50匹のねこ

猫を被って生きてきたつもりが、いつのまにか被った猫に支配されている気がする。いや、そも…

50匹のねこ

猫を被って生きてきたつもりが、いつのまにか被った猫に支配されている気がする。いや、そもそも猫なんて初めから居なかったのかも。

記事一覧

選ぶことがこわいと思った。

自分以外の誰かの、何かの、いのちについての選択は とっても難しい。
どれも正解のようにもみえるし、どれも間違っているようにもみえる。

こんなにこわいことにもしっかり向き合って、子どもを育てていくなんて。
お母さんってすごい。お父さんってすごい。

小学2年生のわたしへ

初めて小説を書いたのは小学2年生の冬だった。 タイトルは「ねぎの旅」。 なんてシュールなタイトルだろう。 今となっては結構恥ずかしいのだけれど、当時の私は何を思っ…

7

今日は布団一式丸洗いした。
真っ暗な部屋の中、洗いたての寝具にごろんと寝転がって、少しだけ網戸にした窓から流れ込むカエルの合唱を子守唄に 眠りにつく。
金曜の夜の飲み会よりも、SNS映えする可愛いスイーツよりも、こうして微睡む時間が一番しあわせ。

結局わたしは田舎の子だ。

1

私は、笑いのツボが浅い。
爆弾は日常の中に溢れている。

健康診断のために受診したクリニックの待合室で、某女芸人さんと同じ名前が呼ばれた。
返事する声がそっくりだった。
顔は、似ていなかった。
全て見届けてからそっと目を閉じて耐えた私は、またひとつ大人の階段を昇った気がする。

3

誰かにこんなに熱烈に送別してもらえるのは、人生で初めてのことかもしれない。
モノよりも、言葉よりも、最後にただ顔を見に来てくれる人がいることって、なんて有難いんだろう。
明日で 1年1ヶ月のフリーター生活が終わる。

2

ピーナツクリームの朝

「あ、世界から消えたいな」と思う瞬間がある。 深刻な悩みがあるとか、病んで病んでどうしようもないとか そんなことではなく、ただなんとなくそう思う。 今朝だったら…

6

久しぶりにコンビニで唐揚げを買った。今日はカフェが忙しすぎてお昼ご飯が食べられなかったからね、って自分に言い訳。今夜はちょっと春の匂いがする。

3

卑怯な電話

2019年2月13日午後3時36分、カフェの電話が鳴った。 どうせまた本社のマネージャーだろう。 彼女はいつもお店が混んでいる時に限って、しかも店長の手が空かないタイミン…

9

人生初デートの思い出

人生で初めて デートらしいデートをしたのは、大学1年生の夏休みだった。 相手は、同じ大学の1年生。 天文サークルの新歓コンパで出会った男の子だ。 ケイン・コスギを文…

13

嫉妬と小倉トースト

久しぶりの休日、コメダ珈琲の隅っこの4名席。 わたしは今、小倉トーストをやけ食いし終えて、ゆっくりとカフェオレを飲みながらこれを書いている。 やけ食いの理由は、つ…

5

物欲と睡眠欲と

今朝は、4時に寝て7時に起きた。 それからカフェに出勤して8時間働いて、そのあと掛け持ちしている学習塾で3時間働いた。 途中、とても強烈な睡魔に襲われて 生徒と話しな…

4

ほろ酔いクリスマス

久しぶりに酔っ払っている。 耳と頬があったかくて、夜の冷たい空気が心地いい。 でも、夏だろうが冬だろうが、飲んだ帰りの夜道がとても好き。 今日はカフェでのバイ…

3

27歳のリベンジ

興奮冷めやらぬ1人映画館の話。 私が働くカフェから約300メートル。 とても映画館だとは思えないほど寂れているけれど、この街で唯一の映画館。 雑居ビルの3階と4階を占拠…

