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クロネコ谷の日々

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庭の仕事と猫、時々ものつくりの備忘録。丘陵地にある古い家にて。 2020年6月はじまりから2023年2月
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#クロネコ谷の日々

(177)予定調和の外側

(177)予定調和の外側

ラジオでミュージシャンが新曲の解説をしていて、ギロという洗濯板を引っ掻いて鳴らす楽器が無かったので代わりにペットボトルの蓋を使って録音したという。その楽器の専門家に弾いて貰えば予想通りの音が出るけど、違うモノを使うと意外な音が得られる。全員合唱もプロのきっちりしたのより、素人が混ざると微妙にズレたりして、そこが良い、予定調和的出ないのが良いという。 微妙なズレがどういいのかもちゃんと話してい

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(175)初雪2022

(175)初雪2022

パラパラと雪が舞い出したらそのまま雪は降り積もってしまった。大雪の日はいつもなぜか遅番に当たってしまい凍り始めた坂道を傘を杖にして登ってきた。翌朝もまだ凍っていて降りる方が余程怖かった。札幌時代に雪道の歩き方は鍛えられたけれど舗装した坂道は凍るとどうしようもないな。 庭の雪はまだ少し残っているけど晴れてきたのでジジが果敢に雪の中を歩いて、でもすぐに引き返してきた。そりゃあ冷たいだろうに!

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(169)眠りにつく前

(169)眠りにつく前

おかしな夢を見た。家の中で小さな茶色の子猫が落ちていて、白くて縦長のネズミのような魚のような生きものもいた。うちの黒猫のおじさんたちと慌てて子猫の世話をしているうちに目が覚めた。 昨夜お風呂も入って全て片付けてさあ寝ようと思ったところでふと思い出して、図書館で借りてきた「ほんやのねこ」を途中まで読んだ。ここ一ヶ月ほど、茶色の子猫の赤ちゃんを世話している女優さんのSNSを毎日見てるので、この二

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(155)新緑の季節

(155)新緑の季節

5月に入ってから毎朝の桑の実が日課で、夕方も家にいる時は摘んでいる。狭い庭で桑の木の下にも草木があるから、シートを敷いて揺すって落とすなんて技は使えず、小さな実を手摘みしている。面倒ではあるけど、朝陽でキラキラと光るルビーみたいな紅い桑の実と新緑のグリーンが美しくて、いつか見れなくなるだろうからしっかり今見ておきたいとも思う。 カタツムリもいつも何匹かが木に登っていて元気そう。珍しく起きて活

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(153)ボスと隊長

(153)ボスと隊長

クロネコ谷の猫たちは、はじめに生後3ヶ月のジジが来て、ふた月遅れてやはり生後3ヶ月くらいのモモが来たので、ジジの方が2ヶ月くらいお兄ちゃんだ。でもモモはジジが3ヶ月の頃より幼くて、トイレの後の砂のかけ方もジジが毎回付いて行って教えたし、体力もなくて、走るとすぐ息切れしてた。 モモは成長がジジよりゆっくりで、一生懸命にジジを真似して色んなことを覚えていった。モモは保護施設にいて小さい時にした去

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(131)いきものたちの12月

(131)いきものたちの12月

日の当たる場所は暖かいけれども日陰はかなり寒く日も短くなってくると庭にいる虫も少なく、たまに蜂や小さな蛾や羽虫くらいになる。カマキリも見ないなあと思っていたら二日くらい前に窓辺のジャスミンの葉の中にいるのを見つけた。なぜか逆さまになってお尻を日向ぼっこしている。

寒い時は繁みの中の方にいるらしく、そういう時はどう探しても見つからないが、今朝はカマキリが先に見つけていて気づくとジッと私を睨みつけて

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(130)黒猫印の甘酒とくろねこマフラー

(130)黒猫印の甘酒とくろねこマフラー

昨日はだいぶ寒くなったが12月なのに今年はまだ秋のような気がする。とはいえ庭の緑も少なくなり、色ものが欲しいなとリュウノヒゲの濃い緑の葉を探っていると青い実がたくさんなっているのを見つけた。染料になるというヒサカキの実、ツゲの木も切り詰めていると実がつかないが伸ばしている木には美しいな黒い実がついていた。ツゲの木の実はとても素敵だ。

