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ぐみ
2019年2月26日 20:27
さよなら あなたの眼は見ない無邪気に触って 汚れた指先本気になっても 報われない大人のふりしていたいつまでも続く気がしてた恋人ごっこあなたの中ではもう終わったこと傷ついてないふり 気づいてほしかったけどもうそこにあなたはいないずっと考えていた私は存在?それとも傷?どうやったって私は 忘れられないあなたのこと 苦い蜜の味「ずっと一緒にいよう」 「好きだよ」見え透いた嘘
2018年11月6日 00:34
夏の大展覧会 小学生の頃母に手をひかれ静かな冷たい暗がりで ダウンライトに照らされた油絵うねりを帯びたあの気圧 私の心に入り込んだ母さん、覚えていますか 一人で過ごす私にどこか連れて行ってやろうと選んだのがあの美術館 何も言わず理解してほしそうな銅像が外に立つ外では蝉が鳴きわめいて 命をもっとと叫ぶ声がする炎のように生きたという 耳のない男の恨めしそうな肖像画漠然とただ過ごして
2018年11月5日 02:08
ずっと好きだったあの娘に彼氏ができた照れながら、らしくないでしょと笑いながら、僕だけに打ち明けてくれた高校の同級生だったあいつとお互い地元で就職したから、しょっちゅう一緒に飲んでいたのとつかの間の帰省と、久々の故郷に、まだ僕自身感覚が戻っていなくて昨日朝まで飲んだ高校時代の奴らの中にあいつはいたっけな二日酔いのぼやけた頭に、君のしゃべる事実だけが氷のようにしみてゆく浦島太郎はきっと
2018年2月12日 23:44
恋の歌が作れなくて 愛の言葉も紡げなくなってだから誰かを励ますような歌を 何もかも知ったように歌ってそうやって 救いようのない自分をごまかしていたの多分、私の中の迷いを 声にすることが恐ろしくなってこのすさんだ社会を批判して 自分ごとのようなそうじゃないようなだからこんな 動揺している私を見せたくなかった一つ一つ慎重に 元に戻らない言葉を吐くアイスティーの溶けきった 氷を探すよう
2017年12月24日 18:43
大ぶりなネオンと笑い声で満たされた深夜の繁華街何も考えてなさそうな幸せな顔をした奴らばかりでもこの路地を裏手に回れば輝きと裏腹のはきだめをなかったことにして避ける先進国とはその名ばかり毎日どこかで人が人を殺し、知らない誰かに祈り捧げ産んだかと思えばすぐにゴミ箱へ投げ捨てる希望の薄明かりこの白々しい騒がしさに全身を染めることもできずにだからといって真っ向から戦う勇気もなく人を憚りマ
2017年11月16日 02:00
仕事は今日辞めた 彼女とも別れた俺は今やっと 俺のために生きていくどこかでエンジン音が響く 用もなく外へ出る誰も止めない 何も待っていない 深い夜へ踏み出す人づてにきいた話 昔の仕事仲間の話あいつは辞めたあとで 夢を追って死んだという家出同然で飛び出した故郷 ネオン街と重ねて照らされてできた影の中 思い出が亡霊のように浮かぶこんな時に誰かに電話しそうになる頑張ったねと言っても
2017年11月16日 01:52
二人ベッドで寝がえりで 目が合って笑いあって声上げて笑いあって 濡れた朝日に目を細める水たまりの道標 どこまでも照らされていてそんな日曜日 今日はどこか出かけよう昨日夜更かしして観た映画を返さなきゃそういえばシャンプーも切れていたよね近場の街に行くべ 寝ぼけて訛る君が可愛くてそんな日曜日 今日はもう少し遠出しよう虹色のレジャーシート もしものビニール傘2本コーヒー、紅茶、魔法
2017年11月10日 02:26
紙ににじむインクをただ見ている黒板の文字はどんどん増えていって見失ったからノートをとる意味はもうないおもちゃ箱から飛び出した世界は思ったほど面白くなくて散らかったままが好きだった片づけるのは苦手だったゆらゆら枯れ葉が舞い落ちる見せつけるように舞い踊る飛べないのは、僕だけみたいだマーカーペンが手元から 離れて床の上をはねたふとした勢いで目は前を見る僕がたどって線を引きた