11

昼休みのひとりごと

最近、リグレットガールとかいうバンドのアルバム「my」(2017)をずっと聴いている。ずっと。本当にずっと。 高校生の頃から、気になった曲は死ぬほどリピートして聴く…

4

あの夢

もう 見えなくなってしまった。 でも、いつかおばあちゃんになっても ずっと忘れたくない夢の記憶。 初めて見たのはいくつの時だったか、覚えていない。でもきっと20歳頃…

5

好きになる3条件

27歳を目前にして、どんな異性に惹かれるのかがようやくわかってきた。 自分のことほどわからないものだと思って生きてきたけれど、そもそも自分の好みすらわかっていなか…

4

選ぶことがこわいと思った。

自分以外の誰かの、何かの、いのちについての選択は とっても難しい。
どれも正解のようにもみえるし、どれも間違っているようにもみえる。

こんなにこわいことにもしっかり向き合って、子どもを育てていくなんて。
お母さんってすごい。お父さんってすごい。

小学2年生のわたしへ

小学2年生のわたしへ

初めて小説を書いたのは小学2年生の冬だった。
タイトルは「ねぎの旅」。

なんてシュールなタイトルだろう。
今となっては結構恥ずかしいのだけれど、当時の私は何を思ったか 白ねぎを題材にしたファンタジー小説を書いていた。

当時はワープロが主流だったし、まだローマ字も勉強していない頃だから、当然 手書きである。

母が生協で大量購入してくれたちょっとダサい鉛筆と、夏休みの宿題で余った原稿用紙。
小説

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今日は布団一式丸洗いした。
真っ暗な部屋の中、洗いたての寝具にごろんと寝転がって、少しだけ網戸にした窓から流れ込むカエルの合唱を子守唄に 眠りにつく。
金曜の夜の飲み会よりも、SNS映えする可愛いスイーツよりも、こうして微睡む時間が一番しあわせ。

結局わたしは田舎の子だ。

私は、笑いのツボが浅い。
爆弾は日常の中に溢れている。

健康診断のために受診したクリニックの待合室で、某女芸人さんと同じ名前が呼ばれた。
返事する声がそっくりだった。
顔は、似ていなかった。
全て見届けてからそっと目を閉じて耐えた私は、またひとつ大人の階段を昇った気がする。

誰かにこんなに熱烈に送別してもらえるのは、人生で初めてのことかもしれない。
モノよりも、言葉よりも、最後にただ顔を見に来てくれる人がいることって、なんて有難いんだろう。
明日で 1年1ヶ月のフリーター生活が終わる。

ピーナツクリームの朝

「あ、世界から消えたいな」と思う瞬間がある。
深刻な悩みがあるとか、病んで病んでどうしようもないとか そんなことではなく、ただなんとなくそう思う。

今朝だったら、寝惚け眼でトーストを作ろうとして オーブントースターの網に食パンを置く瞬間がそれだった。

トースターのフタを閉めながら、特に理由はないけれど、と心の中で呟く。
ジジジッという音とともにタイマーを回しながら、それにしても健全な自分

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久しぶりにコンビニで唐揚げを買った。今日はカフェが忙しすぎてお昼ご飯が食べられなかったからね、って自分に言い訳。今夜はちょっと春の匂いがする。

卑怯な電話

2019年2月13日午後3時36分、カフェの電話が鳴った。

どうせまた本社のマネージャーだろう。
彼女はいつもお店が混んでいる時に限って、しかも店長の手が空かないタイミングを狙ったかのように、電話をしてくる。
そしてその電話を取るはめになるのが、9割方私だ。
この人は本当にタイミングが悪いなぁなんて考えながら、マニュアル通りの文言で電話を取った。

「お電話ありがとうございます、〇〇店でござ

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人生初デートの思い出

人生で初めて デートらしいデートをしたのは、大学1年生の夏休みだった。

相手は、同じ大学の1年生。
天文サークルの新歓コンパで出会った男の子だ。
ケイン・コスギを文化系にした感じの、真面目そうな子だった。
私はコンパに参加しただけでサークルには入らなかったのだけれど、彼は春が過ぎてサークルの勧誘活動が終わってからも熱心に連絡をくれた。

