【徹底解説】糖質を抜いても太るメカニズム!
フォロワー200人突破企画で頂いた
ダイエットの質問にお答えします!
▼ 今回は、こちらの質問にお答え ▼
僕は太るメカニズムは
1つしかないと考えています。
太るメカニズムとは
炭水化物の摂取→血糖値UP→インスリンの分泌→糖をグリコーゲンへ→グリコーゲンの生成の閾値に達っし、糖を脂肪へ変換
このメカニズムから考えると、
いくら脂質・タンパク質を取ったとしても、太らないと考えられます。
しかし、実際には太ります。
この理由が知りたいです!
脂質・タンパク質を過剰に摂取する→これらがエネルギーとして使われる→それによって本来使われるべきだった血糖が使われなくなる→その分の血糖が脂肪で蓄積される
今のところ、このようなメカニズムにより、脂質・タンパク質によって太る
(脂肪が蓄積する)と考えています!
ご質問、ありがとうございます!
めっちゃ考察されています✨
質問の意味は
たんぱく質や脂質をいくら食べても、
糖質を食べなければ、
インスリンが分泌されないから
脂肪にならないのでは?
という疑問でしょうか!
結論から言うと・・・
脂質やたんぱく質も
取り過ぎれば脂肪へ変換されます!
なぜなら
糖質なしでもインスリンが分泌される
という仕組みがあるからです。
今回は、いただいた質問を踏まえて
✅ 食物はどのように「脂肪」になるか
✅インスリンが分泌される仕組み
こちらがわかるように解説します。
第1章:食べ物がどのようにして「脂肪」になるか
・代謝とは
・糖代謝
・脂質代謝
・たんぱく質代謝
第2章:インスリンについて
・インスリンとは?
・インスリンの働き
・インスリンが分泌される仕組み
=== 第1章 ===
食べ物がどのようにして「脂肪」になるか
代謝とは
食べ物を「分解」してエネルギーにしたり、筋肉や脂肪を「合成」することを『代謝』といいます。
私たちは、食べ物から
エネルギーを作り出します。
(エネルギーが作られる仕組みについては、以前の記事も参考に!)
作り出したエネルギーを利用し、
我々は生きることができています!
代謝には『異化』と『同化』があります。
■ 異化(catabolism:カタボリズム)
食べ物を「分解」して、エネルギーに変換すること
エネルギーとなる栄養素は
たんぱく質、糖質、脂質です。
(エネルギーになる栄養素については、以前の記事を参考に!)
たんぱく質 ➡ アミノ酸
糖質 ➡ 単糖(グルコースなど)
脂質 ➡ グリセロールと脂肪酸
に「分解」されます。
(薄い青矢印は「分解」を表す)
胃や腸、消化器官によって分解された
アミノ酸・単糖・グリセロール・脂肪酸は
肝臓、筋肉、脂肪組織に運ばれます。
エネルギー源として利用されるときは、
さらに、アセチルCoAに分解され
TCA回路とよばれる回路に入って
最終的にエネルギーが生み出されます。
(※一部のアミノ酸は、「アセチルCoA」を介さずにエネルギー生成に寄与します)
■ 同化(anabolism:アナボリズム)
小さい分子から、脂肪や筋肉などを「合成」すること
異化と反対で
アミノ酸、単糖、脂肪酸などから、
たんぱく質、グリコーゲン、脂肪を
作りだすこと「同化」と言います。
ここで言いたいことは、
たんぱく質、糖質、脂質の
どれを食べたとしても…
エネルギーになるときは
「アセチルCoA」という
同じ物質まで分解される!
そして、アセチルCoAから
「脂肪」が作られるので
どの栄養素であっても
「脂肪」になり得る!!
ということです。
糖質代謝
食事からとった糖質は
唾液、膵液、小腸で消化され
単糖(主にグルコース)になります。
単糖は小腸で吸収され肝臓に運ばれます。
肝臓で必要な分を使用&貯蓄した後、
全身の細胞へ運ばれます。
▼ 上記の文章を表した図 ▼
糖質が代謝される場所は、
全身と肝臓、骨格筋、脂肪組織、脳です。
(図の「各組織」にあたります)
これらの組織でエネルギーとして利用され
余ったら
肝臓で、グリコーゲンになる
骨格筋で、グリコーゲンになる
さらに、余ったら
脂肪組織で、脂肪になって貯蓄される
という感じです!
脂質代謝
食事からとった脂質は
主に唾液によって消化され
脂肪酸とグリセロールになります。
小腸で吸収され(リンパ管を経て)
全身に運ばれます。
(吸収されるとき、分解された脂肪酸とグリセロールが、再び集合体となるのですが、ややこしいので割愛します)
▼ 上記の文章を表した図 ▼
脂肪酸が代謝される場所は、
全身と骨格筋、脂肪組織です。
(図の「各組織」にあたります)
これらの組織でエネルギーとして利用され
余ったら
脂肪組織で、脂肪になって貯蓄される
という感じです!
