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藍眞澄
2022年12月28日 23:07
おつかれさまおつかれさま沈みかけたお日様がオレンジ色に染まった空を赤々と照らしながら消えいるような声で語りかける重い荷物を引きずり重い足を引きずり家路につく今日が無事に過ぎたことを感謝するほんのわずかな収入を得てほんのささやかな食卓を囲めることを感謝するおつかれさまおつかれさまお日様が山の端に一瞬透き通った光を放って沈んでいくお日様が沈んだ後の西の空は
2022年12月26日 05:33
闇の中で無数の星たちが声にならない声を光に変えて降り注いでいた「あなたが生まれるずっとずっと前に 私は生まれた 今あなたが見ている私が あなたに届く頃 私は闇に戻っているかもしれない」何万光年離れた星たちの光が今こうして私の目に届いているもうじき夜が明ける眠りから覚めた朝の陽射しが人々を眠りから覚ます前に星たちの光は見えなくなるだろう見えないけれど確か
2022年12月25日 23:00
暗い夜空に宝石を散りばめたような星たちが遥かかなたから光を降り注いでいたその人がお生まれになったと真っ先に気づいたのは最も貧しい羊飼いたちだったその人はもっとも貧しい人間たちの寝ぐらよりさらに貧しい動物たちの寝ぐらに産まれた誰も知らない誰も気づかない世界から忘れ去られた片隅に生きる人々の涙にその人は犬の目にような目をして一緒に涙した涙は一筋の光に変わった一筋
2022年12月23日 12:08
それでも流れていくしかない岩にぶつかり時に岩をくだき流れていくしかない魚を育みその子どもたちを見ることもなくーやがて海に辿り着き とてつもなく大きくなって ここに帰ってくるー川辺に樹々を育みその彩られた葉っぱを見ることもなくーやがて命が尽きる頃 葉っぱたちはこんなに 鮮やかなのだー激しい流れが渦を巻き飛沫は空に大きな弧を描く描かれた弧が日差しの中
2022年12月19日 11:18
暗い夜道にたっている静けさが刺すように凍りついていたかじかんだ手に息を吹きかける寒さの痛みは両手だけではなく心さえ凍らせてしまいそうだった遠くに灯りが見えるぼんやりオレンヂ色の光光のなかに家族の笑い声が見える一本のマッチを擦ってみる小さく燃える炎もまたオレンヂ色だ私がまだほんの小さな子どもだった頃に出会ったようなもしかしたら私がまだ生まれない頃に出会ったような
2022年12月15日 06:13
遠くまで歩いてきてしまった振り返えらず歩いてきた足元まで続く後ろに出来た道は見たくなかった前にただ前に見えない道を手探りで歩いている空には飛行機雲がどこまでも伸びていた飛行機雲の先には何かとても優しいそして暖かな何かがあるような気がした見えない道はやがて空へと続きとても懐かしい昔確かに自分がいた処に導いてくれるはずだ後ろに出来た道を振り返れば自分が傷
2022年12月13日 11:18
ごめんなさいごめんなさいここに生まれてきてごめんなさいあなたにとって良いように一生懸命に考えて言ったことした事すべてがあなたを傷つけてしまった私はごめんなさいを言う事しかできなかった悪意など欠片もなく生きてきたと思うそれでも悪意ある人は悪意ある心で私の心を推し量った。どこまでも私は深く落ちていく底のない暗闇にいったいどのくらい経ったろう
2022年12月8日 23:37
情熱的に怒りにも似てその激しさはどこから来るのだろう目の前の川の流れは同じように見えて同じ形など一度としてない最初は一滴の雨粒だった一滴の雨粒が木々に降り土に帰っていく数えきれなり雨粒が土に帰ってやがて一つの流れになる空の思い出を身体に染み込ませて雨粒が憧れたものはなんだったろう魚を育むことか田畑を潤し人を育むことか一つの方向へ川は流れていくやがて
2022年12月6日 22:20
私たちはもうじき散っていきます人間たちの世界から離れた山奥に私たちは生まれましたまだ寒さの残る春の初め私たちは樹の幹から小さな顔を出しましたそれから日の光を浴びて大きな一枚の葉っぱになりました夏になると私たちの仲間が押し合うほどに茂りたまに私たちの下を通る旅人に木陰を作ってあげました急に雨が降り出した時は遠足に来た子どもたちを雨宿りさせました私たちはありが
2022年12月5日 09:16
(疲れたもの重荷を背負うものは誰でも私のもとにきなさい)がんばってきたいつもいつもだきまって最後は行き止まりだった周りの人を傷つけたくなかったどうしたら傷つけないかそればかり考えてきた大切な人が口にしたおまえは勝手に生きてるその言葉に過去がすべて否定された消えてなくなりたかった遠く汽笛が聞こえた何か大きなものに引きずられるように私は聞こえる方向に歩んだ
2022年12月4日 00:24
遥か遠く暗い闇の中で故郷はぼんやり祭りのようにあたたかい思い出の中薄明かりの下で母が破れた服を繕っている貧しかったはずなのに貧しいと感じなかったのはお金に代えられない豊かなものがあったから比べることの出来ない豊かなものがあったから人々の一日の疲れを労うように日の沈んだ西の空には夕焼けがひときわ明るさを増している母は重い足を引き摺りながら家路につく疲れを笑
2022年12月2日 11:39
1もしも あなたが悲しくて辛い時には思い出してほしいあなたの横にはいつもイエスさまがいっしょにいてくださるあなたはけっしてひとりではないイエスさまといっしよなら苦しい気持ちも半分になるでしょう2もしも あなたにうれしいことがあった時には思い出してほしいあなたの横ではいつもイエスさまがいっしょに喜んでくださるあなたはけっしてひとりではないイエスさまと
2022年12月1日 07:34
花を見つめる角度を変えてみると表情が変わるどの角度から見るのが一番美しいか何度も何度も角度を変えるそうしてやっと一番美しく見える角度を見つけるあなたはなんという名前?どこでだれに育ててもらったの?遥か昔あなたの祖先はどんなふうに生きたの?心の中でそっと花に話しかけながら花をみつめるぼんやりと形が見えたような気がする花がなりたい形をはっきりと伝えてくるまで
2022年11月30日 10:52
朝まだき暗い空にオリオン座の大三角形がまたたいている昨日から抜けきれない今日が始まろうとしている思い出したくない辛い思い出がずるずるとよみがえり立ち止まってしまった昨日遠い昔道はどこにもないように思ったがんばってもがんばってもなにひとつ上手くいかなかった「今 目の前にある事やらなきゃならない事だけ一緒懸命にやってごらん。」そう言ってくれた人遠くを見ないで目