好きになる3条件

27歳を目前にして、どんな異性に惹かれるのかがようやくわかってきた。

自分のことほどわからないものだと思って生きてきたけれど、そもそも自分の好みすらわかっていなかったことに気がついて驚愕した。


その1「頭がいい人」

10代の頃、頭がいい人が好き!という女子を馬鹿にしていたと思う。正直に言って、なんだよそれプークスクスみたいな気持ちを持ってたし、そんなことを言う奴は何も考えていないお馬鹿さんだけだと思っていた。

でも、本当のお馬鹿さんは私だった。

「頭がいい」は、勉強ができるかどうかなんていう次元の話ではない。

頭がいい人は、頭の回転が速い。しかもちゃんと回転するだけあって、常に多様な選択肢と的確な判断力を持っている。物理ができるとか数学が得意とかいう話ではなくて、生きる上での賢さを持っている人こそ、頭のいい人なんだと思う。

頭のいい人は空気が読める。周囲の状況判断に長けていて、かつ、人の心情を適度に推し量り、適度に無視できる。
要は、生きるのが上手い。

自分自身が生きるのが下手くそだということは自覚している。きっと、自分にないものを持った人に憧れて、尊敬して、好きになるんだと思う。



その2 「顔の一部に未完成感がある」

頭の次は顔の話。
恋愛で避けて通れない、顔の話。

あの子最近彼氏できたらしいよ!
え?そうなの?イケメン?イケメン??
女同士の恋愛話なんてだいたい4割方がそんな会話から生まれる。あとの6割は、あー彼氏欲しい、どこかにイケメン落ちてないかなぁ とかそんな感じから始まる。あくまで私の実体験と偏見ですが。

私の思う未完成感は、「取り立てて口に出すほどではないけれど初対面で的確に指摘できるくらいの少々の残念感が含まれる」ということ。

1人目の彼氏の場合なら、それは目だった。
やたらと細かった。相当目つきが悪かった。彼との出会いは通学の電車の中だったけれど、初めて目が合った瞬間に「何かわからないけれど私はこの人を完全に怒らせた気がする」と結構本気で思った。ドキドキした。ドキドキしたけれど、それは高鳴りではなくて完全に動悸だった。目以外はそんなに悪くなかった。ありきたりな顔だった。多分。もう9年前のことだからほとんど覚えていないけれど。

2人目の彼氏の場合は、顔の毛。
髭ではない。髭ではなくて、顔の毛である。眉毛でもない。眉毛じゃなくて、顔の毛である。
ぱっちり二重、笑うと綺麗な弧を描く唇、嵐の二宮くんのようなふんわり眉毛、当たり障りのない鼻。そんな可愛い顔立ちの彼は、おでこや頰の毛がなかなかに濃い人だった。
腕や脚の毛はそうでもない。これといってコメントすることもないくらい普通。ただ、顔周りの毛だけがなかなかに濃かった。あまりにも毛1本1本の主張が激しいため、何度か毛抜きで抜いてみたい衝動に駆られた。が、彼の毛抜きに対する恐怖心が半端なものではなく、全て失敗に終わった。

イレギュラーとして3人目の彼氏の話をしようかと迷ったが、これは現在進行中の案件だ。ただの惚気になりそうなので割愛しておく。後で読み返した時の恥ずかしい思いは最小限にとどめたい。

具体例を出そうとしすぎて話が逸れてきたが、結局のところ、私自身の中で「顔の一部に未完成感がある = 安心感」に繋がっていると思う。
仲間意識という方が的確だろうか。ぶっちゃけ自分の顔はそんなに悪くはないと思っているけれどやっぱりコンプレックスというのはあるわけで、そんな自分の顔面を 芸能人ばりのイケメン!みたいな人の前には晒せないなと思ってしまう。なんか上手く言えないけど、イケメンは、見てるだけで恥ずかしい。
その点、基本的には合格点の顔だけれどどこか一部が惜しい!という相手の方が親近感も湧くし現実味も湧くし、こちらに求められるハードルもその分下がることになると思っている。なんというか、お互い高望みはやめましょうねっていう感じの暗黙の了解が生まれる気がする。



その3 「言葉遊びができる」

これは、その1とかなり密接な関係かもしれない。というか、内容としては重複している部分が大きいと思う。

私は、中村航の「ぼくの好きな人がよく眠れますように」という本がとても好きなのだけれど、この小説の中で主人公とヒロインが2人だけの言葉遊びをするシーンがある。
普通の会話でも「〜だけかしら」という語尾をつけるだけでとても思わせぶりになる、というものだ。例えば、「溢れたのは、ビールの泡だけかしら」。たしかに、え、ほかに何が溢れたの?想い?想いが溢れたの?みたいな、ちょっとドキッとする言葉だと思う。めちゃくちゃ綺麗なお姉さんに言われたら、私が男だったらすぐ好きになっちゃうと思う。

とりあえず、だれもが見逃しそうな言葉遊びを楽しむ人はやっぱり頭がいいんだろうし、どこかに余裕がある人だと思うし、その余裕こそがとてもセクシーだと思う。
(セクシー。セクシーという言葉を恥じらいなく使う日が来るとは、今日まで夢にも思わなかった。)

いつか結婚するなら、キラキラした指輪も甘い言葉もいらないから、普段の会話で何気ない言葉遊びができる人がいい。
そして、それに気付いてニヤッと笑える私でいたい。

#ひとりごと #恋愛 #日記
#27歳 #もう少し

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