学部も違ったし、サークルの新歓コンパ以外の接点は無かったか

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嫉妬と小倉トースト

久しぶりの休日、コメダ珈琲の隅っこの4名席。
わたしは今、小倉トーストをやけ食いし終えて、ゆっくりとカフェオレを飲みながらこれを書いている。

やけ食いの理由は、ついさっき。
一時間ほど前の 心乱される出来事だ。

2週間ぶりに偶然見かけた彼氏が、隣に可愛らしい女の子を連れて、とびきりの笑顔で談笑しながら歩いていたのだ。

しかも、半径7メートル以内にいた私には全く気が付かなかった。
全く気がつ

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物欲と睡眠欲と

今朝は、4時に寝て7時に起きた。
それからカフェに出勤して8時間働いて、そのあと掛け持ちしている学習塾で3時間働いた。
途中、とても強烈な睡魔に襲われて 生徒と話しながら夢を見たような気もするけれど、なんとか元気に働き終えた。
そして、明日もカフェでバイト。

早く寝なければならない。

わかっている。わかっているけれど。

こういう時に限って、なんとなく開いたインスタグラムに わたしの興味をそ

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ほろ酔いクリスマス

ほろ酔いクリスマス

久しぶりに酔っ払っている。
耳と頬があったかくて、夜の冷たい空気が心地いい。
でも、夏だろうが冬だろうが、飲んだ帰りの夜道がとても好き。

今日はカフェでのバイトを終えた後、6歳下の学生バイトちゃん達と3人で居酒屋に行ってきた。

クリスマスらしさなんていらない、と あえて沖縄料理のお店を選んだ。

クリスマスイブに彼氏と喧嘩をして冷戦状態だとか、今夜カフェの閉店まで粘っていたカップルは実

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27歳のリベンジ

27歳のリベンジ

興奮冷めやらぬ1人映画館の話。

私が働くカフェから約300メートル。
とても映画館だとは思えないほど寂れているけれど、この街で唯一の映画館。
雑居ビルの3階と4階を占拠する、たった2シアターしかない映画館。

今夜はどうしても、早い時間に家に帰りたくなかった。
どうにかして時間を潰したくて、昼休みじゅう考えた末に思いついたのが「おひとりさま映画館デビュー」だった。

いや、嘘はよくない。本当はデ

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昼休みのひとりごと

最近、リグレットガールとかいうバンドのアルバム「my」(2017)をずっと聴いている。ずっと。本当にずっと。

高校生の頃から、気になった曲は死ぬほどリピートして聴く癖がある。
朝の支度中も、移動中も、お風呂でも、ハマったらもう1ヶ月くらい余裕で聴いている。たぶん1日のうちに最低12回は再生しているから、1ヶ月で360回以上再生していることになる。1曲4分として、1440分。24時間。1ヶ月のう

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あの夢

もう 見えなくなってしまった。
でも、いつかおばあちゃんになっても ずっと忘れたくない夢の記憶。

初めて見たのはいくつの時だったか、覚えていない。でもきっと20歳頃までは見ていたはず。
幼い頃から繰り返し 何度も何度も同じ夢を見ていた。

私に絵の才能があったらいいのに。
夢に出てくる景色を残しておきたくて 何度か試みてはみたものの、実際に描こうとすると急にぼんやりしてくるから不思議だ。

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好きになる3条件

27歳を目前にして、どんな異性に惹かれるのかがようやくわかってきた。

自分のことほどわからないものだと思って生きてきたけれど、そもそも自分の好みすらわかっていなかったことに気がついて驚愕した。

その1「頭がいい人」10代の頃、頭がいい人が好き!という女子を馬鹿にしていたと思う。正直に言って、なんだよそれプークスクスみたいな気持ちを持ってたし、そんなことを言う奴は何も考えていないお馬鹿さんだけだ

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