藍眞澄
なにげない日常の思いを書いてみました。
生花作品、合唱のための作詞
1995年に地方新聞社主催のコンクールで優秀賞を受賞して以来、2023年10月まで、長い間詩を書くことができないでいました。 また、とぼとぼと昔の道を歩き出した頃の作品たちです。
人を傷つけないように言葉を選んできた それでも思いがうまく伝わらない 酷く人を傷つけてしまうことがある 取り返しのつかない記憶がふと蘇ると 居ても立っても居られなく…
暑さは身体の細胞の中まで熟れた果実のように ねっとりと歪ませていた 夏になると水の箱買いが極端に増える 山積みになった段ボールを下ろし パックヤードから客の元に運…
私の母校は創立150周年を迎え、記念にコンサートが開催されました。キャンパス近くの東京芸術劇場のパイプオルガンのコンサートは宇宙の話しとのコラボ。面白い。すぐに申…
焼けた陽射しが棘のように 黒々と茂った葉っぱに降っていた 夏の日 陽射しの先端が葉っぱにぶつかると いくぶんまろやかに歪んだように見え そのまま 地面に降り注がれた …
薄茶色のちゃぶ台が 日に焼けた畳の上にひとつだけ置いてある ちゃぶ台を囲んで祖母と母が手仕事をしている 一食の米粒を手に入れるために 背を曲げて黙々と手仕事をしてい…
最初に大きな爆発が起こりました そこから原子が生まれ星が生まれました 星が生まれたその屑から人が生まれました だから人は星の欠片なのです 今こうしている間に 空のず…
わたしはサビ猫だそうです マリアと名付けられました かすかな光だけを感じて お水がどこにあるのかも ご飯がどこにあるのかも お母さんに頼るだけでした お母さんと逸れ…
真夏の昼下がり 雲を高い梢で編んでみた ざっくりした網目の 空の三分の一ほどの 網が出来上がる 両手を高く差し出し 無造作に端っこを掴む それから 思い切り力を込めて …
「白はね黒とおんなじくらいに いろんな白があるんだよ」 その人は俯きながら言った 睫毛の影がうっすらと頬に映ったのが見えた その一瞬でこの人の 心の奥の遥か遠い所に…
空一面覆い尽くした雲の いちばんてっぺんでは トビウオが跳ねているにちがいない 雲の表面を やがて来る真夏の太陽が うっすらと焦がしているのに トビウオはその暑さをモ…
一年先の今日の日が訪れてくれました。 相変わらず私は毎日を忙しく過ごしています。 一年前と違ったところは 庭先に毎日地域猫のミケ子さんとポンちゃんがいること。 ミケ…
花器はくじ引きで当たった指定のものを使いました。花材は白やまぶきの枝 トルコ桔梗 枝を留めて立たせるのが難しかったです。 留めた枝を取っ掛かりにして、花を立てま…
ミケ子さんは元に戻され地域猫になりました。 子猫が保護されたことを知る由もありません。一晩中子猫を探して鳴き続けました。夜になると子猫が寄り添って寝ていたコンロ…
翌朝、亀井さんが迎えにきてミケ子さんの入った捕獲器をそのまま連れていきました。10:00から避妊手術の病院の予約が取れているとのこと。 間も無くして、ミケ子さんが入院…
6月22日、いよいよ捕獲の日がやって来ました。私が仕事から戻るのは夕方6時以降になってしまいます。少しでも早い時間がいいと思いました。職場に連絡して事情を話すと店長…
私の住む町で保護活動をしていらっしゃる亀井さんについてお話しします。少し前まで私の住む小さな町ではまだ野良猫が物のような扱いを受ける状況にありました。亀井さんは…
2024年8月24日 06:54
人を傷つけないように言葉を選んできたそれでも思いがうまく伝わらない酷く人を傷つけてしまうことがある取り返しのつかない記憶がふと蘇ると居ても立っても居られなくなってこの世から消えてなくなりたくなる何億という条件が揃ってやっと産まれてきた大切な命だと知っていてもどうしようもなく消えてしまいたくなることがある「その時の男の瞳を忘れることができないみすぼらしい男になにひとつ奇跡な
2024年8月22日 05:29
暑さは身体の細胞の中まで熟れた果実のようにねっとりと歪ませていた夏になると水の箱買いが極端に増える山積みになった段ボールを下ろしパックヤードから客の元に運ぶ繰り返し繰り返し仕事を終えるくたくただ話すのも億劫になっている空を見上げる夕焼けの色が粒子になって放射状に降っている私の肩に降ってきた粒子を片手で受け止めるとやわらかいよく見ると秋の粒子が混じっている歪ん
2024年8月18日 10:06
私の母校は創立150周年を迎え、記念にコンサートが開催されました。キャンパス近くの東京芸術劇場のパイプオルガンのコンサートは宇宙の話しとのコラボ。面白い。すぐに申し込みました。このホールがある場所は私か学生の頃は広い原っぱでした。当時この街は汚くあまり治安の良くない感じでした。そこにある大学のキャンパスだけが別世界のようでした。オルガンの演奏者はチャペル専属のオルガニスト崎山浩子さん。以前
2024年8月17日 13:32
焼けた陽射しが棘のように黒々と茂った葉っぱに降っていた夏の日陽射しの先端が葉っぱにぶつかるといくぶんまろやかに歪んだように見えそのまま地面に降り注がれた木陰の間では幼子が踊りはじめる踊っている空間に「居場所」はある「居場所」はどんな時も味方だった世界中の誰もが自分を認めなくても「居場所」は自分を認めてくれるだろう幼子の笑い声が木漏れ日を縫って響いていく笑い声に応える
2024年8月13日 08:02
