパイラル」の怖い所

 「利下げ」はやっと11月開始を織り込んでいるが、もはやその有

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 "チャイナプレミアム" の出現と中国の苦況

"チャイナプレミアム" の出現と中国の苦況

 かつて日本のバブル崩壊後 "ジャパンプレミアム” という現象が起きた。筆者は英銀に転職した後だったので邦銀にドルを貸す立場になったが、社内でも邦銀向けのエクスポージャー(貸出資産)を厳格に管理する方向に転換。特に無担保でドルなどを貸し出す資金枠は厳しくなり、奇しくもグローバル管理を任される立場になった

 最悪期で "ジャパンプレミアム” は@LIBOR+100~200BPにも及び、特に地銀など

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止まらない「過剰流動性」ゲーム - バローメーターはビットコイン

止まらない「過剰流動性」ゲーム - バローメーターはビットコイン

  "CPIショック" はちょっと大袈裟だが確かにマーケットの雰囲気は一変した。特に米国債とJGB(日本国債)。売り=金利に上昇に弾みがついている

 米国債については「逆イールド」から一気に「フラットニング」(イールドカーブの平坦化)「スティープニング」に向かう勢い。「年内利下げ」期待は剥落しつつあるのが現状。このままCPIや雇用統計が上昇基調を維持すれば2年以降の米国債金利は@5%越え、下手を

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続・想像以上にしつこい「インフレ」

続・想像以上にしつこい「インフレ」

 想像以上にしつこい「インフレ」|損切丸 (note.com) の続編

 注目の米CPI ↑ が出た後の「損切丸」の正直な感想。特にコアの高止まりは(FRBにとっても)ショッキングで やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。|損切丸 (note.com) は健在。もう現実的に「利下げ」無しを考慮しなければいけなくなった

 20年以上マーケットに関わってきたが、いつも 続・「行って欲

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「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」

「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」

 「投資」の考え方としては大きくこの2通りになる:

 A.「インカムゲイン」(Income Gain)

 「金利」「配当金」など定期的に得られる収入を目的とした「投資」。 ”サラリーマン大家” など家賃収入を目的とした賃貸アパートなどもこれに当るが、日本人はとにかくこっちが好き。「高利回り」と言われるとつい手が出てしまう。定期収入 ≓ 安定利益と勘違いしている点も多分にある

 B.「キャピタ

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 "金利のメッセージ" (Message in a Yield)

"金利のメッセージ" (Message in a Yield)

 前稿.続・米国経済本当は強い?弱い?|損切丸 (note.com) で 政策金利は中央銀行が決める - 市場参加者や銀行の "思い込み" は危険|損切丸 (note.com) だから、マーケットの動きに反してFRB・ECBが6月にも「利下げ」を敢行するリスクに触れた。それはそれで仕方が無いことだが、こういう時大暴れするのが金利市場

 発せられる "金利のメッセージ" とは?

 もっとも分かり

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続・米国経済本当は強い?弱い?

続・米国経済本当は強い?弱い?

 米国経済本当は強い?弱い?|損切丸 (note.com) の続編

 もう1年余りNFPにマーケットは悩まされ続けている。ISM非製造業指数を見ると価格等「インフレ」や景況感に減速の兆しが見えているが、とにかく「人が足りない」。平均時給が+4.3% → +4.1%と和らいでいるのが救い

 雇用統計発表直後は「米国債売り」(ドル金利上昇)+「ドル買い」で反応したが徐々に落ち着いてきている

 一

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