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日本の國體と相反する「常世」
天孫降臨前の国作りをされた大国主命
大国主命は天孫降臨前の統治者
「龍神考(29) ー「田」が示す天孫降臨前史ー」など一連の記事で、大国主命が天孫降臨以前のわが国の統治者を暗示する神格であることに言及しました。
そこで、天照大御神のご子孫への国譲りの条件として建立された出雲大社の本殿が「田」の字形に仕切られていることの背景に、「田」の字は狩猟・農耕用地の区画に由来し、また狩猟や農耕の意味が
龍神考(33) ー龍神の直行と蛇行ー
「遠の朝廷」の表鬼門の立花山と裏鬼門の飯盛山
日本神話において国土や神々をお生みになった伊邪那岐命と伊邪那美命の二神が鎮まると信仰された「二神山(ふたがみやま)」(今の立花山)には、国生みを始める際にお使いになった「天瓊矛(あまのぬほこ)」も一緒に存在するはずだと仮定した上で、黒田日出男著『龍の棲む日本』(岩波新書、2003年)で紹介されている日本=「独鈷」(インドの武器に由来する仏教の法具)
龍神考(32) ー立花山と比叡山に見る三輪の金光ー
立花山と中世日本の国土観
日本に天台宗を伝えられた伝教大師最澄が、唐から帰朝後最初に開かれたお寺と云う立華山明鏡院独鈷寺(とっこじ)と同寺がある立花山を巡る信仰思想が、「日本=独鈷」とする中世日本の国土観とことごとく合致することに、前回の「龍神考(31) ー天瓊矛と独鈷とシキミー」で気付かされました。
*独鈷(インドの武器に由来する法具=金剛杵の一種)については『文化遺産オンライン』の「独鈷
龍神考(31) ー天瓊矛と独鈷とシキミー
中世日本の国土観
「日本」=「独鈷」(インドの武器に由来する仏教の法具=金剛杵の一種)だと観想する国土観が中世日本にありました。
黒田日出男著『龍の棲む日本』(岩波新書、2003年)に紹介されているこの国土観から、前回は以下の点を抽出しました。
①日本は独鈷の形
②「五畿七道」の「五畿」は「玉の国」、「七道」は「天照大神の国」
*「七道」は「五畿」(今の奈良県、京都府中南部、大阪府、兵庫
龍神考(29) ー「田」が示す天孫降臨前史ー
天孫と天孫降臨の二面性
太陽神天照大御神の御孫、天孫邇邇芸命(ににぎのみこと)は春に日照時間が長くなってエネルギーを増してくる「春の太陽」=「春の日」=「春日」、猿田彦神は雷光で天孫に降臨の道筋をお示し雷=「申」の神、と自然崇拝の観点から解釈してきました。
これが春日大社の勅祭「春日祭」の別名が「申祭」であり、かつては旧暦二月の申の日に行なわれていたこと、猿田彦神が春日の地主神として祀られ
龍神考(27) ー春日大社創建の時代背景ー
春日大社創建の季節的背景
前回、天孫降臨神話と春日大社の御由緒にある信仰思想を季節の流れに当てはめてみました:
・出雲の大国主命の下に全国の神々が参集する神在月→新暦10月下旬〜12月上旬
・武甕槌命による大国主命の天孫への国譲り→12月22日冬至の一陽来復
・武甕槌命の御本社(大宮)への遷座→神護景雲二年(768)11月9日己卯(新暦12月22日冬至)→直後の申の日=11月14日(小望
龍神考(23) ー人魚のミイラと猿女と龍女ー
青海波紋様の采女装束と魚皮製衣服
魚の鱗のようにも見える「青海波」の紋様の衣を着る采女に、魚の鱗を持つ龍を連想し、采女は信仰思想上はやはり龍女の系譜にあるとの思いを強くしました。
前回「龍神考(22)」に載せた福岡市東区三苫の渚に寄せ来る「青海波」の写真に見るように、実際の「青海波」は紋様の「青海波」のような扇形にはなりません。
しかし紋様の「青海波」は魚の鱗や扇の形に似せることで、「