薄茶色のちゃぶ台が日に焼けた畳の上にひとつだけ置いてあるちゃぶ台を囲んで祖母と母が手仕事をしている一食の米粒を手に入れるために背を曲げて黙々と手仕事をしている懐かしいけれど心のどこかが痛む景色がちゃぶ台の周りによみがえる背を向けて鮮やかな足取りで今に向かって歩いてくる一人の少女がいる後を振り向かないでまっすぐに今に向かって歩いておいで灰色の雲が悲しい記憶を弔うように世
2024年8月10日 07:29
最初に大きな爆発が起こりましたそこから原子が生まれ星が生まれました星が生まれたその屑から人が生まれましただから人は星の欠片なのです今こうしている間に空のずっと高いところには宇宙が確かにある何百光年離れた星から長い時を隔てたこの手のひらにちゃんと光が届く何千億という奇跡が重なわなければ宇宙が誕生してから人は生まれていないひとりひとりが偶然の奇跡の重なりで出来ているこう
2024年7月31日 12:11
わたしはサビ猫だそうですマリアと名付けられましたかすかな光だけを感じてお水がどこにあるのかもご飯がどこにあるのかもお母さんに頼るだけでしたお母さんと逸れてとてもとても長い時間が過ぎたように思えたのは真夏のお日様があまりにも暑かったから日陰がどこにあるのかも分かりませんでしたどこが危ない場所なのかも分からないでどこが高くてどこが低いのかも分からないでただ真っ直ぐに歩い
2024年7月27日 09:25
真夏の昼下がり雲を高い梢で編んでみたざっくりした網目の空の三分の一ほどの網が出来上がる両手を高く差し出し無造作に端っこを掴むそれから思い切り力を込めて成層圏に届くように放ってみる網にかかるのは大量のトビウオだこれからどうなるかなんて考えていないこれからどうなるかなんて考えても仕方ないただ飛んで泳いでいるトビウオが食べているのは人間の陰の部分だ意地悪だったり悪意だっ
2024年7月23日 07:51
「白はね黒とおんなじくらいにいろんな白があるんだよ」その人は俯きながら言った睫毛の影がうっすらと頬に映ったのが見えたその一瞬でこの人の心の奥の遥か遠い所にある一点を感じたユトリロの絵が見たかったいろんな白を見たかった神田神保町を足が棒のようになるまで歩く一冊の画集を買った一つの作品が目に留まったコタン小路この白を見ようと思ったアルバイトをしてお金を貯めたフラ
2024年7月11日 07:41
空一面覆い尽くした雲のいちばんてっぺんではトビウオが跳ねているにちがいない雲の表面をやがて来る真夏の太陽がうっすらと焦がしているのにトビウオはその暑さをモノともせず一直線に泳いでいるに違いないなにものにも邪魔をされないなにものも入り込めない一粒の傷さえ許さない生まれたばかりの空間を目指して一心に向かう雲の下では雑多な思いがひしめきあっているそれぞれの正しさが譲る
2024年7月8日 08:06
一年先の今日の日が訪れてくれました。相変わらず私は毎日を忙しく過ごしています。一年前と違ったところは庭先に毎日地域猫のミケ子さんとポンちゃんがいること。ミケ子さんの悲しいストーリーが終わった後で、私がこの子たちを大切にしていこうと思ったこと。明日もとびきり暑い一日になりそうです。銀河の向こう側からみたら地球は宝石のように見えるに違いありません。その美しい地球の上で、人が人の命を奪っ
2024年7月3日 18:56
花器はくじ引きで当たった指定のものを使いました。花材は白やまぶきの枝 トルコ桔梗枝を留めて立たせるのが難しかったです。留めた枝を取っ掛かりにして、花を立てました。
2024年7月3日 11:10
ミケ子さんは元に戻され地域猫になりました。子猫が保護されたことを知る由もありません。一晩中子猫を探して鳴き続けました。夜になると子猫が寄り添って寝ていたコンロの中や段ボール箱を覗きこんで鳴きました。ミケ子さんのおっぱいもかなり張ってきました。ミケ子さんが可哀想で不憫で私も一緒に泣きました。鳴き続けて4日目、ミケ子さんは少しずつ鳴かなくなりました。ポンちゃんと仲良く1日の大半をうちのデッ
2024年7月2日 19:01
翌朝、亀井さんが迎えにきてミケ子さんの入った捕獲器をそのまま連れていきました。10:00から避妊手術の病院の予約が取れているとのこと。間も無くして、ミケ子さんが入院したと連絡が来ました。夕方4時退院の予定とのこと。夕方退院。子猫の入ったケージとミケ子さんのケージを隣合わせに置いてくださっていると連絡がきました。良かった。また子猫たちに会えたね。翌日、ミケ子さんは麻酔から完全に覚めました。
2024年6月30日 00:07
6月22日、いよいよ捕獲の日がやって来ました。私が仕事から戻るのは夕方6時以降になってしまいます。少しでも早い時間がいいと思いました。職場に連絡して事情を話すと店長が快く早退するのを承諾してくれました。私が働いているのはドラッグストア、ぎりぎりの人数で仕事をこなしていますので一人欠けることがどれだけ周りのスタッフに負担をかけるか充分に理解しています。それでも、周りのスタッフたちも快諾してくれまし
2024年6月29日 18:32
私の住む町で保護活動をしていらっしゃる亀井さんについてお話しします。少し前まで私の住む小さな町ではまだ野良猫が物のような扱いを受ける状況にありました。亀井さんはその状況を目にしてこれではだめだと町役場に足繁く通い現状を訴えたそうです。でも遅々として改善されなかったようです。そこで、自分で動くしかないと保護活動を始めたようです。見返りを考えず、私利私欲なく、生活を犠牲にして小さな命を守る姿を目にす