Twitterホロコースト否定論への反論(38)：リックのホロコースト否定
目次
1.アウシュビッツのプレートの修正
2.切り離されたクレマⅠの煙突？
3.窓付きガス室のドアがペラペラ？
4.ロイヒターレポート
5.イギリス政府による嘘の疑惑
6.最初のホロコーストの流言
7.アウシュビッツのプール、病院など
8.Arbeit macht frei.
9.ワールド・アルマナックのデマ
10.赤十字統計のデマ
11.赤十字が死の収容所を視察？
12.チャーチル、アイゼンハワー、ドゴールの回想録には書かれていないガス室？
13.エリー・ヴィーゼルはガス室について言及しなかったのか？
14.エリー・ヴィーゼルは偽者？
15.より多くのヴィーゼルもの
16.アウシュビッツの暗号解読
17.生存者はガス室を見たり聞いたりしなかったのか？
18.アンネ・フランクの日記
19.ラッシニエはアウシュビッツのガス室を否定した。それともティース・クリストファーセンか？
20.ラーソンのデマ
21.偽物、信用できない、間違った目撃者
22.ガス室の壁に引っ掻き傷？
23.ダッハウのガス室、ブロシャートの手紙
24.生存者のリーバーマンとアウシュビッツのオーブン
25.ラシャウト文書
26.ホロコーストの偽写真？
27.科学がホロコーストを論破？
28.ブリタニカでガス室についての言及はないのか？
29.リストジェフスキー先生？サイモン・ウィーゼンタールのノルマ？
30.アウシュビッツでは小さな子供や人は仕事に不向き？
31.ユダヤ人はホロコーストについて嘘をつくのか？
32.確定した死亡者数？
33.ヒルバーグと有名な証人は、ツィンデル裁判で嘘つき、詐欺師であることを示したのか？
34.シンドラーのリストはフィクションの話？
35.ブルーノ・バウムはアウシュビッツで偽のプロパガンダが作られたことを認めたのか？
36.変わり続ける収容所の死の犠牲者数？
37.ソ連だけが見つけた死の収容所？
38.リックのホロコースト否定
39. 6桁の刺青でも被害者は600万人？
▼翻訳開始▼
38.リックのホロコースト否定
否定派の主張：
テキスト：ホロコーストは起きなかったんだ モーティ あれは偽物だ！全部 偽物だ モーティ！起きなかったんだ！考えてみろ モーティ どうやって燃やすんだ？たった6つのキャンプで600万人？火葬にどれくらいかかるか知ってるか モーティ？永遠にだ M -モーティ 永遠にかかるんだ！
反論：このミームを入れるのをためらったのだが、「ここにある他のミームほどバカじゃないし、なぜかIQの低いネオナチの人たちの間でかなり人気があるし、いいじゃないか」と思った。
これをリツイートする人は、ホロコーストの基本についてまったく無知であることを告白していることになる。彼らは、自分が何を否定しているのか調べようともせず、ホロコーストを否定しているのである。
600万人が焼却されたとは誰も言っていない。(ちなみに実際のホロコースト犠牲者数の推定は500万人から600万人である)。例えば、ナチスは大量射殺（日本語訳）の犠牲者の死体を掘り出して焼却することによって、自分たちの犯罪の痕跡を消そうとした（特別行動1005）が、もちろんソビエトやヤハード・イン・ウナムなどにはかなりの数の大量墓地を残している。ホロコーストの犠牲者の墓はまだ発掘されていない。
そもそも、600万人が6つの収容所で（あるいは収容所だけで）殺害されたとは誰も主張していない。これは、アインザッツグルッペンや秩序警察による大量射殺（日本語訳）、ゲットーでの飢餓などを無視している。
完全な無知だ。これだけで、このミームを真に受けてホロコーストを論じる人は失格だ。彼らは基本的なことを知らないのである。
さらに、遺体を火葬するのに「永遠に」かかるわけではない。収容所のオーブンの容量がどの程度であったか（日本語訳）は、現代の民間火葬場のような使い方ではなく、一度に複数の死体を火葬し、多数の個別の加熱と冷却のサイクルをせずに、死体を連続して火葬し、多くの死体の灰を混ぜる（現在ではどの火葬場でも許されないこと）というような「規則を破る」ことが許された限りにおいて、ドイツの当時の資料からはかなりのことがわかるのですがね。
▲翻訳終了▲
この画像は自体、私は見た事はないですが、「リック・アンド・モーティ」自体は有名ですね（私は知りませんでしたが）。
ただし、このレベルの否定論を口にする人はネットではしばしば見かけます。ていうか、ネットにいる否定派のレベルは大体こんなものです。色々とネットで調べたりして知識だけはあるような人もいますが、言ってることのレベルは大同小異、本質的なレベルは似たようなものです。
ネットで見かける否定派には、こうした風刺画というか漫画でほんとに馬鹿な主張をする人は大勢います。以下はセリフは日本語に変えてありますが、元々は海外で出回っていたものです。
ほぼ全部間違いです。正しいのは命令書くらいなものですが、それも「ドイツ政府」ではなく、よく言われているのは「ヒトラーの命令書」です。翻訳もあちこち間違っており、例えば、左上の吹き出しにある「5500万人」は元の絵では「550万人（5½MILLION JEWS LIVED IN ALL OF PRE-WAR EUROPE.）」です。そして「数100万人は生き残った（MILLONS SERVIVED）」、「殺された600万人はどこから来たのか？（WHERE DID THE 6 MILLION KILLED COME FROM?）」となっています。従って、言っていることは間違いでも、元絵の場合、「550万人いて数100万人は生き残っているのだから、600万人殺されたなんてあり得ない」という意味はわかります。しかし、日本語訳の吹き出しでは意味がわかりません。大体、原文のどこにも「増えている」なんてありません。これほどに否定派という人種はバカなのです。
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