たんぱく質代謝
食事からとったタンパク質は
胃液や膵液によって消化され
ペプチドやアミノ酸になります。
小腸で吸収され、肝臓に運ばれます。
肝臓で必要分を使用した後、
全身の細胞へ運ばれます。
(BCAAは例外、肝臓では使われません)
▼ 上記の文章を表した図 ▼
アミノ酸が代謝される場所は、
全身と肝臓、骨格筋です。
(図の「各組織」にあたります)
これらの組織で
身体をつくる材料として利用され
余ったら
脂肪組織で、脂肪になって貯蓄される
という感じです!
※図は、大まかな経路を示しています。
割愛している部分もございます。
また、
各組織の枠内に「脂肪」と記載してますが
脂肪になるのは、脂肪組織のみです。
=== 第2章 ===
『インスリン』について
インスリンとは?
膵臓の「β細胞」という細胞に貯蔵されているホルモン
▼ 膵臓は、ここにある ▼
インスリンの働き
✅「グルコース」を各組織に運ぶ
✅「グルコース」から「グリコーゲン」を作る
✅「アミノ酸」を各組織へ運ぶ
✅「アミノ酸」から「たんぱく質」を作る
✅「脂肪」の蓄積を促す
✅「グルコース」を各組織に運ぶ
「グルコース」は
肝臓で使用された後、
全身の細胞へ運ばれます。
(『糖質代謝』をご覧ください )
血流にのって、運ばれるのですが
このとき、
インスリンは、各組織の細胞に「グルコース」が入るのを手助けします!
つまり、インスリンのおかげで
グルコースが各細胞の中に
入ることができるのです。
✅「グルコース」から「グリコーゲン」を作る
「グルコース」は
エネルギーとして利用された後、
余った分は「肝臓」と「筋肉」で
グリコーゲンとして蓄えられます。
空腹時など、エネルギーが
必要になるときのためです!
インスリンは、「グルコース」が「グリコーゲン」に合成されるのを手助けします!
ちなみに、「グリコーゲン」は
肝臓と筋肉のみで作られます。
✅「アミノ酸」を各組織へ運ぶ
✅「アミノ酸」から「たんぱく質」を作る
「アミノ酸」は肝臓で使用された後、
全身の細胞へ運ばれます。
(『たんぱく質代謝』をご覧ください )
インスリンは、各組織の細胞に「アミノ酸」が入るのを手助けします!
また
「アミノ酸」が身体を構成する「たんぱく質」に合成されるのを手助けします!
インスリン、めっちゃ大切!!
✅「脂肪」の蓄積を促す
皆さんがインスリンを嫌う理由は
この作用ですよね!
インスリン、めっちゃ大切なんですが
この作用が協調されすぎて嫌われがち。
「脂質」は小腸で吸収され
全身に運ばれます。
(『脂質代謝』をご覧ください )
エネルギーとして使われた後
余った分は、脂肪として蓄えられます。
インスリンは、脂肪組織に「脂肪酸」が入るのを手助けします!
また
「脂肪酸」が「脂肪」に合成されるのを手助けします!
「代謝」のところでお話した通り、
糖質、たんぱく質、脂質はどれも
アセチルCoAになりえます。
アセチルCoAから「脂肪酸」が作られるので
糖質、たんぱく質、脂質はどれも
食べ過ぎれば「脂肪」になる
ということです!!
分泌されるメカニズム
最後にインスリンが分泌される
メカニズムを解説します!
インスリンは
❶ グルコース
❷ アミノ酸
❸ 消化管ホルモン
によって分泌が促進されます。
❶グルコース は有名ですよね。
皆さんご存知の通り!
やはり「血糖値」の上昇は
インスリン分泌に最も強く影響します。
実は、❷アミノ酸 によっても
インスリンが分泌されるんです。
食後、一時的に血中アミノ酸濃度が上昇。
それに反応しインスリンが分泌されます。
❸消化管ホルモンは、
腸など消化管に食べ物が入ると
分泌されるホルモンのこと。
食べ物が消化管に入る
↓
消化管ホルモンが分泌
↓
インスリンが分泌
「糖質」だけでなく「食べ物」自体が、インスリン分泌を促す
ということを
ご理解いただけたでしょうか^^
ただ、
やはり「血糖値」の上昇が
一番、インスリン分泌に影響します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
食べ物が「脂肪」になるメカニズム
を解説していきました!
第1章:食べ物がどのようにして「脂肪」になるか
・代謝とは
・糖代謝
・脂質代謝
・たんぱく質代謝
➡ どの栄養素であっても「脂肪」になり得る!
第2章:インスリンについて
・インスリンとは?
・インスリンの働き
・インスリンが分泌される仕組み
➡「糖質」だけでなく「食べ物」自体が、インスリン分泌を促す(血糖値の上昇が一番ではあるが)
説明が長くなったので
分かりにくいところも
あったかもしれません・・・。
記事に関する質問やコメント
ぜひお待ちしております^^
▼ 参考文献 ▼
・リッピンコット イラストレイテッド生化学 原書6版
・実験医学 2018年10月号 Vol.36 No.16 脂肪の量と質を制御する
・生活習慣病の分子生物学
最後に・・・
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