麹を用意したものの必要な量はわずかで残ってしまったので袋に表示

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(128)枯葉色の深まる日々

(128)枯葉色の深まる日々

年明けになると言われていたが次の火曜日にと連絡があり、植木屋さんが楠を小ざっぱりと剪定して行った。ちょっと変わった人で自分のことを家主の〇〇さんから依頼された植木屋さんですと言って、私も植木屋さんと呼べばすむけれど普通は名乗るよなと気になりながら、彼はささっと仕事をして帰って行った。楠は6メートル程に成長してて、切り株から6年でこんなに大きくなったの!?と驚かれた。太い枝をいくつか置いて行ってもら

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(127)霜月小春日和

(127)霜月小春日和

ひょうたん池の側の草叢に踏み入れた時に何かが足元から横っとびに跳ねた。アッと思ったらまたぴょんと跳ね、その次のジャンプでひょうたん池にちゃぽんと入った。土色の蛙だった。小春日和とはいえ11月だし、庭で蛙を見たのも初めてのことで驚いた。蛙はすぐに池から這い出て落ち葉の中を去っていったが、はやく寝なさいねと見送りながら心配した。

しばらく前から昔のようにブリッジ(床から持ち上げる方)がまた出来るよう

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(124)秋の短さと手づくりブラウス

(124)秋の短さと手づくりブラウス

日が昇りお日様がキラキラしていいお天気だなあと幸せを感じている間に、あっという間に陽が沈む。秋の日はほんとうに短い。そういえばと茶の木を見に行くとやっぱり花が咲いていた。小菊と一緒にお茶にしてみる。生葉や花に湯を注いだお茶はスッキリした味わいなのにカフェインかカテキンかが強いようで、空きっ腹だと胃にくるので、お湯の温度を下げるか他にも何か混ぜるといいような気がするが何がいいのだろう? 頭がクリアに

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(123)子供の時から変わらない

(123)子供の時から変わらない

露地植えのミニトマトの苗が一株だけ元気なので放っていたら、赤くならず緑色のままのトマトがいくつもなっていた。せっかくなのでピクルスにしようと摘んだ。外国のレシピにはグリーントマトのジャムやピクルス、チャッネなど普通に見かけるけれど、日本でグリーントマトを使うのは聞いたことがない。日本人好みじゃないのかなと思う。

カタツムリが寒くなって殻に閉じこもってしまうので心配になり、工具箱のようなか蓋付きの

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(122)11月になったね

(122)11月になったね

朝夕の気温がカクンと下がって冬の訪れを感じる。このところ庭仕事は木の剪定を重点的にしているが、大きく育った桑の木の枝は硬くて力を込めて切ると短時間でもエネルギーを消費するから、始まる前に食べて終わるとまたオヤツを食べて、オヤツがあっという間になくなってしまう。しかもフルーツやナッツを使ったお菓子が食べたくてまるでリスのよう。野性がのこっているなぁと思う。

小鳥の声が聞こえてふとみると枝を落として

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(121)10月も終わり

(121)10月も終わり

する事はいつもあるはずなのだけど、涼しくなって動けるから次々と何かしていて、庭仕事が何かに加わると体力を使い果たしてしまう。三日家にいる日が出来たので喜んでまず片付けをして、裁縫、庭仕事、読みたい本をどっさり借り、思いつきで紙染めもしていたら時間は足りなくて気が焦る。つまらないお勤めなどしてるヒマはないのである。まったく、いい年なのだから、意義あることのみに力を絞りたいものだ。坂口恭平の本を読み、

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(119)いきものたち。

(119)いきものたち。

ジジは夏に痩せて冬に丸くなる。この秋もだいぶ丸くなってきた。先日ゆっくり庭を見て歩いていたら春に移植して世話をして元気になったクチナシが、青虫にすっかり食べられ丸裸になっているのを発見した。大きな青虫は蛹になるところだったから、今更木から落としても仕方ない。翌朝、蛹はどうかなと見に行ったが姿も形もどこにもない。さては鳥に見つかってしまったか。私のクチナシを食べ尽くした青虫はさぞ美味かったことだろう

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