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子ども王国の日常vol.6
家を訪ねると、半開きの扉の奥から声が聞こえる。
「これからうちに大切なゲストが来るから!!」
もしかしたら、僕のことなのかもしれない。。。
少し早く来すぎたかな・・・
そう感じた僕は、家の前で空を眺めながら、少しの間ぐるぐるぐるぐる家の前を回る。
すると、ギーッと金属が擦れる音が聞こえるとともに、扉の奥から小さな影が姿を見せた。
それはそれは小さく愛らしい影。
それが君との出会いだっ
子ども王国の日常vol.5
怪しげに他人の視線を気にする少女たち。
僕が
「何しているの?」
と尋ねてみると、少女の一人が
「大きな声で話しかけないで、見つかってしまうから。」
と一言。
どうやら、かくれんぼをしているようだ。
すると、僕らの話を聞いていた友達が近づいてきて、
「そう言っているあなたの声の方がうるさいよ。」
と少女の耳元で囁く。
「あっ、いけない。」
思わず、ほくそ笑む少女。
遠くの方
人生行路vol.3『クリスティンの夢』
ふかふかのマットレスの上を歩くかのように軽い地面、蔓延した埃と煙がフィルターをかけるようにボクの視界から色彩を奪っていく。茹だるような暑さの中、僕はフィリピンのトンド地区にあるスモーキーマウンテンにいた。
スモーキーマウンテンとはいわゆるゴミの山が数十メートルにわたり積み上げられたゴミ山のことである。気温の上昇とともにメタンガスが自然発火し、山からもくもくと煙が立ちこめている姿からそう名付けら
子ども王国の日常vol.2
額の汗をぬぐいながら、疲れ切った足をゆっくりと自分のホテルまで運ばせる途中にある路地をよぎると、ふと、背中越しに少女に呼び止められる。
「いらっしゃい!!」
僕は、少し時間を巻き戻すように歩みを戻し、彼女のお店に立ち寄る。
どうやら、アイスクリーム屋さんらしい。
店も看板もアイスクリームもイマジネーション次第だが、それもそれで面白い。
「世界一伸びるアイスはどうですか?」
店員さんのオ